編集は進むのか?
報告は明日にして、荷物を抱えてヨットへ戻って来た。
ジョンは報告書の準備もあるだろうから、夕食は軽く済ませた。
もちろん、新鮮野菜のサラダ付だ!
「ごちそうさま。じゃあ、また明日」
俺も今晩は忙しい。
撮りまくった動画をPCに移し、第四弾の構成を考える。
『予定では、大学からのつもりだったけど、ショート動画にピッタリのネタがあるんだよね。
行きの船で射撃練習が、良い感じに短く纏まりそうなんだな。
”豪華クルーザーで射撃訓練!指導は特殊部隊・SEALsの精鋭だ!羨ましい?”
やっぱりこれしか勝たん!
そうと決まれば、早速編集~っと。
あ、演習場で”拾ったアレ”、どこかで自慢したいな。
おまけで、本日の装備紹介?作ってみようかな......
......それじゃあ、それをショートにしろよ!って言われるかも。
いっそ、二本作ってアップするか......
となると、最初に拾ったM4と1911から紹介した方がスッキリすよな、気分的に。
M4、1911、モシン、FR-F2、AKS-74U、SA58 Para、MP5SD、ブローニング・ハイパワー、USPコンパクト、ブレン・テン、SAAx2、ルガーミニ14、P90、M40A1改A3風。
我ながら節操がないな、ははは。
そうするとタイトルは......
”ゾンビの溢れたハワイで拾った銃、全部紹介しちゃいま~す”
なんか普通だな......ひとまず保留と。
”ゾンビの溢れたハワイで無双した銃、全部紹介しちゃいま~す”
無双したのは俺じゃなくてSEALsだしなぁ......却下でもいいけど保留。
”ゾンビの溢れたハワイで拾った銃、全部紹介して、いいかな?いいとも~”
これは、さすがに時代を感じるよなぁ......却下。
ん~悩む......』
朝になってた。
(動画ファイルをPCに移しただけだった)
「ソル~ご飯できたよ~」
ゾーイが起こしに来てくれた。
うん、起きてた......。
ゾーイの腕にはくたびれた縫いぐるみが抱えられてた。
朝食を済ませ、報告のために少佐の部屋を訪れた。
ブラボーチームは既に待っていた。
「それじゃあ、報告を聞こう」
「......っという状況でした」
「こちらからは、最優先で風力発電機と通信技術士官を派遣して、マウナケア山頂の通信設備を早期に稼働させるとしよう」
「天文台に中継施設はあったんですね!」
「当然あるさ、しかし電力が切れたままだろう」
「風車でなんとかするのは、うちの技官がやる。経験済みだからな」
「しかし、三百も生き残っていてくれたか......」
「孤立していたが、なんとか持ち応えられたのは、指揮官の中佐の力だと思うぜ」
「ジェニファー・コバヤシ中佐、海軍の司令部からたまたま来てたらしいが、たいしたもんだ!」
「それと少佐、これ少ないですが、賄賂らしいです」
ジョンは新鮮野菜の入った段ボール箱をよく見えるように差し出した。
「アスパラは無かったですが」
「いやいや、これはご馳走だな、礼をいう」
控えていた従卒は嬉しそうに持って行った。
報告を終え、この後は全員、一日休みだ。
俺はヨットに戻り、編集の続きが待っている。
『どこまでやったっけ、ファイル移して......!
まあ、そんな日もあるさ、あははは......
ん~、拾った銃の紹介動画と、予告編として射撃訓練の動画をガッチャンコさせて一本にでっち上げるか......
よし、そうしよう!
しかし、どうやって紹介しようかな......
あ、ブラボーチームのメディックの人にお願いしようかな。
ボートで教えてくれた人は厳しかったし。
あの人、結構ボケ担当っぽいからいけるかも!ぐふふ......
シューティグレンジで実際に撃ってもらうのが良いかな。
持ってくのは、M4と1911とAKS-74U、SA58 Paraの四本かな。
いや、AKSはペイントしてからの方が良いかな。
そうするとモシンに変更だな。
よし、それでいこう!
善は急げだ、今からお願いに行こう!』
(編集は一歩も進んでない)
基地内を探して見つけた。
「あの~、お願いがあるんですけど」
「どうした?」
「今、俺が持ってる銃のコレクションなんですけど」
「ほう、ため込んでるらしいな」
「そ、それの試射をお願いしたいんですよね」
「おまえ!なかなか見どころがあるな。そう言う事は俺に任せろ」
「射撃は俺が一番うまいからな、がはは」
(チームの全員が自分が一番だと思ってる)
一度銃を取りに戻り、ふたりでピックアップでレンジに向かった。
「これなんですよね」
「古めかしいもんばっかりだなぁ」
「まぁ俺に任せてけば大丈夫だ、なんせ一番うまいからな」
「それですね、ひとつずつ説明してから撃って欲しいんですけど」
「詳しくは言えねえぞ、名前と弾の口径くらいならいいが」
まずは1911から手に取った。
「これは1911だな、45口径だ」
「弾はこれだ、9mmと較べるとこんなに違う」
装填し、構えて的に向かって撃った、撃った、撃った。
全弾的の頭部に命中した。
流れるような動作、フォームで......
「カッコイイです!さすがです!」
「だろ!もっと褒めても良いぜ!」
「じゃあ次は、これでお願いします」
モシンを差し出した。
「こりゃまた古い銃だな」
「これはモシン・ナガン。ロシア製のボルトアクションライフルだ。スコープ付きだからスナイパー向けだな」
米軍が使う7.62×51mm NATO弾と並べて違いを説明してくれた。
「弾は7.62×54mmR。縁付き薬莢を使う、かなり歴史のある弾だ。給弾はこの5発入りのクリップを使う」
こちらも装填し、こんどは200ヤード先の的に向かって撃った。
最初の一発は的の縁に当たった。
PUスコープの上下・左右のダイヤルを少し回す。
再び引き金を引く。
的のほぼ中心に当たった。
残りもほぼ中心に纏まった。
ソルは、シールズの実力をまざまざと見せつけられた。
「なかなかやるだろう、がはは」
「みなさんこんなに凄いんですか!」
「まあ、そこそこな。だが一番は俺だ!フフフ」
次はSA58paraだ。
「これは、FAL......じゃない、試作品か?メーカーのテスト中かもな」
「銃身もレシーバーも強化されてるな」
「弾は7.62mmのNATO弾だ」
これも装填して、今度は100ヤードの的を狙った。
なかなか中心に纏まらなかったが、外れる事はなかった。
「これはまだ、改良の余地があるな」
「フルオートはまた今度だ、がはは」
1996年ではまだ試作品だったのか、よく見つかったな。
最後はM4だ、サプレッサーもつけてある。
みんな付けてるから欲しくなって、工房で貰って来た。
「これは、俺たちがいつも使ってるヤツだな」
「説明もいらんだろう」
あっと言う間に全弾頭にヒットさせた。
そう言えばアラモアナショッピングセンターで見た!
あの時も全部ヘッドショット一発だった。
「どうだ、すげえだろう!他にもまだまだ持ってるんだろ」
「俺がぜ~んぶ試し撃ちしてやるぜ!がはは」
「最高です! 次もお願いします!」
お礼は『アサヒスーパードライ』の最後の一本で手を打った。
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