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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第三章 ブルドア国パルファム市

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第二十五話 青のバジャと、緑のグラムと。

「おい、バジャ。もう無駄だぞ」

ファングは水を流し込む式者の後ろから声をかけた。


青い髪の男が振り向く。

三十代くらいだろうか。

眼鏡をかけた、細身の男だ。


「おやぁ……ファング。脱獄ですか?それはまずいですねぇ。死刑になるかもしれませんよ」

眼鏡を指で上げながら、にやりと笑う。


——嫌な顔だ。

式術者としての、自信を漂わせる。


「ランクB式者の私に立ち向かうなんて、随分馬鹿な人たちですねえ。後ろにいるのは……ガンダルじゃないですか。あなたも捕まることになりますねぇ」


「……お前らは、郊外に向ったんじゃないのか!」

ガンダルが言い返す。


「あんな見え見えの嘘にひっかかるわけないでしょう。ねぇグラム。——騎兵団の裏切りだと言うことはすぐに察しましたよ」

バジャが言うと、グラムと呼ばれた男——緑の髪の男が頷いた。


「バジャさん、やっちゃいましょうよ。こいつら捕まえれば、ダゴス様も喜ぶ」


グラムよりバジャの方が身分か、歳が上か。

絵に描いたような腰巾着だ。


「この階にいた囚人たちはどうした。姿が見えないが」

ファングが周りを見回す。


「あなたと違って、地下二階以上は刑期の軽い罪人ですから。一時避難させてますよ。

——心置きなく、あなたたちを懲らしめられます」

そういうと、バジャは笑った。


「——エルデネ、そういうことらしい」

俺は言った。


「おっけー。心置きなく、だね」

エルデネは頷くと、右手から火球を作り出した。


それを見ていたバジャの顔が、蒼白になる。

「なっ……ランクA……!?いや……Sか……?」


さっきからランクがどうこう言っている。

——ロッド大陸とは尺度が違うのだろうか。


まぁ、関係ない。

こっちの世界でも、エルデネの火力は災害級であることに変わりはない。


「ひ、ひいっ!」

グラムが腰を抜かす。


「お、おい、お前が腰を抜かしたら回復ができないだろうが!」

バジャも慌てている。


「どうするー?ここで消し炭になる?」

エルデネが言うと同時に、二人の式者は——逃げ出した。


「アラタ、追う?」

メイが振り向きながら聞いた。

俺は頷く。


「多分、ダゴスのところに行くだろう。ついていこう。道先案内人だ」

俺たちは逃げ出した式者の後を追った。


——しかし、エルデネの火力は見せるだけで十分脅しになるな。

案外、この旅も余裕かもしれない。



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