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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第三章 ブルドア国パルファム市

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第十七話 パルファム到着と、気掛かりと。

「なんか……古臭いね」

パルファムの門に到着したメイの第一声はそれだった。


──確かに、今時あまり見ない石造りの門。

テオロッドの門にも似ているが、あれは歴史的建造物的な扱いだ。


この街は──ひと昔前の街並みの印象だ。

科学の気配がしない。


「まずはどこから行こうか。例の新しい市長について情報収集してみようか」

エルデネが馬車を止めると言った。


「待ってエルデネ。あの兵士──ガンダルだっけ。

僕らを見るなり顔色が変わったから、多分この街で式術者は動かないほうがいい」

キセキが言った。


鋭い洞察。

エルデネの赤ももちろんだが、俺の橙、キセキの赤紫も多分この街では異物だ。


街を歩く人々を見ていると、皆灰色だ。

不思議と、アイネのような黒髪は見かけない。


「じゃあ、ここは俺たちが動いた方がいいな。メイ、行くぞ」


「なんであんたが仕切っているのよ」


ラウルが先に歩き出し、メイがそれに付いていく。

──昨日の剣術練習といい、なんやかんやあの二人仲がいいな。


「私も、道案内に行きます」

アイネが言った。


「おっ、それは助かる」

ラウルが答える。

──アイネ、行っちゃうのか。ちょっと寂しい。


「じゃあ、私たちはここで待ってるね。情報入ったら戻ってきてねー」

エルデネは馬車に戻ると、座り込んで目を瞑った。


──寝るつもりだな。


エルデネはしかしよく寝る。

案外、年を取らない秘訣は睡眠なのかもしれない。

帰ったら母さんに教えてあげよう。


母さんと言えば──親たちは一体何をしているんだろう。

あれから、一切の通信がない。


特にミサキ叔母さんなんてキセキを心配しているだろうから、

何もなくともエーテルリンクで繋いできそうだが。


エルデネが寝てしまったので、俺とキセキの二人だけになった


「キセキ、あれからミサキ叔母さんから連絡ないのか?」

俺は聞いた。


「うん。ないよ。おかしいよね。絶対連絡してくると思ってたんだけど」


「……だよな。テリーズ叔母さんはしなそうだけど、うちの親たちはしてくるよな」


「もしかしたら、通信が断絶しているのかもね」


「え?」


「この大陸のことだって、母さんは分かっていなかった。

〝大いなる意志〟に接続できる母さんなら、なんでも分かるはずなのに」


「なんだよ、その〝大いなる意志〟って」


「なんか、世界の記録みたいなもの。精神世界でしか接続できないから、紫の高位式者だけが繋がれるんだって。──でも、そこにこの大陸の記録はなかったんだ。あったのなら、大人たちは知っているはずだから」


「……なんか怖い話だな」


「わくわくするよね」


「……お前のその性格羨ましいよ」


俺は、わくわくより恐怖の方が強い。


大人も知らない、謎の大陸。


存在しないとされていた、文明、そしてそこに住む人々。


──俺たちだけで、本当に大丈夫なんだろうか。


でも、キセキの前で不安な顔は見せられない。


俺は、少し表情を隠した。


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