- あらすじ
- 吹雪の夜、山あいの村の雪は音を食べる。家まであと少しの道で迷い、そのまま帰れなくなる者もいた。
村外れの分かれ道に、五年間、毎夕ランタンを置き続ける老婆がいる。サラ婆さん。誰も帰ってこない息子を待っているのだと笑われても、彼女は火を絶やさない。
ある日、壊れたランタンを直した青年アレンは、その芯が、吹雪で帰れなかったサラ婆さんの息子トーマの上着を裂いたものだと知る。胸に近かったところだけは、どうしても裂けなかった――そう語る老母の言葉は、六年前、妹を「家まであと少し」の場所で亡くしたアレンの胸にも深く残る。
やがて村を襲った、この冬いちばんの吹雪。帰り道を失った母娘を救うため、アレンは灯りを追って雪の中へ踏み込む。その時サラ婆さんが裂いたのは、最後まで残していた上着の胸元だった。
帰れなかった子のための火が、今夜帰る子を返す火になる、冬の短編。 - Nコード
- N1970MA
- 作者名
- 冬月しるべ
- キーワード
- 残酷な描写あり 冬 吹雪 村 灯り ランタン 母 息子 喪失 再生 家族愛 遭難 救い 切ない 泣ける 短編
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2026年 04月05日 09時06分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 1件
- 総合評価
- 40pt
- 評価ポイント
- 38pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 3,181文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『帰れなかった息子の上着を裂いて』
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから
同一作者の作品
N5986LW|
作品情報|
連載(全64エピソード)
|
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
会社員として誰かの役に立てないまま死んだ相沢湊は、辺境の小さな村にノア・フェルンとして転生する。
与えられたスキルは、人や物の“可能性”が見える外れスキル《導き》。
剣や魔法のような派手さはない。だがノアは、作物の質を//
N1970MA|
作品情報|
短編|
ヒューマンドラマ〔文芸〕
吹雪の夜、山あいの村の雪は音を食べる。家まであと少しの道で迷い、そのまま帰れなくなる者もいた。
村外れの分かれ道に、五年間、毎夕ランタンを置き続ける老婆がいる。サラ婆さん。誰も帰ってこない息子を待っているのだと笑われて//
N3898LY|
作品情報|
短編|
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
戦えない荷運び係のシオンは、村を守るためではなく、崩れた後に人を生かすための備えをしていた。
夜でも逃げ道がわかるよう旧道に青い布を結び、水を小分けにし、怪我人を運ぶためのソリと縄を整える。だがその備えは「逃げる準備だ」//
N8538LX|
作品情報|
短編|
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
国葬の日、勇者の棺に納められているはずの聖剣はなかった。
代わりに入っていたのは、辺境の娘が昔貸した、擦り切れた灰青色のマフラー。
王侯貴族はざわめく。
なぜ国を救った英雄の棺に、そんなみすぼらしい品が入っているのかと//
N7296LX|
作品情報|
短編|
異世界〔恋愛〕
十年前、戦地で死んだと知らされた婚約者。
待ち続けることも、諦めることも終えたはずの春の日、私のもとにひとつの木箱が届く。
差出人に記されていたのは、もうこの世にいないはずの彼の名。
中に入っていたのは、宝石でも勲章//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。