↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/52

真実を話せば話すほど、拘留が伸びていく......

ミスター佐藤、家族との面会が許可されたよ。

「本当ですか?」

「但し、条件がある」

「はぁ」


「あなたが利用しているクラウドのアクセスキーを教えて欲しい」

「え、そんなものでいいんですか?言ってくれれば良かったのに」


「すっかり忘れてました、あはは」

「これですね、それと、これも渡しておきます。」

そこには、クラウドサービスのIDとパスワードとYouTubeのURLが書いてあった。


「YouTubeのパスは渡しませんよ!削除されたら堪りませんから」

「収益の保証があるなら考えても良いですけど......」

「あはは、それは結構ですよ」


「え、残念!......あははは」

「それと、クラウドの動画の著作権は俺ですからね!」

「そこはちゃんとしておいてくださいね!」


担当官は、解析班にそれを渡し、解析班が確認して当惑が走った!

一般兵士のあいだでは、その動画をAI生成だと思って、みんな観て楽しんでいたのだから。


彼らがその動画の真実を知ったら横須賀のテロリスト事件よりもさらに大きな衝撃だっただろう。

この結果、佐藤俊夫の拘留期間が延びたのは事実だった。


面会日当日、母さんはドラマに出てくるようなお弁当を持って面会に来た。

子供たちもそれぞれお見合いでもしそうな服装で現れた。


「お。やっと会えたな、どうした?誰かの結婚式にでも行くついでなのか?」

「あ~、あの~、ここで食べても良いんですかねぇ?」

係官に聞いてみた。


「どうぞ、構いませんよ」

にこやかなんだけど、釈放は別の話だった。


「いやあ、母さんの手料理が、やっぱりいちばんだわ!」

「米が美味いな、ひょっとしてハツシモか?」

「こっちじゃなかなか売ってないから、通販で取り寄せたのよ」


「コシヒカリも良いんだが、俺はこれが好きだ」

「冷めても美味いから弁当には特にな」

「それで、いつ頃帰れるの?」


「それは、こちらの方に聞いてくれ」

「父さんにはわからん」

全員の視線が担当官に向けられた。


「え、?私にはその判断はできませんよ」


「そうですよね、アメリカ軍に拘束されてるんですものね!」

「知らない所で死刑とかにするんですよね!」

「この人でなし!」


「ちょっと待ってください! 誰が死刑にするなんて言いました?」


「だってアメリカ軍ですよ?」

「闇に葬るつもりなんでしょ!」


「だからって、そんな簡単に死刑にできませんよ!」


「ほら、父さん。大丈夫じゃん」

「いや、俺に言われても……」


そして本人は、母さんの弁当を食べながら、

「まあ、俺も死刑になるとは思ってないけどな」


佐藤家全員にイジリ倒される担当官だった。


「あと、これな、父さんの口座のパスワードだ」

「適当に引き出して、生活費にでも使え」

「今は、手元に何も無いから振り込んでやることも出来ん」


「ま、まさか、もう使い切って無いだろうな!」

「死亡届とか出して、口座使える様にして......」

「んなわけないか、あははは。冗談だ」


「お、その手首に光ってるのは......ロレックスか!」

「アラモアナで父さんに買ってもらったからね」

(正確にはカード払いで、父にその分振り込んで貰っていた)


三人揃って手首を差し出した。むふふ

「そうならそうと言ってくれれば、父さんもロレックスのエクスプローラーⅠに変えて来たのになあ......」

「そうしたらお揃いだったのに。あ、腕時計変えても良いですかねえ?」


また全員の視線が......

「そ、その判断は自分には......」


「冗談ですよ、あははは」

「まあ、誤解が解ければすぐにでも帰れますよね?」

また視線が......


この家族の面会の立ち合いは今後、断る事にした担当官だった。


そんなコントみたいなやり取りがあった頃、羽田にジョン一家が到着した。

軍用機で横田ではなく、羽田に。


「ここが日本なのね」

「オキナワなら行った事があったけど、東京は初めてだな」

「ここにソルティさんがいるのね」


羽田には軍から迎えの車が差し向けられていた。

高級車、アルファードでお迎えだ。

(当然、残クレではない)


一旦ホテルに荷物を置いて、横田へ向かった。

司令部の建物のエントランスで車を降り、広めの部屋に通された。

その部屋には、総司令官と幕僚たちが勢揃いしていた。


「遠い所をわざわざご足労頂き感謝いたします」

「はっ」


ジョンは除隊したとはいえ、染みついた海兵隊としての敬礼は忘れなかった。

歳はとってもキレイな敬礼だった。


「どうぞ、掛けてください」

三人は椅子に腰かけた。


「ところで、聞きたい事ができたのでお呼びしました」

「はい、なんでしょう」


「ジョン、元マスターサージェントで間違いないかな?」

「はい」


「君は、1995年にとある作戦に参加したのか?」

ジョンはキャサリンとゾーイをチラっち見た。


「構わんよ。ふたりにも聞いてもらいたいからね」

「守秘義務は?」


「すでになくなっている。と言うか、破棄してある」

「そうですか、それなら良いでしょう」


「秘密の作戦のことでしょうか?」

「詳細は結構!参加したかどうか。それに成功したかどうかだな」


「はい、その作戦にはチームリーダーとして参加しました」

「そして、無事成功し帰還しました」


「記録通りだな」

「それがなにか?」


「仮にだ、なにかの事情で君が1995年以前に除隊したとする」

「私は2000年まで務めましたが?」


「知ってるよ、だから仮にだ」

「それなら、娘、このゾーイが生まれましたので、1991年に除隊を真剣に考えたことはあります」


「それで?」

「それで、1995年の作戦後、帰還してから前線を離れて基地で指導をしておりました」

「そうか、記録通りだな」


「その、さっきの続きなんだが、君が1991年に除隊していたら、この作戦は実行されたと思うかね?もしくは実行されても失敗に終わったとは?」

「あの、質問の意図が判りかねますが......」


「考えられる推測でいいから話してくれんかね」

「当時、その作戦にはいろんな問題があり、実行するかどうか危うい状況でした」


「私が除隊した後でも同じ状況だったでしょう」

「その天秤が、実行しない方に傾いても不思議では無かったと思われます」

「なので、その実行は、極秘扱いだったと思います」


「そうか......わかった。ありがとう」

「なにがなんだか、分かりません」

「何を確認したかったのでしょうか?」


「お父さん!私が少し話しても?」

「ゾーイ、なにか知ってるのかい?」


ご視聴(ご愛読)ありがとうございました!

面白かったら【ブックマーク登録】や【評価(★)】をいただけると励みになります。

コメント欄の質問には、次の動画(本文)で答えるかもしれません。

次回も、生き残れたらまたお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。