ビッグアイランドで収穫祭
「ねえジョン、ここって演習場なんだよね?」
「そうだが?」
「ヒロの港にあった軍の本国返送資材コンテナ」
「あったなあ」
「あんな感じのコンテナって、まだここにあったりしないかなぁ......」
「はあ?また良からぬ事考えてんな?」
「え、あははは」
ジョンは中佐の方をチラっと見た。
「???」
「ねえ、ジョン~」
「良い意見具申たてまつったよね~」
「なんの話だ?」
「......」
「いいから言ってみなさい」
「あのですね~、ここにまだヒロの港に送ってない、本国返送資材で、教育用とか、試験研究用とかの銃器なんか残ってたりしませんか?」
「それなりに送り返すコンテナはまだまだ残ってはいるが、それがどうした?」
「ぐへへ」
ジョンを含めた武装深部強行偵察部隊のメンバーは察した。
いや、察してしまった。
「それは、もう送る手段が無いですよね」
「ここでも使う用途が無いとか」
「その、使う用途のない銃をですね、見せて頂くわけには......」
「と言う話なんですよ~はい」
(その次には欲しいとか下さいとか言うぞ)
メンバーの気持ちが揃った。
「それでですね、よかったら少し譲って頂けると嬉しいかなと」
(来た来た!)
「......どうですか?」
「何に使うつもりかは知らんが、見てみるか?」
「デへへへ」
(役満テンパイしやがった!)
「お宝~お宝~」
「サ-ジェント、なかなかユニークな民間人だな」
「何とも......すみません中佐」
肉を目の前にした、レトリバーみたいだと思ってな
(張り詰めていた中佐の表情も、少しだけ和らいだようだ)
「ここにあるコンテナはすべて返送資材だ。満足するまで見て行け」
「まあ、あいつは放っといて、俺たちはなんか飲むか?」
「じゃ、ペプシ」
「「「じゃ、俺も」」」
『これは、大変な事になったぞ!うひひ。
とりあえず、このコンテナから......っと。
お、これはガーランドか......撃ち切るとチーンっていうやつだったな。
こっちはルガーミニ14のフォールディングストック!確保。
RPGは......見たから満足と。
次行こう。
こ、これはBARだ!重~い!たしか、アニメで美少女がこれ持って空飛んでたのあったな、なんだったっけ?まいいや。
あとは、G36かぁ初期型はカッコ悪いんだよな、せめてレールが付いてたら良かったんだけど......却下。
お。P90か、アマティのバイオリンケースも探さないとだな、確保。
次行くか。
ここは......長物ばかりだな......あ、発見してしまった!
M40の......海兵隊のスナイパーと言えば、オリーブのストックだけど、ゲームで登場した時、新型みたいな感じだったよなぁ。
あとでジョンに聞いてみよう~確保。
あとは......今日はこれくらいで勘弁してやるか......むふふふ』
「ねえねえ、ジョン!こんなの落ちてた~」
「こんな世界になっちゃたんなら、拾った者のもんだよね!」
「ここにそんなモノは落ちてねえし、第一、お前コンテナ漁ってたじゃねえか!がははは」
「い、いや、コンテナはほら、閉まってるし......ジョン、......なんとかしてよ~」
「「「「俺たちはなんもミテナイデス」」」」
ブラボーの四人は、一斉にその場を離れた。
「逃げやがったな!あいつら」
「しょうがねえ、中佐んとこ付いてってやるから、自分で頼め!」
「中佐殿、この雅な趣味の民間人が一生に一度のお願いがあるとの事で付き添って参りました!」
「どうされましたか?ミスター」
「あの、ですね。コンテナを拝見させて頂きましたところ、この三本がどうしても『連れて行け』と縋りついて離れないのです!」
「あっははは、縋り付いて離れないのか......あはは!」
「それじゃあ、しょうがないな。連れてってやってくれ」
「おい、あれで通るのか......」
「海軍司令部の作戦部中佐だぞ......」
「すっげえな、おい」
「あいつは俺が育てた!」
なんだかんだ言っても、付いてきてくれたブラボーチームだった。
「お前、中々やるなあ。海中佐っていやあ、俺たちの遥か上の存在なんだぞ」
「少尉くらいなら遊んでやるが、中佐はマズイ」
「そうなんだ、魔王の手下の四天王クラスって感じ?」
「良く解らんがそんなもんだろう」
「まあ、俺は日本人で民間人だから気にしないです。はい」
「で、でも。敬意は持ってますよ、当然」
「で、これなんだけど......」
ジョンにM40を差し出した。
「これ、M40だと思うんだけど、ストックがオリーブで......」
「おまえ、よくこんな代物みつけたなあ」
元海兵隊のジョンではなく、シールズのメディックDさんが割り込んできた。
「俺は知らんが、お前たちは知ってるのか?」
ジョンがブラボーチームを見回して聞いた。
「海兵隊の次期スナイパーライフルのM40A1改良型の試験銃だ」
「俺もちょっとだが撃ってみた」
「このストックは良いぞ、手にフィットする」
「そうなんですね。大事に磨きまくりますね!でへへ」
「撃たねえのか......」
「だって、撃ったら減るじゃないですか!」
「???」
「こっちも良いでしょ!」
ミニ14を見せてみた。
「お、なかなか渋いチョイスだな、こいつは良いぞ!」
「俺の爺さんも絶賛してた」
「『もうこれ一本で十分だ』ってよ。」
ソルは自分が褒められたような気がして、ニンマリと上機嫌だった。
翌日早朝。
その後の細かな手続きは司令部と連絡を取りながら進めてもらうことになり、一行はコナへ戻って船に乗り換え、カネオヘ基地へ帰るだけとなった。
今から出れば、夕方までには基地へ戻れるだろう。
「それじゃあ、俺たちはこれで」
「これから忙しくなるわね。でもみんな生き生きとして来たわ」
「そういえば、山頂に天文台があるんですよね?」
「マウナケアなら、全員ここに避難させている」
「今は誰も?」
「ええ、出入口は封印してきたわよ」
「うちで作ったVHF中継コンテナをマウナケア山頂へ置けば、島中と通信できますね」
「機能をVHF中継に絞った小電力小型仕様なので、ヘリで運べますよ」
「詳しくはカネオヘ基地の通信担当技官が説明してくれますよ」
「わかったわ、それは最優先でなんとかするわ」
一行は溶岩地帯を走り抜け、コナのマリーナに到着した。
「ここまでヤツらを見かけなかったな」
「空港か、コナの街ならウヨウヨ居そうだがな」
「とっとと帰ろうぜ」
「帰りはブルーマーリンだ~」
「絶対釣りあげてやるぜ!」
「マグロでも良いよ」
「おう、任せろ!」
日が沈むころにカネオヘに到着した。
小さなサバが一匹釣れただけだった。
ご視聴(ご愛読)ありがとうございました!
面白かったら【ブックマーク登録】や【評価(★)】をいただけると励みになります。
コメント欄の質問には、次の動画(本文)で答えるかもしれません。
次回も、生き残れたらまたお会いしましょう。




