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婚約破棄でやっと自由になれたはずなのに、 死んでるはずの殿下の妃にされそうです  作者: 葉月晴子


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第22話 ヴァルトハイム侯爵邸でのお祝い

街道での襲撃を退けた後。


馬車は、ゆっくりとヴァルトハイム侯爵邸の方角へ走り続けていた。


馬の蹄が、玉砂利の道を、こつん、こつんと、いつもの上品な音で叩いていく。けれどその音は、私の耳の奥で、ほんの半音低く響いていた。


ミラ嬢の囁き。「銀の王子は二度死ぬ」。


宰相の手下、三人の捕縛。宝玉の紋章。


──まだ、終わっていない。


──宰相、本人は、まだ王宮の執務室にお座りになっていらっしゃる。


ルークの長い指が、私の手の上に、もう一度重ねられた。その指の温度に、私の肩のいちばん奥の警戒が、半音だけほどけた。



◇◇◇



ヴァルトハイム侯爵邸の門が、馬車の前にゆっくりと開いた。


十八年、私が生まれて育ったお屋敷の、白い門柱。その柱に、お父様の家紋の銀の蔓草が、いつもの場所に飾られていた。


馬車寄せに、お父様とお母様がお立ちになっていた。


そしてお二人の少し後ろに、栗色の髪のもう一人のお方と、淡い金色の髪のもう一人のお方。


──お姉様。


──ふたりのお姉様。


長女のリディアお姉様。次女のソフィアお姉様。お二人とも、すでに他家にお嫁ぎになっていて、ふだんはなかなかお会いできない。


そのお二人が、今日、ヴァルトハイム家の身内のお祝いに、お集まりくださっていた。



◇◇◇



馬車から降りた私の絹の靴底が、玉砂利の上に、ことりと触れた。


お母様の白い指が、ご自分のお口の前に上がった。そして、その指の隙間から、薄く声がこぼれた。


「ーー、エリーゼ」


「お母様」


私はお母様のお胸に、頭を預けた。


お母様の絹のドレスの薔薇の香水が、いつも通り、私の頬の輪郭の上に染み込んできた。


その香りは、十八年、私が生まれた最初の瞬間から、何ひとつ変わらない香り。


「お母様」


「エリーゼ、ご無事で、本当に本当に、ご無事で」


お母様のお声が震えた。


──お母様、もうご存じなのね。


──街道の襲撃のお話。


──たぶん、ルークが密書でお知らせくださっていた。



「ご無事でなにより、ですわ、エリーゼ」


リディアお姉様のお声が、落ち着いた響きで、私の肩の上に降りてきた。


「無事で、よかった、本当に」


ソフィアお姉様のお声は、少し甘い響きで。けれど今日はその甘さの奥に、深い深い安堵が湛えられていた。


私はお姉様お二人の方に振り返って、深く頭を下げた。


「お姉様、お忙しい中、ありがとうございます」


「いいえ、エリーゼ」


リディアお姉様の指が、私の頬の輪郭の上に置かれた。


「貴女のお祝いに来ないお姉様、なんていません」



◇◇◇



お父様が、ルークのお姿をお迎えになった。


「ルーカス殿下、本日は、街道での襲撃から、私の娘の命を、ご自分の剣でお守りくださり、深く感謝申し上げます」


「ヴァルトハイム侯爵」


ルークが深く頭を下げた。


「エリーゼ嬢を、街道のいちばん危ない場所にお連れしてしまった責は、ぼくの胸の中で、深くお受け申し上げる」


「いえ、殿下のお陰で、エリーゼは、わたくしどもの元へ無事にお戻りになりました」


お父様のお声に、ご老人の深い安堵が湛えられていた。


「お祝いの席のご準備が整っております。お入りください」



◇◇◇



お屋敷の応接間。


十八年、私が見続けてきた、白い大理石の床。深紅の絹のカーテン。窓辺の小さな椅子。


その応接間に、いつもよりひと刷毛、明るいシャンデリアの光が降りていた。


長いテーブルの上に、白い陶器の小さな皿がいくつも並んでいた。お母様がご自分でお選びになった、私の好物ばかり。


──お母様、私の好きなもの、ひとつ残らず、覚えていらしたのね。


──十八年分の、お母様の指の記憶。


私の目には、涙があふれた。



リディアお姉様が、私の隣の椅子に腰を下ろした。そしてご自分の白い指で、私の頬の涙を拭ってくださった。


「エリーゼ、聖女覚醒のご儀式、本当に、お見事でしたわ」


「お姉様、ご存じだったのですか」


「もちろん。王宮の公式の報告が、夫の元にも届いておりますわ」


ソフィアお姉様も、向かいの椅子から身を乗り出した。


「エリーゼ、貴女、お小さい時から、薬草学が本当にお好きでしたわよね」


「お姉様」


「あの頃、わたくしは『また妹が薬草の話』と思っていたけれど、ーー、まさか、その薬草の話の延長で、王国をお救いになるなんて」


ソフィアお姉様の頬に、深い誇りの色が湛えられた。


「お姉様、私、何もしておりません」


「謙遜は、いらないわ、エリーゼ。貴女のお力が、五百年ぶりに、聖樹をお光らせになったのよ」



◇◇◇



お父様が、ご自分のグラスの中の、淡い金色の発泡酒を持ち上げた。


「皆様」


応接間の皆様のお顔が、お父様の方に向いた。


「本日、私の末の娘、エリーゼが、王国の本物の聖女として公式にご宣告いただいた」


「同時に、ルーカス殿下のご婚約者として、王家のご一員にお迎えいただく運びとなった」


お父様のお声が、わずかに震えた。


「私の娘の、これからの道のりが、健やかで、明るく、深いお幸せに満ちますように」


「皆様、お祝いの杯を」


シャンデリアの光の下で、グラスがいっせいに軽く触れ合った。


ちりん、と、絹のような薄いガラスの音が、応接間の空気の中をひと筋走った。



◇◇◇



お祝いのお席が、和やかな時間に変わっていった。


私の隣の椅子で、お母様が、私の手のひらをご自分の両手で包み込んでくださっていた。


「エリーゼ、わたくしどもが、半年前から、ルーカス殿下とお話していたこと、ーー、わたくしどもは、お前に伝えていなかった」


「お母様」


「お前を、わたくしどもの娘として十八年お守りしてきた、わたくしどもの腕の中から、ルーカス殿下の腕の中にお預けする、その判断は、ーー、わたくしどもの胸のいちばん奥で、長い時間をかけて重ねてきた」


お母様のお声が、わずかに震えた。


「最初のお話は、半年前。ルーカス殿下が、お一人で、わたくしどものお屋敷をお訪ねくださった、その夜」


「殿下が、深くお頭をお下げになって、おっしゃったの」


「『兄上のご様子が、近頃おかしい。お心が、ミラ嬢の方に傾く兆しが見える』と」


「『いざという時が来ても、ぼくがお嬢様をお守りする。エリーゼ嬢は、ぼくにとっても大事な方ですから』と」


──半年前。


──ルーク、私の知らないところで、お父様お母様にお頭を下げ続けていらした。


──「お守りする」と。


「わたくしどもは、最初はお断りを申し上げた」


「ーー、お前は、まだ、王太子殿下のご婚約者であった、その期間。別の王族のお方のお話を、すぐにお受けすることは、できなかった」


「けれど、殿下のお人柄を、何度もお会いするうちに」


お父様のお声が、ご自分のお胸の奥に染み込んでいった。


「わたくしどもは、徐々に心を動かされた」


「殿下の、お前への、十年来の見守りの深さ。お前のお幸せを、ご自分の腕の中で、お守りしたい、というお気持ち」


「わたくしどもは、最後の最後で、殿下にお預けする、ご決断を置いた」


「『大事な方を、お守りしたい』と。それを、半年、繰り返していらしたの」


私の目から、もう一度、ぽろりと涙がこぼれた。


「お父様、お母様、ありがとうございます」


「わたくしどもの心からのお祈りが、お前の今日の、王宮の聖樹の前に、湛えられていた」



◇◇◇



「ーー、それで、お姉様もご存じだったのね」


私はリディアお姉様の方を振り返った。


リディアお姉様の頬が、薔薇色に染まった。


「ええ、エリーゼ。わたくしも、半年前から、ルーカス殿下から口添えを頼まれていた」


「!」


「殿下が、お父様お母様の心を動かす、その後押しを、わたくしとソフィアにお頼みになっていた」


「半年前、わたくしどもの夫宛にも、殿下のお手紙が届いた」


ソフィアお姉様も頷かれた。


「わたくしの夫が、お父様にお手紙で『ルーカス殿下のお人柄は、ぼくも王宮で何度かお会いして、深く存じ上げている。エリーゼ嬢を、殿下にお預けして、何の心配もない』と書いてくださった」


「お姉様まで」


私の頬が染まった。


「殿下、王国の私の周りの皆様に、お頭を下げてくださっていた」


リディアお姉様が、ご自分の口元を絹のハンカチで軽く隠した。


「殿下のお気持ちの深さに、わたくしどもも、最初は戸惑いましたわ」


「『この方は、エリーゼを、もう、ご自分のお胸の中で大事な方と、決めていらっしゃる』と」


「わたくしどもは、その深さに心を動かされて、夫を通じて、お父様お母様に口添えを申し上げました」


──すべて、繋がっていた。


──お父様お母様だけでは、なかった。


──お姉様お二人、その旦那様お二人、皆様が、ルークの十二年の見守りの深さに心を動かされて、私のお幸せの道筋を整えてくださっていた。



◇◇◇



私はルークの方を振り返った。


ルークは、お父様のすぐ隣の椅子で、わずかに視線を伏せていらっしゃった。


その視線の伏せ方に、十二年前、王宮の薔薇の茂みの裏で初めてお会いした、八歳のルークの面影が、ふっと重なった。


「ルーク」


「うん」


「お姉様お二人にも、半年前、お頭を下げにいらしていたのね」


「うん」


「ぼくは、君のお幸せの道筋を整えるために、君の周りの皆様に、頭を下げた」


「お姉様お二人にも、その旦那様お二人にも、お父様お母様にも、何度も、頭を下げ続けた」


「ぼくは、君を、ぼくの腕の中で、お守りするために、皆様の心に、触れに回った」


ルークの空色の瞳が、私の目をまっすぐ捉えた。


「いつか、君が、ぼくの腕の中にいてくれる、そのひと日のために」



◇◇◇



お母様が、ご自分のお胸元から、銀の細い鎖の何かを取り出した。


「エリーゼ、これを、お渡ししたかった」


お母様の指の上に、ひとつの、銀の細工の、星の形の小さなペンダント。


私の喉の奥が止まった。


──星の形。


──聖樹の枝の先の、銀の星の花と、ぴったり同じ模様。


「お母様、これは」


「わたくしのお祖母様の代から、ヴァルトハイム家に伝わる、お守りなの」


お母様のお声が染み込んできた。


「わたくしのお祖母様のお祖母様、ヴァルトハイム家のいちばん深いご先祖様の代から伝わっているらしい」


「『この星の形は、王国のいちばん奥の聖樹と、つながっている』と、口伝で教えられたの」


「わたくしは、長い間、ただの言い伝え、と思っていた」


「けれど、エリーゼ、本日の覚醒の儀式で、貴女の胸元の銀の星の花の輪郭を、わたくしは見た」


「わたくしのお祖母様のお守りの、その星の輪郭と、同じ模様」


私の指が震えた。


──ヴァルトハイム家、ご先祖様の代から、聖樹と繋がっていた?


──私の聖女の力の、その根っこ。


「お母様」


「これを、貴女にお預けする。貴女の胸元の銀の星の花と、並ぶはず」


お母様が、私の首筋に銀の細い鎖を掛けてくださった。


ペンダントの星の形が、私の胸元の銀の星の花の脇に納まった。


その瞬間、ペンダントが、淡い銀色にひと瞬きした。



◇◇◇



応接間の空気の密度が、半音深くなった。


ルークの空色の瞳が、ぱっと深くなった。


──これは、ヴァルトハイム家のいちばん奥に、ご先祖様の代から、聖女の血の名残が湛えられていた、ということ。


──私の聖女の力の根っこは、もしかして、ヴァルトハイム家のいちばん深い場所、だった。


──五百年前の聖女様のお言葉。


──「あなたのこの先の道のりに、まだ、ふたつ、深い影が待っています」


──「五百年前の悲恋の、いちばん深い、根っこ」


──その根っこは、もしかして、ヴァルトハイム家にも繋がっている。


私の指が、ペンダントの星の上に置かれた。


星は、私の指の下で、淡い銀色にひと瞬き返してきた。



◇◇◇



日が、ゆっくりと傾き始めていた。


お父様お母様、お姉様お二人とお別れの時間。


「お父様、お母様、お姉様、本当に、ありがとうございます」


「お礼なんて、いらないわ、エリーゼ」


「いつでも、お屋敷にお帰りなさい」


リディアお姉様が、ご自分の腕の中で、私をふんわりと抱きしめてくださった。


ソフィアお姉様も、リディアお姉様のあとから、もう一度、私を抱きしめてくださった。


「エリーゼ、ご無事で、王宮にお戻りください」


私は、お父様お母様、お姉様お二人に、深く頭を下げた。


そして、ルークの腕に、私の手を預けた。



◇◇◇



帰りの馬車。


馬車寄せから、王宮の方角へ走り出した。


馬車の中で、ルークが私の隣で、私の肩を抱き寄せた。


「エリー」


「はい」


「ご家族の皆様、心からお喜びくださって、よかった」


「はい、ルーク」


「ぼくも、半年、頭を下げ続けた、その甲斐が、報われた気がする」



ルークの腕が、私の身体をいっそう深く引き寄せた。


その腕の中で、私の頬がルークのシャツの胸元の温度に触れた。


樹皮の奥のほんのり甘い香り。十二年前に王宮の薔薇の茂みの裏ではじめて触れた、ルークのシャツの匂いと同じだった。


ルークの長い指が、私のあごの下にそっと添えられた。


その指の温度に導かれて、私の顔がゆっくり上を向いた。


ルークの空色の瞳が、私の睫の上に降りてきた。


そしてルークの唇が、私の唇の上に重ねられた。


最初は触れているだけのかすかな重なり。


けれどその唇の奥に、十二年分のお頭の重さと、半年分の口添えの重さと、本日のお姉様お二人の薔薇色のお祝いの重さが湛えられていた。


私の指が、ルークのシャツの胸元をそっと握りしめた。


ルークの胸の奥で、深い吐息がひとつ響いた。


唇がほんのわずかに離れた。


「ルーク」


「君をぼくの腕の中にお迎えする、その日がついに来てくれた」


ルークの空色の瞳の奥で、十二年分の遠い祈りの灯が、ひと瞬きを返してきた。



ルークの長い指が、私の胸元の銀の星のペンダントの上に置かれた。


「エリー、これは」


「お母様のお祖母様のお祖母様の代から伝わっていた、ヴァルトハイム家のお守り」


「聖樹と繋がっている、と口伝で」


ルークの空色の瞳が、深くなった。


「五百年前の聖女様のお言葉、『五百年前の悲恋の、いちばん深い、根っこ』」


「私たちの根っこは、もしかして、ヴァルトハイム家のいちばん深い場所にも、繋がっているのかもしれない」


ルークが、私の指をぎゅっと握りしめた。



◇◇◇



馬車が、王宮の東門の方角へ近づいた、その時。


御者の隣のフィンの低い声が、馬車の中に届いた。


「殿下、お嬢様、王宮から、お早馬の使者が、こちらに向かって、走ってきております」


「速度は」


「全速」


ルークの空色の瞳が、深く暗くなった。


王宮からのお早馬の全速は、宮廷のいちばん緊急のご用件を、お伝えする時にだけ、お使いになる手段。


馬車が停まった。


御者の隣で、フィンが、お早馬の使者から、ひとつの封書を受け取った。


そして、馬車の中に渡した。


封蝋に、宮廷魔術師団の、深い藍色の月と、銀色の星。


ルークが、銀のナイフで封蝋の縁を切った。



◇◇◇



便箋を広げる。


宮廷魔術師長のご老人の、わずかに急いだ筆致の文字。



『殿下、


ご報告申し上げます。


宰相ゴットフリート侯爵が、本日早朝より、


王宮の地下の、いちばん奥の大広間で、


五百年前の禁制の儀式を、


ご自分のお手で、ご準備、なさり、


ーー、本日の深夜、


ご発動を、お試みになる、


との、密偵団の報告が、入りました。


そのご儀式の規模は、ミラ嬢の触媒の比ではなく、


王宮の地下の、五百年の、いちばん深い場所の、


闇の根っこに、繋がるもの、と、


魔術師団は、判断いたしております。


殿下、エリーゼ嬢、


至急、王宮にお戻りください。


宮廷魔術師長 マーティアス』



◇◇◇



私の喉の奥が止まった。


──宰相、本人が、動いた。


──五百年前の禁制の儀式。


──王宮の地下の、五百年の、闇の根っこ。


──五百年前の聖女様のお言葉。


──「ふたつの深い影が待っている。ひとつは、宰相と偽聖女。もうひとつは、五百年前の悲恋の、いちばん深い、根っこ」


──二つの影が、今夜、ひとつに繋がる。


ルークの空色の瞳が、王国でいちばん深い暗い藍色に染まった。


「フィン、御者に。全速で、王宮へ」


「承知」


「ヴェラ、エリーゼの真横に」


「はい」


「密偵団の全員に、招集」


「承知いたしました」



◇◇◇



馬車が、勢いよく走り出した。


馬の蹄が、玉砂利の道を、ぱたぱたぱたと、いつもの倍の速さで叩いていく。


ルークの長い指が、私の肩の輪郭を抱き寄せた。


「エリー」


「はい」


「ぼくは、君を、王宮の地下にお連れしたくない」


「ルーク」


「けれど、宰相の禁術を剥がせるのは、たぶん、君の本物の聖女の光、だけ」


「はい」


「君の両手のひらの銀色の光が、五百年の闇の根っこに届く、その日が、今夜、来てしまった」


ルークのお声が震えた。


「君を、ぼくの命懸けの場所にお連れすることになる」


「ルーク」


「ぼくの剣で、君のすぐ隣をお守りする」


「はい」


「君の銀の星の花と、銀の羽根と、本日のお母様のペンダント、すべてのお守りを頼りに、お進みください」


私は、ルークの肩に頭を預けた。


──五百年前の聖女様。


──貴方様が、お進みなさい、とおっしゃった、その道の、いちばん深い場所が、もう、すぐそこ。


胸元の銀の星の花、銀の羽根、お母様のペンダントが、私の覚悟を、ひそやかに支えてくれていた。

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