55 宝探し
55 宝探し
バサッ!
俺はよくわからん長文の手紙を
持ったまま、少し呆然とし
「・・・俺に・・・
・・・赤紙が来た・・・」
と手紙の末尾に書かれた
よって、此度の戦、貴公を
王国を守る騎士として、晩餐会に
出席する事を命ずる!
の部分だけ読んで、
一人つぶやくと
「ちょ、ちょっとタダシ様!
宜しいでしょうか?」
と市長が言うので、
手紙を見せると
「・・・・・・・・・・・
・・・タダシ様・・・
これは恐らくですが・・・
戦争に参加せよ!
と確かに書いてありますが
タダシ様に槍を持って前列で戦え!
と言うような意味では
ないようですよ!」
ガバッ!
「そうなんですか!?」
と俺は体を起こし
「はい!
こちらを分かりやすくまとめると
王都の錬金ギルドの
反乱分子の代わりに
現地でポーションを作れ!
と貴族特有の回りくどい
書き方ではありますが、
そう書いてあるようですよ・・・
恐らく・・・
噂にもなっている王都の
錬金ギルドが
関係しているのでは・・・」
「う、噂の錬金ギルド?」
「はい!
以前から王都の錬金ギルドは
人の良い高ランクの錬金術師が
いつの間にか、消えるだの
魔族領でしか、手に入らないような
どこからも手に入れられない材料を
何故か手に入れれるだの
危険な実験や、
かなり危ない人体実験を
どこかで繰り返しているだの
とにかく、
黒い噂が絶えなかったのです。
特に・・・今回の王国軍が
攻め入る予定の
国王陛下の実弟、
公爵家がらみで・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
俺はそれを聞いても、
やはり嫌そうな顔しか
出来なかった・・・
だが、さらに市長は
手紙を見ながら
「・・・後、間に合わなければ
やはり、死刑だそうです!」
「マジかよ!」
ガチャッ!
俺は市長の見送りも断り
一人、悩みながら部屋を出ると
「あッ!ご主人様!」
とラムが市役所の長椅子で
足をプラプラさせ
待っていてくれた。
「ラム、他のみんなは?」
「みんなは、向かいの酒場でご飯!
それより、どうかした?
暗い顔して?」
「いや、実はさ・・・」
と俺が王都から来た
手紙を見せると
「え~と・・・
・・・これって・・・
国王様に会いに行くのとは
別の話なんだね・・・
しかも、期日は・・・
・・・4日後じゃん!」
とラムに改めて言われ
「そうだ!4日後だ!
間に合わないと
不味いらしいぞ!
どうすりゃいいんだよ?
こっから飛ばして、
どの位だった?」
と俺が聞くが
「・・・・・・・・・・・・」
とラムが何時になく
真剣に考えこんでいるので
「?ら、ラム?どうした?」
と俺が恐る恐る聞くと
「うん!大丈夫!
アタイに任せて!
必ず間に合わせるから
みんなに話そう!」
とラムが俺を引っ張ろうとするが
「あッいや、俺はちょっと
やることが出来た!
でも、道は任せた!
待ってるだろうから一杯やって
30分後に役所の前に
集まっててくれ!」
と俺とラムは雪の中、別れた!
俺はラムが店に入るのを
確認してから
「よし!探そう!
・・・何でもいいんだ!
・・・役立つ物なら・・・
・・・何でも・・・」
と市長からもらった
分厚い本の後ろの方を開いた。
「・・・こっち・・・
・・・だな・・・」
この本の後ろには日本語で
こう書かれていた。
日本から来た人へ
町の南東にある石の下に
僕は眠っています。
来て頂けたら、
役に立つものがあるかもよ!
広瀬 国近
完全に実の兄を敵に回し
王国の乗っ取りに掛かった
公爵邸
国王の実弟 公爵家 大広間
「「「「「おおおおおぉ!!!」」」」」
大広間にいる全員が公爵が用意した
物に歓声を上げた。
「やりましたな!公爵陛下!
いや、国王殿下!」
「いや、素晴らしい!
これで我らの勝ちは決まりましたな!」
この人族しかいない大広間の
大きな丸テーブルに
座る国中の反国王派の面々が
テーブルの中央に広げてある、
公爵領の地図の上に置かれた
世にも奇妙な銅の像を見て
不気味に微笑んでいる。
すると、同じく不気味に笑う公爵の横
で座っていた商人のような男が
「オホンッ!皆様!
これは公爵殿・・・失礼しました。
国王殿下が長年、魔王領との取引に
尽力して来られた故の援軍と
お心得えして頂きたい!
これぞ、かの勇者も倒せず、
止む終えず封印したと伝わる
伝説の魔人
エンシャント・ゴート・デーモン
です。」




