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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第十一章 近づく旅の終わり

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第百十七話 近づく別れの音。

ザラミは、本当に一日でやってきた。

「約束通り、最速で来たわよ。……なんでガゼリアがいるのよ」


赤い髪の六帝を見ながら、ザラミは呟いた。

「俺より、強い奴に会いに行くだけだ。貴様こそ何しに来た」


「私は、まだ見ぬ大陸へ大いなるロマンを求めに行くのよ。まあいいわ。エイナ、私は疲れたからバスで寝るわよ」


ザラミは誰よりも早くバスに乗り込み、持ってきた毛布を被って寝始めた。

……相変わらず自由な人だ。


「……婚期を逃す理由が分かりますね。アイネさん。目的地の座標を大体でいいので教えてください」


アイネはバスのモニタに表示された地図を指差しながら答える。

「え、あっ。はい。ここがパルファムだとしたら──この時期は大体このあたりに移動していると思います」


場所が変わるのは、定住でない遊牧民族ならではだ。


設定が終わると、エアバスはユルガン族の地まで空を一直線に飛び始めた。


──目的地まで設定されてしまうと、いよいよその時が迫っていることを痛感する。


まずは──謝罪からだ。

ユルガン族のもとを離れてから──数か月が経過している。

テムルさんや家族は、さぞかし心配しているだろう。


「大丈夫、アラタ」

メイが俺の座席に近づき、小声で耳打ちする。

「死地に赴く戦士みたいな顔してるわよ」


ただでさえ野生の勘の鋭い女が幼なじみというのは、非常に厄介だ。

心の中がすべて見透かされているような気がする。


「……うるせえ」

特に言い返す言葉もなく、俺はそれだけ言った。


「余計な気遣いとか、大人ぶるとか、やめたほうがいいわよ。人間、素直に生きるのが一番」

そう一言だけ残して、メイは自席に戻って行った。


……分かってるよ。分かってはいるけど。


俺は、自分が子どもであることを心から呪いながら、バスの座席で外を見ていた。


ウィザルの景色が──ものすごい速度で流れていく。


あと数時間で──到着する。


そうすれば──別れの時がやってくる。


俺はアイネとキセキと三人で見た、あの夜光虫を思い出していた。

夜の湖面を埋め尽くす、淡い光。


まるで満天の星空のようなそれは、俺の心に焼き付いている。


今も──きっとこれから先もずっと。


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