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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第三章 ブルドア国パルファム市

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第二十六話 市庁舎と、ダゴスの私兵と。

バジャとグラムを追って行くと、

地下牢の隣──大きな建物に入っていくのが見えた。


これが、市庁舎だろう。


「どうする?中に乗り込む?」

メイが目を輝かせながら言った。


「いや、敵の巣の中に飛び込む必要はないだろ。

多分──お仲間を引き連れて出てくるよ」

俺は言った。

「ガンダルさん。騎兵団以外の戦力はこの街にありますか?」


「俺が把握している限りではないな」

ガンダルが答える。


「詰めが甘えよ。ダゴスみたいな小心者が──私兵を持っていないわけないだろう」

ファングが言った。


「え?いや、そんな気配は……」


「私兵が街の中にいるとは限らねえぞ。人が住める場所はいくらでもある。

──ほら、見てみろ。あの軍団。見たことねえか?」

ファングが指さした方向には、武装した男たちが市庁舎を護るように取り囲んでいた。


「あれは……最近街の周辺に出没する盗賊団だ。ダゴスのやつ……繋がっていたのか」

ガンダルが、怒りをにじませる。


「街を守る騎兵隊には地上げ屋をさせて、犯罪集団を子飼いにする。

──やっていることはめちゃくちゃだね」

エルデネは、呆れつつも、何故か少し嬉しそうに笑った。

「すがすがしいくらいの悪党だ。──つぶしがいがある」


その笑顔は──まるで悪魔のように凍って見えた。


「ちょ、ちょっと待てエルデネ」

右手を掲げ、火球を作り出そうとするのを止める。


──そのまま、市庁舎ごとぶっ壊しそうだ。


「なに?──まさか、ダゴスと話をするとか言わないよね?」


──なんで俺の考えが分かるんだ。

俺の表情を見て、エルデネはため息をついた。


「……やっぱり親子だねえ。ユイトも同じこと言うよ、きっと。

どうせ、会話すれば伝わるかもしれない、とか言うんでしょ。

まあいいや。ここまで持ってきたのはアラタだから、好きなようにしな。

私はアラタの指示で動く」


──エルデネは勝手に納得したようだが、別に俺はそんなこと考えていない。


俺はただ、ダゴスがなぜランクを上げようとしているのか、

この街で何をしようとしているのかを知りたいだけだ。


いわば──ただの好奇心だ。


どう聞いても極悪非道のダゴスが、話してどうにかなるなんて思っていない。

っていうか、父さんはそんなに甘い判断をしていたって言うのか?


よく戦乱の時代を生き残れたな……。


「あの盗賊団は私たちが相手しておくわ。ね、ラウル」

メイが言った。


「俺?いきなり実戦かよ」

ラウルが目を丸くする。


「あと、ガンダル。あんたもね。エルデネは式術者の対応した方がいいし、

ファングはダゴスと決着つけたいでしょ。というわけで、二手に分かれるわよ」


メイが仕切っているが──本音は戦いたいだけなんじゃないか?


「そうだな。それで行こう。ファングさん──後ろ任せてもいいですか?」

俺は話をまとめた。


「しんがり、ってやつだな。任せとけ。ガキどもを守れってことだな」

ファングはそう言ってキセキとアイネの肩に手を置いた。


──おい、こら。


「ガキじゃないよ。──僕だって戦える」

キセキはそう言ってファングの手を払った。


「ははっ、そうだな。お前のおかげで地下から脱出できたんだもんな。

悪い悪い。じゃあ、ダゴスの野郎に会いに行こうぜ」


ファングは悪気なく笑った。

強引さやその陽気さは、どことなく──ハルカゼ叔父さんに似ている気がする。


ハルカゼ叔父さんはトランジアの代表であり──親友だ、と父さんは言っていた。

アルカディアに遊びに来るたびに大騒ぎする叔父さんだ。


とにもかくにも、布陣は決まった。


いざ──ダゴスにご対面だ。


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