65 注:緊急開封督促状!
65 注:緊急開封督促状!
(期日は本日中)
ガガッ!(ギアチェンジ音)
ぶるるるるーん!!!
俺はみんなを乗せ、軽トラを走らせ
左が岩山を切り出したような壁と
右側は断崖絶壁のような谷が延々と続く
デスロードのような道を通り
王都へと急いでいた。
「なあ、ラム!ホントにこっちでいいのか?!」
「大丈夫!というかこっちしか、
もう間に合わないから!」
すると屋根の上のテンが
シュピン!
と弓で前方の魔物を仕留めると
「前方に急カーブ!」
と叫んだ!
「何?!」
と俺はブレーキを踏もうとすると
「ダメ!間に合わなくなる!」
とラムに止められた!
「じゃあ、どうすんだよ?
こんな山道で時速100キロで走ってんだぞ!
このまま急カーブに突っ込んだら
そのまま、ノンストップで谷底だぞ!」
と俺はガードレールも柵もない
横に見える遥か下の渓谷に目をやると
後ろのモーが
「じゃ~!いきますよ~!」
とルーに声をかけている。
「任せて下さい!」
と二人で渓谷とは左側の荷台に移った!
俺は後ろで何をしているか
(・・・ウソだろ~・・・)
と思いながらも、薄々は理解できそうだが
実際にやるのはもの凄く恐怖で
「おい!ホントにいいのか?
あれだぞ?あのカーブだぞ!!!
90度以上曲がったカーブだぞ!
あれをこのスピードで突っ込むのか?
ホントにやるのか?」
ともう見えてきた、かなりのカーブを前に
ビビッていると
「大丈夫!これ踏んで!」
ガッ!
とラムがハンドルを俺の手ごと掴むと
今度は俺の右足ごとアクセルを踏み込んできた。
ぶおおおおおおおッ!
と軽トラのエンジンはさらに加速していき
「うおおおおおおぉ!!!」
そしていよいよカーブに差し掛かると
「ヤバイ!ヤバイって!
ヤバイってこれ!うわ~!うわ――――!」
と俺は怖くて
ハンドルから手を放して顔を覆ってしまった。
だが、屋根のテンが上で
「はい!今!」と号令をかけた。
その瞬間
ラムがアクセル全開のまま
ハンドルを左に切り
テン・ルー・モーの3人が
軽トラから身を乗り出し
切り出された岩壁ギリギリに顔を近づけ
バランスを取り始めた!
「うそだろ!おい!マジかよ!マジかよ!」
ガガがガガガが!
ガガがガガガが!
タイヤと車体が悲鳴を上げるように
急カーブをドリフトで曲がり
俺は
「わー!わー!」と一人運転席で叫んでいると
ガクッ!ガガがガガガ!
と急に右側に傾いた!
「うわッ!外れた!
タイヤが道から外れた!外れたって!おい!」
「はははッ!大丈夫だよ!ちょっとなら!」
と横で若干興奮気味でラムが言うと
軽トラの天井に結んであったロープが
ギチチチチチチ!!!
と鳴りながら、車が渓谷に落ちるのを防いでいる。
俺はもう溜まらず、窓から空を見上げると
羽を空を飛んでいるマーンが
「ふぬぬぬぬぬッ!」
とそのロープの先をなんとか持ち上げようと
必死に耐えている。
「ほ、ホントに、こんな調子で行くのかよ!」
とラムに聞くと
「大丈夫!任として!アタイはご主人様の女房だよ!」
と自信満々、満面の可愛い笑みで嫁さんが言うので
「・・・わ、わかった・・・
じゃ、じゃあ、最後に教えてくれ!」
「何?」
とラムが返事をする中、上から
「次は左~からすぐ右~!」
とテンの声が
だが、俺はそのままラムに質問をぶつけ
「王都は山の下にあるんだろ?
なんで?なんで今、俺たちは山を登ってるんだ?」
とそもそもの疑問をぶつけてみた。
「後2日じゃ普通に行ってたら絶対間に合わないよ!
この上に、それを可能にするオッサンがいんの!
そのも、タイムリミットが今夜だから!
時間がないのよ!」
ともはや助手席から運転しているラムに
「・・・わかった・・・
じゃ、じゃあ・・・後は・・・任した!」
ガクッ!と俺は何故か山を登るにつれ
頭が痛くなっていたので、そのまま気絶した。
「はい!ひだ~り~!!!!!」
ががががががががっが!!!
ガガがガガガが!
テンの実家
「テンナ様~、そんなに気落ちしないで~」
とモーの母がベットでいじけて居る
テンの母を慰めていた。
「だ、だって・・・グスッ!
金貨くれたって事は
出かける前にもう1回抱きたいって事だから
せっかく、ベットの準備して
シャワー浴びてお化粧もしたのに・・・」
と涙目でモーナを見るテンナ!
「仕方ないですよ~!
死刑になるんじゃ急がないと~!」
「グスッ!だからって・・・
あんなに急がなくても・・・」
「わかりました~!こうしましょ~!
次、機会があったらテンナ様
を最初にしてあげます。」
「グスッ!ホント?・・・」
「ホントです~!」
それを聞いたテンの母は
すッと立ち上がり
「じゃ、行きましょ!王都よね!?」
「・・・へ?・・・」
ガタ!ガタ!ガタ!
「・・・ここは?・・・」
俺は頭は相変わらず痛いモノの
もの凄く柔らかいモノに包まれながら
目が覚めた!
(・・・まだ、二日酔いじゃないよな・・・)
と思っていると
「あ~起きましたか~?」
と俺を荷台で包んでくれている裸のモーが
ゆっくりと起こしてくれた。
辺りはもう夕方で、連なる山々を
赤く染める夕日が美しい!
いつの間にか荷台に移された俺は
「どうなったんだ?」
と横のルーに聞くと
「今はもうカーブも終わって、後は山の上まで
なだらかな道が続くだけだそうです。」
「・・・そうか!マーンもありがとうな!」
と正面のマーンに言うと
「いや~、そんなに褒めないでよ!
照れる・・・はははッ!」
と黒い翼をパタパタとさせ喜んでいる。
運転席を見ると
ラムとテンが
「もう着くよね!大丈夫かな?」
と運転中のラムがテンに聞くと
「大丈夫じゃない?ご主人様なら!」
(・・・何が大丈夫なんだ?・・・)
とまた、何か無茶ぶりを考えているのかと
思っていると
「それより~・・・ご主人様~?」
「なんだ?モー?」
「お式の費用は~なかなかの物~
だったはずですけど~
どうしたんですか~?」
とモーがタダシに聞くと
「ま、まあ・・・なんとかな・・・」
と俺はとりあえず、返事をしつつも
(・・・い、言えねえ・・・
・・・ギルマスに丸投げしたなんて・・・
テンに手紙書いといてって頼んだけど、大丈夫かな?)
そんな事を考えていると
「見えたよ!」
とラムが前方を指差した。
俺は荷台に立ち、屋根ごしに眩しい西日を
手で遮りながら、まだ遠くの山の頂を見ると
「・・・山の上に・・・船?・・・」
リストセット城 御前会議 国王執務室
部屋の片隅で近衛兵長がただ、直立するだけの
重苦しい雰囲気のこの部屋で、3人の男が
突然降って沸いたような難題を
どう攻略しようかと悩みに悩んでいた。
「不味い事になりましたな!国王陛下!
まさか、レモネード伯爵が裏切るとは・・・
伯爵領はこの王都と敵領の公爵領の間にあります。
これはたった一夜にして、
前衛の隊が消えたに等しい・・・
・・・大臣殿はどう思われる?」
とりストセット王国の大将スローガンが
大柄のくせに可愛いクマ耳をピコピコさせ
大臣に尋ねると
「・・・これは、抜本的な計画の変更が必要です。
今の所、まだ若輩ではありますが、実力は折り紙付きの
エンロ―が条件付きで前衛を志願した為
やらせておりますが・・・
このことは、全軍の指揮に係ります。
亜人の貴族は大丈夫でしょうが・・・
人族の貴族からの離反者も覚悟せねばなりません・・・」
「む~・・・そうであるな~・・・
しかし、分からん・・・
レモネード伯爵が
あの亜人差別主義者どもの元へ行くとは・・・
確か、伯爵の亡き最愛の妻は
希少種の半獣人のお方であったはず・・・
一体、何があったと言うのだ・・・」
と大臣と大将の二人が考えれば、
考えるほど悩みが膨らんでいく中
「・・・やはり、あのコトだろうな・・・」
と国王がやっと重い口は開いた。
「あのコトとは・・・何のことですか?陛下?」
と大将が国王の方を振り向くと
「レモネードの妻・・・レイアの母は
私の妹だが・・・実は奴隷なのだ!」
「な、なんと・・・」
「そ、それは本当ですか・・・で、では・・・」
と大臣と大将が驚く中
気まずそうな国王は
「・・・うむ・・・先代国王が、気まぐれで
奴隷メイドに産ませた子でな・・・
その事がレモネードにバレたのかも知れん・・・」
「・・・なんと・・・」
「・・・そうでしたか・・・」
「しかし、先代は如何に奴隷の子とはいえ
我が子は我が子!将来を案じて、
しっかりとした家に嫁がせたかったのであろう・・・
当時、年の頃も同じであった
レモネード伯爵家に嫁がせたのだが・・・
やはり、隠したままだったのが・・・」
と国王は悔しがように顔を歪めた。
この異世界では身分が非常に大事である!
王族から貴族、平民から奴隷へと上から下へと
あるわけだが、
とりわけ貴族は自身の出自を重んじる!
そして、それは結婚相手の出自にも
同様の身分を求めるのだ!
「・・・つまり、レモネード伯爵からすれば
王族と結婚したと思っていたのが、
実は奴隷とだったという事ですな・・・」
「・・・なるほど、この度の謀反は
そのような背景が・・・
レモネード伯爵家は王国のために
多大な貢献と犠牲を払ってきたのは存じております。
・・・この事実は酷でしょうな・・・
言い換えれば、
家、家族、領民、領土を犠牲にして守って来た
王国に裏切られていたに等しい・・・
・・・あ、いえ・・・し、失礼を・・・」
と大将は自身の口が過ぎたことを
その場で謝罪した。
だが、国王はそれと咎める事もなく
自分で自分を納得させるかのように頷き
「・・・左様・・・まさにそうなのだ!
だが、このコトは私自身
先代国王がこの世を去る直前に
聞くまで知らなかった・・・
・・・しかし・・・なぜだ?なぜわかったのだ?
ワシは弟の公爵にすら、話してはおらん!
当の本人の妹さえ、知っていたかどうかの話を・・・
もはや、この事を知っているのはいないはずだが・・・」
と国王はなぜレモネードが知り得たのか
不思議に思っていると
「・・・ルーチンでしょうな・・・
そのような極秘な情報をやり取りできるのは・・・
あの者は情報戦に精通しており、さらには
自前の盗賊団も抱えておる上、
今回の戦では闇ギルドの兵員も
かなり連れて来ているとか・・・」
と大臣が言いながらも、少し考え込むが
「国王陛下!こちらも動きましょう!
この際です。こちらも切り札を切りましょう!
例のエルフに声を掛けるのです!」
バッ!と国王は顔を上げ、大臣を見ると
同じように
「・・・あ、あのエルフにか・・・」
と大将も続くようにビックリしているが
大臣は続けて
「200年前
国王陛下から4代も前の時代・・・
証拠も十分ではないのに
王都を追われた者を今更、
声を掛けるなど、虫が良すぎですが
この戦に負けたら、それこそ一大事!」
しかし、国王は
「・・・む~!・・・」
と嫌そうに考え込む!
だが、大臣はさらに続けて
「・・・確かに国王陛下のお立場から
してみたら、罪人扱いした顔も知らぬエルフに
頭を下げる形となり、お心も苦しかろうと
拝察いたしますが、事は急を要します。
あのエルフは腕は確かです。
それは、皆が承知しております。
かつてこの国、いやこの世界が魔王に侵略され
危機に瀕していたおり、
天より現れた伝説の勇者様一団と共に
魔王領へ赴き、封印した実績を持っておる
生ける伝説です!
なにより、こちらは彼の者の欲しい物は
分かっておるのです。
しかも、都合の良い事に以前、
あのエルフの嫌っていた者の子孫たちは
皆、敵側へと向かいました。
戦が終わり次第、こやつらの処遇も含め、
ギルドのすべての利権を渡す約定を交わせば
あのエルフも損はないはず・・・」
国王が何も話さないので大臣と大将は
無言のまま国王を見つめるしかないが
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
突如
「良かろう!頭でも、何でも下げてやる!
欲しい物は何でも支払え!
例え、それが公爵領だとしてもだ!
ホッパーへ使いを出せ!」
「ハッ!かしこまりました。」
一方、ホッパーの錬金ギルド内
ガサガサッ!
「・・・なんて、量の手紙だい?・・・」
とギルマスの元にテンからの長~い手紙が
届いたのは、日を跨ぐギリギリの時間だった。
しかし、ギルマスは仕事の手を止め
渋々読み始めると、
意外にも手紙の出だしは、
まるで淑女が恩師に手紙を書いたかの如く
感謝の言葉で飾られた内容に思わず
「グスッ・・・そうかい・・・幸せなんだね・・・」
と久しぶりの涙を流していたギルマスだったが
内容が結婚式から結納までの流れに移っていくと
正確無比の挿絵と美しすぎる字体で
ドラマチック(エロチック)に書き上げらていていた。
ギルマスは
喘ぎ声の部分とか、は飛ばして
自分の母親の感度の良さとか、は省略して
会場の裏手で行われていた
どっかの夫婦のスワッピングとかは、
ビリビリに破いて
それでも、我慢して
読み進めていたギルマスだったが
さすがにA4用紙60枚以上に
ビッシリと書いてあったため
普段、書類を読み慣れているギルマスでも
もう時計の針が12時を回り、
次の日になったばかりの頃
ピラッ!
と残すところの最後の1枚まで読み終えたギルマスは
「ふ~・・・やっと最後かい・・・」
と最後のページの末尾に書かれた式費用の金額表示が
まるで、時間でも測ってるかのように
増額しているのを眼にし
「ギャ―――――――――?!!!」
65話終わり
ノクターンの方で綺麗に書き直して
1話から始めました。
こっちで書いてない話もありますので
良かったらどうぞ!
18歳以下の方へ
絶対に絶対にやってはダメですが
ノクターンは18歳以上からです。
「あなたは18歳以上ですか?」
と聞かれ
お父さんに「はい」押して貰ったそこの君
ダメですが、ある意味・・・君は賢いです。
そして、お母さんに押して貰ったそこの君
君は本物です。
小説タイトル
ちょっと、おませな貴族の次男が
異世界で何となく過ごしていたら
結局、色々やらかしたのに
僕を愛してくれて
誠にありがとうございます。
始めました。こちらもどうぞ!




