第百二十一話 ロッド大陸テオロッド国
それから。俺たちはカムイで落ち合い、再び車と船組に分かれた。カムイの自然にザラミは感心し、エイナは食事に舌鼓を打った。
次は、船の出発地、ナギラ岬で落ち合おうかと言う話をしていたが——。
「ここから船旅長いから、先にテオロッドに戻っててよ。そこで落ち合いましょ。多分、親たちも心配してるだろうし」
とメイが言った。
確かに、エアバスなら恐らく数時間で着く。
と言うわけで、俺たちは先行部隊になった。
うちの両親やキセキの両親はアルカディアに、メイの両親はセブンスロッドに、とっくに帰っているはずだ。
でもやっぱり出発の場所に戻りたいという気持ちは——みんな一緒だった。
船組に別れを告げて、エアバスは出発した。
「アラタ。テオロッドという国は、ウィザルにそっくりなんでしょう?」
エイナが目を輝かせながら言った。
俺は頷く。
「驚くほどにな。アーカーシャとフラーシャが共謀してそうしたらしいけど……エイナ、驚くと思うぞ」
エアバスは高速でロッド大陸上空を飛んでいく。
ものの二時間ちょっとで、エアバスはアウレオの森の上空に到着した。
ここなら、車も隠せる。
森に着陸し、ここからは徒歩だ。
懐かしい風景。
のどかな——田舎の風景。
ひどく懐かしく感じる。
遠くにテオロッドの入り口の門——石造の門が見えた時は、不覚にも泣きそうになった。
——帰ってきたんだ。
入り口を入ると、エイナが呟いた。
「ここは——ウィザルじゃないですよね?」
俺たちがウィザルで感じたものと同じものを感じたのだろう。
「——テオロッドだよ。王宮に行こう。多分、エイナなら場所も分かるよ」
建物の配置もほとんど同じ。
エイナは歩き出した。
テオロッド王宮が、見えてくる。
俺たちが——出発した場所。
アレクシオ王や、サイレス叔父さんはいるだろうか。
——会ったら、怒られるだろうな。
俺は少し緊張しながら王宮に入る。
すると——そこにいたのは、予想外の人物だった。
「……父さん」
王宮の中で、何やら話をしていたのは、
アルカディア議長、ユイト=カタギリと、科学長官、タツオ=ヤマセだった。




