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47歳営業マンが幼児から始める異世界中古武具店~刀で魔物を倒し、正直商売で客も商売敵も救います~  作者: 田島久護


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第十二話 初めての単独ダンジョン探索

「にぃに、おそといこ?」

「はいはい」


 ガノさん一家と共に新形態で営業を開始し、ひと月が経つ。


倉庫代わりに使っていた場所にガノさんのお店が移転し、共に作業をしてくれるおかげで、売り上げが伸びお客さんにも対応できていた。


毎日てんてこ舞いになるほど混んではいないので、お店が空いてる時には祖父やガノさんに鍛冶を教わりつつ、イノさんと共に店頭で呼び込みをする。


ただ皆、六歳児である俺のことを気にしてくれ、なるべく自由にさせようと外で遊ぶよう言ってくれる。


「二人とも、町から出ないようにな」

「はい。じゃあイノさん、いってきます」


「にぃに、はやく」


 遊びに出る時のお供は、イノさんとミラさんの娘、三歳になったばかりのサナだった。


外で遊ぶよう言われても、俺が刀を持ち出そうとするのを見て、イノさんからサナの面倒を見てくれと頼まれる。


まぁ考えれば六歳児が遊びより、新作の刀を試すためにモンスターと戦う、というほうが不自然なのかもしれない。


「あははははは!」

「サナ、転ばないようにね!」


 サナは元気に走り回る。 


花を見つけるたびに立ち止まり、走って転んでは涙をこらえていた。


抱きしめながら頭をなでる。


サナこそが幼児であり、振り返れば俺は子供らしくなかった。


母が心配していないかと今更思い至り反省する。


そこからサナの手を取って走ったり、彼女を負ぶって走ったりした。


やがて疲れてきたのか、負んぶをせがまれ背負う。


じゃあ帰ろうかと聞くも、返事ではなく寝息が返ってきた。


転生してきてから、久しぶりに子供らしい時間を過ごしているな、と思いつつ家路に就く。


「サナ、今日はお兄ちゃんと遊ばない?」

「うん……」


 ある朝、サナは珍しく母親のミラさんから離れようとしなかった。


午前の客足からして、売れても皆で対応できるから、自由にしていいと祖父に言われ、久しぶりにまとまった時間ができる。


せっかく時間ができたことだし、試作品として打った、刀身が真っ直ぐないわゆる直刀と、反りを強くした刀の二振りを持って、ダンジョンへ行こうと考えた。


 お店の売り上げは好調だったが、刀の売れ行きは芳しくなかった。


ガノさんとイノさん、祖父に相談した結果、店先での実演を行いお客さんに意見を聞こうとなる。


実際にやってみたところ、売り上げは上がった。


とあるお客さんから、刀の切れ味で雑草を刈る鎌が作れないか、と聞かれ製作しようと考える。


ほかにも大きな魚を捌くのにも使えないかと聞かれており、それは真っ直ぐ打つといいかも、と祖父と母から提案された。


提案されたものへ生かすため、真っすぐに打った刀と、反りを強くした刀を打った。


打ち方はうちで販売している刀と同じにし、違うのは形状だけに留める。


どうせ鎌を作るなら、普通の鎌と差別化したい。


そう考えた時、この世界はモンスターの数が多いので、いざという時に武器として使える、そこを売りにしよう。


ダンジョンへ直刀も一緒に持っていき、切断性能を試してみようと思った。


 ダンジョンへ行くための準備は完了している。


このタイミングを逃す手はない。


「祖父ちゃん。南の採取ダンジョンへ行ってもいい?」

「行くとしても第一層だけじゃ。ダンジョン入り口で貸し出される、一時間を計る砂時計の砂が落ちきる前に戻る、そして危なくなったら逃げることを優先する。これを守れるなら行ってもいいぞ?」


「分かった。約束するよ」


 南の採取ダンジョンは、町の近くにある初心者向けの場所であり、町周辺のダンジョンの中では安全な方だといわれていた。


入口では兵士が出入りを記録し、ダンジョンへ潜る者には砂時計を渡す。


ここは冒険者も定期的に巡回しており、俺は祖父と何度も魔物を倒しにきていた。


これまでの動きを見て、祖父は俺一人でも動けると判断し、許可を出してくれたのだろう。


試作品の刀二本と素材用の籠を背負い、俺は初めて一人でダンジョンへ入った。




読んで下さって有難うございます。読んで面白いと感じた時には、ぜひ評価を頂ければ嬉しいです。

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