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ITエンジニアによる物語開発工程(2026年版)(改稿)

https://ncode.syosetu.com/n0002mj/49

改稿です。


# 物語開発工程(2026年版)


ITエンジニアはどうしても上流工程が気になる。


だからもやもやする。

そしてついに、何かを悟った気分になります。


まさか、システム開発以外でこういう体験ができるとは思いませんでした。


それがこれ、


「二線構造」


と


「読者体験設計」


です。


どうぞ、暇なときにでも、気楽にお読みください。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まず前提

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


私の中で物語は、


少なくとも二本の線で出来ています。


■出来事構造線


世界

歴史

社会

組織

家族

友人

技能

出来事


などの因果で動く線。


■感情構造線


欲求

関係

所属

承認

恋愛

喪失

回復


などの感情で動く線。


物語は、


この二本の線が噛み合うことで成立する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

開発工程

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


1. 物語要求整理


━━━━━━━━━━


目的


何を書きたいのか決める。


細かく決めない。

全部決めない。


ノリと勢いを大事にする。


━━━━━━━━━━


出来事構造線


何を書きたい?


━━━━━━━━━━


感情構造線


どんな景色を見せたい?

どんな感情体験を届けたい?


━━━━━━━━━━


成果物


要求


例


・貴人の恋愛を書きたい

・竜を倒す物語を書きたい

・箸の使い方をドラマ仕立てにしたい

・左折だけで行ける店への安心感を書きたい


━━━━━━━━━━


ここでEMAが発生することがある。


EMA

Emotion Model Analysis


感情モデル分析


例


リゼロのレムやシャウラを見て


「何が刺さった?」

↓

「成立すると思った未来」

↓

「成立しない」

↓

「それでも大切」


のような感情構造を抽出する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2. 物語要件定義

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目的


要求を成立させるために必要な資源を洗い出す。


━━━━━━━━━━


出来事構造線


人物

場所

時代

組織

世界観

道具

状況


━━━━━━━━━━


感情構造線


共同体状態

必要な欲求

必要な関係性

必要な感情条件


━━━━━━━━━━


成果物


要件


例


豹目族少女編(※)なら、

「母になりたい」

「家族が欲しい」

という欲求が成立する条件を探す。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3. 物語設計

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目的


要件へ流れを与える。


━━━━━━━━━━


出来事構造線


起承転結

障害

見せ場

転換点


━━━━━━━━━━


感情構造線


充足

不足

脅威

喪失

回復


━━━━━━━━━━


成果物


エピソード設計


ここで感情実装技法が強く働く。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

4. 台本原案(基本設計)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目的


エピソードをシーンへ分解する。


━━━━━━━━━━


出来事構造線


イベント一覧

シーン順序

登場人物


━━━━━━━━━━


感情構造線


欲求の変化

感情の変化

見せたい感情風景


━━━━━━━━━━


成果物


シーン構成


━━━━━━━━━━


ここでEMRが強く作用する。


EMR

Emotion Model Refactoring


感情モデル再構築


抽出した感情構造を、

自作品世界へ移植する。


例


成立すると思った未来

↓

成立しない

↓

それでも大切

を、

豹目族少女編(※)へ変換する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

5. 台本(構造設計)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目的


シーンへ構造を与える。


━━━━━━━━━━


出来事構造線と感情構造線がここで一つになる。

これまで互いに影響をしながらも独立していた二つが

一つになる時、合体!

小規模な合体をEI Emotion Injectionと呼び、大規模な場合、EMRと呼んでいます。


ト書きや会話でまとめられるが、

カメラは出来事と感情の掛け算で寄り引きを繰り返し、

行動も会話も心情も内心もすべて、出来事と感情の掛け算で表現される。


でも、いい言葉選びができるかどうかは別の話。


ト書き

・情景、アクション、心情

会話

・セリフ、内心


━━━━━━━━━━


成果物


台本


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

6. 台帳(詳細設計)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目的


構造を運用可能な状態にする。


━━━━━━━━━━


出来事構造線


設定管理

伏線管理

依存関係管理

世界観整合


━━━━━━━━━━


感情構造線


欲求状態管理

感情状態管理

共同体状態管理

感情アーク管理


━━━━━━━━━━


成果物


設計資産


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

7. 検査

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目的


破綻や矛盾を発見する。


━━━━━━━━━━


出来事構造線


因果は成立しているか

設定は矛盾していないか

伏線は成立しているか


━━━━━━━━━━


感情構造線


欲求は成立しているか

感情は自然か

喪失は伝わるか

回復は伝わるか

見せたい景色が見えているか


━━━━━━━━━━


成果物


改善要求


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

8. 小説化(実装)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


目的


設計成果物を読者向け文章へ変換する。

二本線はもう見えない。

なぜなら、台本によって合体した一つのシーンが

文章として、両方を溶け込ませていくから。

そのグラデーションを、人生経験で取捨する感じ。


これも言語化出来たらいいけれど、当面できそうな気がしない。

ひたすらAIに これこれこの言葉を言わせたい、

この表現を使いたい を探させる。

昔だったら辞書引きか……良い時代になったもんだ。


━━━━━━━━━━


出来事構造線


描写

場面

情報伝達


━━━━━━━━━━


感情構造線


温度

湿度

空気感

余韻


━━━━━━━━━━


成果物


小説本文


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

全体構造

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


物語設計


├─出来事構造線

│

│ 世界設定

│ 歴史設定

│ 社会設定

│ 組織設定

│ 家族設定

│ 友達設定

│ 技能設定

│ ES

│

└─感情構造線

│

├─六紐理論

├─欲求設計

├─感情実装技法

├─EI

├─EMA

└─EMR


↓


両者を噛み合わせる


↓


小説化


↓


読者体験


・読み味

・気分

・知見

・理解


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

結論

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


これまで私は、出来事構造を作り、

そこへ感情を載せていた。


つまり、

EI中心の創作だった。


しかし最近は、


「読者へどんな景色を見せたいか」


を先に考え、

そこから出来事構造と感情構造を同時に設計も出来そうな気がしてきた。


その過程で、

EMAとEMRという考え方が生まれた。


こうして以前公開した物語開発工程でのやることに組み込んで整理してみると、

私はどうやら、やっぱり物語の執筆を開発としてしかとらえられない人だとわかります。


一線だけでもしんどい。

二線になった。


しかも片方は感情である。

一エピソードの作成速度はたぶんまた落ちる。


でもきっと、すっごく瑞々しい物語になるに違いない。

いや少なくともこれまでよりは……だから楽しい。


え?楽しさは何?


それはもちろん技術かいはt……見たい物語を書くことですよ、うん。



豹目族少女編(※)

ミナトが17歳の始まりで体験するエピソードです。

このエピソード開発時に上の感情構造へ目が行きました。

現在小説化できている範囲は、15歳の夏までです。

まだまだ先ですが、お届けできるように頑張ります。

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