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ブラックおっさん、メンタルだけで生き延びる!?  作者: でこぽん
第二章 社畜、未知との遭遇を味わう

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第四十三話 方針会議

「ただいま戻りました」

声をかけると水城くんがバッとこちらに顔を向けた。


「…うむ。よくぞ…」


……どうしたんだろうか。


「…お…おか…お帰りなさい…です」


水城くんの言葉に、3人で顔を見合わせる。


「水城…。普通に喋れんじゃねーか!」


黒川くんが、水城くんの元まで歩いていき、肩をガシッと組んだ。


「…うむ。」


照れているのか、怖がっているのか、うつむきながら、小さく返事をしていた。

白石さんのお説教も効いたのか、2人が仲良くなれそうで一安心だ。



「早速ですが、応接室でこれからのこと、考えましょうか」


そう。2人が仲良くなったのはいいが、ドームの問題を考えていかなければいけない。


「おう、行くぞ!水城!」


水城くんと肩を組んだまま、黒川くんが応接室へ向かっていった。


2人の後ろ姿をみていると……

カツアゲされているようにも見えなくはないから不思議だ。



ーー応接室へ移動し、ドームが縮んでいること、残り79日後にはこのビルがドームの外に出ることなどを水城くんに説明する。


「それは…まことか?

ならば、これからどうする?」


微妙に変な話し方が残っている影響か、ほぼ時代劇のような話し方になってる。

そんな水城くんのことはさておき、話を進めていく。


「短く見積もっても、まだ、70日はここに居ることができます。その間にするべきことは…」


応接室に移動してきたホワイトボードの前に立つ。

人数も増えたので、こういったものを使う方が認識共有がしやすい。


ホワイトボードに、これからやるべきことを箇条書きで書き出していく。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

・食料調達→10日以内

・次の拠点検討調査→50日以内

  →ドームの直径確認

  →ドームの中心点を推定

・シャワー等の施設開拓

・ドームの外と通信できる可能性?

ーーーーーーーーーーーーーーーー


一通り書き終わり、ペンの蓋を閉めながら、3人の方へ振り返る。


「僕としましては、直近でこの4点を対応していくべきかと思います。まず、一点目としましては…」


学生が2人となったため、なるべく分かりやすく説明をしていく。


「…となります。ご清聴いただきありがとうございます。ご質問点などありますでしょうか」


「あの~ちょっといいですか?」

白石さんが、手を挙げて聞いてきた。


「はい。もちろんです。白石さんどうぞ」

「ホワイトボードとか準備万端だったことも気になるんですけど、4つめのドームの外と通信できる可能性っていうのをもう少し詳しく教えてほしいです」


「もちろんです。今日確認した限り、ドームの中から外にズレた建物等は、特段大きな変化がなかったように感じました。つまり…」

「建物はドームをすり抜けられるってことですか」

さすが白石さん。察しがいい。


「そうです。少なくとも建物などの無機物に関しては、ドームの外に出ることができるのではないか、ということですね。」


「無機物って言ったら、石とか投げるっすか?」

石を投げている黒川くんを想像すると、少しシュールだが…


「それもありですね。どういった条件でドームをすり抜けられるのか、を検証することによって、例えば、投げた石が外に出るなら、そこに手紙でも括りつける、など方法があると思いまして」


「なるほどっすね。それができれば、ドームの外からももしかしたら、食料とかを投げ込んでもらえるかもっすね!」


少し明るい希望が見えてきた気がした。


「そうですね。なので、検証を随時進めていくべきかと考えます」


みんなが頷く。


「それと並行して食料探しもできればと思います。人数も増えたことですし」

「そうっすね。4人分の食料ってなると結構な量がいるっすもんね」

黒川くんが、水城くんを含めてちゃんと4人と数えていることに、目頭が熱くなる。

……やればできるやつだ。


「そうなんです。ただ、ドームの端に近い地域から探していくべきかと考えます。なるべく、ドームの外になる前に食料を回収しておきたいので」


「そうですね。あと、シャワーを浴びられる施設も、探していきたいですね」

白石さんが同調してくれる。


「次なる拠点については…どうするんだ?」

珍しく水城くんが、質問してくれる。さっき黒川くんと馴染めたのが大きかったのだろう。


「そこなのですが、まだ50日以上は問題ないはずなので、一旦、後にしていいかと思います。あまり考えたくはないですが、ドームの中の人口が半分以下になる可能性もゼロではないので…」


明るくなっていた応接室の雰囲気が一気に暗くなる。


「そ…そうだな…」


「では、明日はドームの外との通信手段の確認と帰りに食料探しをするということにしましょうか」


話がまとまり、俺は応接室を後にした。

倉庫内に作った業務スペースに戻り、ため息をつく。


…みんなの…特に、水城くんの前だったから、なるべく冷静につとめたが……。

拠点の移動は、想定外だった…。


業務に関しては、書類の持ち出しは考えられない。

そこは、拠点移動前にすべて終わらせるとして、問題は食料関係だな…。


大量の荷物を持っての移動となると、人やロボットに出くわした時に対応が難しくなる。

かと言って、残り日数を考えると、なるべく多くの食料を蓄えておく必要もある。

安全面を考慮しつつも、蓄えを移動する方法を見つけ出さないと…。

考えることが多すぎるな…。


………。


考えることをやめ、明日の検証に使うための手紙を手元にあったコピー用紙に書いていく。

明日の検証がうまくいけばいいのだが。


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