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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第十一章 近づく旅の終わり

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第百二十話 フォーリナー号

「え?船?」

俺は聞き返した。

ラウルは当たり前という顔をする。

「フォーリナー号。置いて帰るわけにはいかないだろ」


確かに。

一応、父さんたちが旅した船ではあるが……。


「……でも、さすがに船でまた戻るのは大変じゃないか?」

もはやエアバスの便利さを知ってしまった俺としては——往路のあの苦労を思い出すと、船に乗る気にはなかなかなれない。

それに。

「あの船、まだ残ってるかな」


ユグラシアに到着し、船を停めたのは、かれこれ半年近く前。

その間に流されていたり、朽ちているかもしれない。


「波の影響の少ない洞窟に錨泊したから、問題ないはずだ。俺は、一人でも船で帰るぜ」

ラウルはそう言った。


——こうなると中々頑固だ。


俺はエイナを見る。

一秒でも早くロッドに行きたいと言っていた。

反対するに決まっている。


かと言って、いきなりエイナたちだけがロッドに行くわけもいかない。


俺が悩んでいると、メイが言った。

「私も船で帰るわ。ラウル一人じゃ寂しいでしょ」


「……俺は別に一人でもいいけどな」


「へぇ。強がっちゃって。可愛くないわね」


メイとラウルが掛け合いをやっている。

——もしかして、なんやかんやいい感じなのか?

いじるとめんどくさそうだから放っておこう。


「じゃあ、船を停めたところに一旦向かおう。

その後二手に別れて——カムイで落ち合おうか」


「私も船に乗ろうかなー。海はやっぱり船で超えたいし」

エルデネも手を挙げる。


「——僕も船に乗る。シードラの民は、海の民だ」

タガロも手を挙げた。

「操舵できるやつがいた方がいいだろ?——まだ何の役にも立ってないから、それくらいは手伝わせてくれ」


「できるのか?帆船だぜ?」

ラウルは少し嬉しそうに言った。

タガロは頷く。


「——昔、父さんとよく乗っていた。まだ、十八将になる前だけど。細かいところは——ラウル、教えてくれ」


タガロも、少しずつ馴染み始めているようだ。

ちょっと、安心する。


「カムイとは、どんな国ですか。行く価値はありますか」

エイナが俺に聞いた。


「ロッドの最北端だ。大きい島で——極寒の国。コラルに似ているかもしれない。自然が豊かな国だ」


「他には?」


「うーん……飯は美味かったな。海鮮料理」


「行きましょう」

エイナは即決した。


エアバスに乗り込むと、俺たちはラウルの案内で着陸した場所に向かった。

——よく覚えてるな。

俺は熊に襲われたことしか覚えてない。


「あ、この辺りだ。停めてくれ」

ラウルの指示で、エアバスは地上に降りる。


ラウルはバスを降りると、海辺を歩いていった。

しばらく経つと——洞窟から、フォーリナー号に乗ったラウルが海辺に出てきた。


無事だったみたいだ。


船の耐久力もだが、ちゃんと安全な場所を選んだラウルもさすがだ。


ラウルがこちらに手を振っている。

そのまま、海辺に船をつける。


「よかったぜ。この船なくなったら、じいちゃんに殺されちまう。——やっぱり、機械の乗り物より帆船がいいな」

ラウルは無邪気に笑った。


ここからは、エアバス組の俺、キセキ、アイネ、エイナ、ガゼリア、ザラミと——フォーリナー組のラウル、メイ、エルデネ、タガロに分かれる。


いよいよ、旅の終わりが近づいてきた。

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