三人組も様式美①
男子生徒三人が女子生徒一人を囲っている。
門に手をついて逃がさない念の入り様だ。
冬一郎は眩暈がした。
このご時世になんたる光景。
アーカイブでしか見られない絶滅した手段。
古臭いにも程がある――いやそれよりもだ。
「英莉に見つかるとマズイ」
自分がやることは一つ。
必然力も運命力も否定しなければいけない。
テンプレート断固阻止。
学業に専念できる平穏なアカデミー生活を送るためにも。
――しかし、 彼の前に立ち塞がる者が現れた。
その名は因果律。
百春は吸い寄せられるように門前へ移動し、 続く取り巻きによって前進を阻まれてしまった。
テンプレートを構築する原因はかくも強いものか。
早々に出鼻をくじかれた冬一郎は、 とりあえず事象成就の推移を見守ることにした。
「そこのあなた達」
百春の声に男子生徒が振り返る。
「なんだテメエ」
まず突っかかったのは小柄の坊主頭。
その横でツーブロックが、 鼻ピアス型のソーサリングをいじくっている。
「コイツたしかスカレポで観たな。 名前は……ふんふん百春英莉ね」
「へー有名人じゃん」
出力されたホログラムを長身のロン毛が覗きこんだ。
画面と本人を見比べながらニタニタと下卑た笑いを浮かべている。
特筆すべきは百春の引き連れた群衆に囲まれても狼狽えない胆力。
それはすなわち――。
「奴らは齧ってるんだろうな」
観察していた冬一郎はそう値踏みした。
「あら、 あなた達は名乗らないの」
百春が新たなアクションを起こした。
お読みいただき、ありがとうございました。
新キャラクター登場です。これからもどんどん出てきます。
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