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ユグラシア冒険記 —幼なじみに連れられて、未知の大陸を冒険することになった件—  作者: ヨダカカツキ
第十章 主国アーカーシャ

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第百四話 主国アーカーシャ

列車が、停まったようだ。

音が静かすぎて、それさえも気が付かないほどだ。

列車の扉が開く。

そこには、無人の駅が待っていた。


「人、いないね」

キセキが呟いた。


「ここに来るのは、六帝、六賢だけ。それも年に一度か二度でしょうから。

主に使っているのは──査定官でしょう」

エイナの言葉が、俺を現実に戻す。


査定官、デュラン。

同行していたサーラ、ボイドは──死んだ。

その場を、俺も見ていた。


残るは──黒の式者、デュランだけだ。


そのデュランが移動で使っているであろう列車で、

俺たちはアーカーシャの中枢部にやってきた。


少し、手に汗がにじむ。


デュランは──アイネはいるのか。

そして俺たちは本当に取り返せるのか。


アイネに会える期待と、戦いへの恐怖が同時にやってくる。


駅を出ると、そこに広がっていたのは、

白い建物、白い道。

すべてが真っ白な街だった。


そこに──多くの人が歩いている。


「あれ?白い以外は──普通の街じゃないか」

ラウルが呟いた。


「でも、なんかあの人たち変よ」

メイが何かに気づいた。

「全然表情がないし……誰も話していない」


「はい。あれは──人ではありません。アンドロイド──機械ですね」

エイナが呟いた。


機械?

あれが?


どこからどう見ても──人間そのものだ。

表情がない以外は、肌の質感まで含めて、人間にしか見えない。


「コウ様の家にもいましたね。バドールでも少しずつ浸透していますが……これだけの数がいるのは初めてです」


え?コウの家?

ということは、お茶を出してくれたあの女の人は──機械だったのか。


改めて、アーカーシャの科学力を思い知る。

サーラの言葉を思い出す。


ジェネシス。


エルデネやサーラは、アーカーシャによって創られた、と言っていた。

つまり、生命さえ生み出せる科学があるということだ。


もはや何も驚かない。


「行きましょう。帝国のど真ん中へ。端末では、アーカーシャとの面会はエンパイアビルでと指示されています」


エンパイアビル。

そこにアーカーシャがいる。

──そしてデュランがいる可能性も高い。


ただただ白い空間を、俺たちは歩いて行く。

帝国の中枢部は──思ったより広くなさそうだ。


バドールで飛び交っていたエアカーも、それを飛んでいない。

それは、恐らく必要がないからだろう。


なぜなら。


目的地のエンパイアビルは、駅を降りた瞬間から見えている。


恐らく──歩いても十分程度の距離。


俺たちはいよいよ、旅の終着駅にたどり着いた。

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