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54 赤い手紙

54 赤い手紙




「・・・・・・・・・・・」

俺が一人、市長室の前で固まっていると


ドガッ!ガタッ!

ガンガラガッシャ―ン!

と市長室の中で何かが慌てていると


バンッ!


「・・・お、お待ちしておりました!

タダシ様~!!」

とモジャモジャの毛に顔が覆われた

小さいおっさんが現れた!



「・・・どうも・・・」




カチャッ!


先程の秘書の女性が

俺の座る前に紅茶が置いてくれた!


そして、俺の真向いの席に


「いや~、タダシ様!

大変失礼しました。

まさか、馬車も護衛団もなしに

ダンジョンの中から

来られるとは夢にも思わず


それにしても、お強いんですね~!

さきほど、色々と

お仲間の方から聞いたのですが


ダンジョンボスをお倒しになり

不敬を働いた

冒険者たちを殴り飛ばしたとか、

しかもセーフエリアへの新ルートまで!


いや~、さすがトシコ様のお弟子様!

やはり、縁があると申しま・・・」

とベラべラべラと喋っている

ひげモジャの小さいオッサンは

帝国出身のドワーフらしく

この町の市長で、俺がこの領地を頂く前の

この街の長い歴史を話始めた。





話は100年ほど前に遡る!


ウチのギルドにいた

俺と同じ日本から来た人が

ここのダンジョンにある日

突然、現れたとか


その頃、ここは誰もおらず

誰にも知られず、

ただ、縦横2メートルの

横穴のダンジョンがあるだけの

森と雪の世界だったらしい!


でッその人はとにかく、山を下り

歩いていた所、ウチのギルマスに

拾われたそうだ!


で、しばらくギルマスに

色々教わる内に


ここの鉱石が

ミスリルなんじゃないかと


気づいて、調べたら大当たり!


でも、その頃に

帝国からの難民が増えて来ていて

ホッパーの町にも難民で

溢れてきたらしい!


そこで、ギルマスに相談して

ここを無償で国に譲渡する代わりに

難民村を作って貰い、


その知らせにより

国への貢献度を上げた

ギルマスはあんな田舎では

手に入らない希少な材料を

貰えるようになったとか


目の前のドワーフのおっさんも

その時、ここに移住したらしい!





いや~しかし、

あの時のトシコショックは

凄かったですが、

今回のも大変な物ですな!

しかも、今回のはタダシ様が

起こしたと

もっぱらの噂で、

私どもは・・・・」



「ちょ、ちょっと待って貰えますか?」

と俺はかれこれ1時間はぶっ通しで

喋られたので堪らず、

一旦、止めると


「俺はここで何かしないと

不味いんですかね?

王都の方へに

行きたいんですが・・・」


「あッ大変失礼しました。

では、まずこの町の管理ですが

ここの住人は至って、

問題なくやっております。

納税をごまかす者もおりませんし

もし、ルールを破る者がおりましても

町の法に則り、厳正なる処罰を

しております。


最近はなぜか、

闇ギルドの方も静かなので

これといった事件もございませんが

いかがでしょうか?

よろしかったら、今後も、

この町は、市長、役員を選挙で決め

代官として納めさせるというのは・・・」


「え~と・・・じゃあ、それで・・・

でも、ポスト商会の話は聞いてますか?」


「はい!なんでも、町をかなりの規模で

作り直すとか!

それにも、住人はすべて従うと、

私がこの羊皮紙にサインさせております。」

と市長が俺に見せてくれたのは


ズラ――――――ッと

街に登録されている全員の名簿と

その家族の名だった。


(・・・古い住人の種族は

大体、ドワーフか・・・)

と思いながら


「わかりました。

後はポスト商会と

上手い事やって下さい!

全部、市長に任せますよ!

どうせ町の運営なんて出来ませんし


それと他に何かありますか?」


「ありがとうございます!

それでは、今まで通り

この町の事はお任せ下さい!


では、こちらの本が

私達が避難民で寝る所も

食べる物にも困っていた頃

救いの手を差し伸べて下さった

ヒロセ・クニチカ様が

お取り決められたこの町の

法律や取り決め等でございます。


最後のページの1文は今でも

よくわからない文字で

書かれていますが、


それは、当時の原板を

使って刷り続けられておりますので

その辺りはご容赦下さい!」


と俺は分厚い本を貰うと

一応パラパラとめくり


(大体、日本の法律と一緒だな・・・

罪人は地下の労役で死刑がない代わりに

刑期が伸びていく感じか・・・)


と思いながら

最後の所を見ると


(・・・まあ・・・日本語か・・・

名前からして

分かってはいたけど・・・)

と先程のわからない文字と

言っていたのが日本語だと

わかり、納得した。


そんな感じで本をめくっていると


「あッそれと、タダシ様!

国というか国王軍から

こんな書状が・・・」

と市長が1通の手紙を

俺に見せてきたので


「えッ?国王陛下?」と言いながら

パタンッ!と本を閉じると


「はい!手紙の表に

召集令状と緊急の赤封筒で

書いてありますので、

先程の王都の件では?」



パッ!ビリッ!


と慌てて俺は手紙の封を開き、


「・・・・・・・・・・・・・」

中を見ると


「・・・何と・・・

書かれていましたか?・・・」

と聞かれるが


「・・・俺に※赤紙(あかがみ)が来た!・・・」



赤紙(あかがみ) 太平洋戦争時、

軍から送られてくる

日本男子への徴兵命令書



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