高野
最終エピソード掲載日:2026/03/18
夏至の太陽は空気を重くし、辺りをうねうねと揺らす。ある小学校の校門には、続々と出ていく列の影、門に手をかけた小さな影、そして、悠々と立つ大きな影がぼやけて映る。ある列の先頭に立つ三年生は、役目の交通安全旗を輪ゴムで縛っており、ガードレールの上に乗せて滑らしている。それについていく下級生といえば、列から外れたくないという一心で、顔を固くしている。対して、四年生の私は右手を門に当て、体の重心を後ろへ下げ、同級生の高野を今か今かと待っていた。下顎に汗を溜めて、時計を気にする。もう十分も経っている。