44 お、犯される・・・
44 お、犯される・・・
ガタガタガタ!
俺は、吐く息も白い山の急カーブを
テンの運転に丸投げし
荷台で小一時間、
毛布に包まれたラムとモーに
幸せなサンドイッチタイムをして
貰っていた。
(幸せだ~!
暖かいし、柔らかいし、気持ちいい・・・)
俺は二人に挟まれ、幸せを
・・・いや、幸福を噛みしめていたが
ドンドン
とテンが荷台の方を叩き
「ご主人様~!もう着くけど、何か変だよ!」
と起こしてきた。
「えっ?なんだ?どうした?」
と俺は荷台の上に立ち、もう見えるであろう
ホッパーの方をみると、横のラムが
「なんか、衛兵が入口で騒いでる・・・」
「衛兵が?」
ブルルル~ン!キキ~ッ!!!
大門の前でテンが
車を止めるので、
騒いでいる衛兵の人に
「どうしました?」と聞くと
「だれだ?!・・・んっ?
この町で見かけた顔だな!」
「はい!俺はこの町の錬金術師ですので!」
とギルドカードを見せると
「おおッ!そうなのか!
道理で変わった荷馬車だと
それより、ちょうど良い!
今、ちょっと貧困街の奥の方で
面倒な事・・・というか変な事が起こっててな!」
「変な事?」
俺たちはそのまま、ギルドの前を通り過ぎ
貧困街を目指した!
すると、そこには
「・・・なるほど!じゃあ、それが済んだら
後は、捕縛するだけだよ・・・
・・・タダシ?帰ったのかい?
早いじゃないか!」
と衛兵にあれこれ指示を出しているギルマスの姿が
あった。
「ギルマス!只今、戻りました!」
「婆ちゃん、ただいま!」
「ただいまです~」
ガチャっ!
「よッ!アタシもいるよ!」
とテンが車から降り
ガチャっ!
「・・・・・・・・・」
最後にマーンは何も言わず降りてきたが
(マーンが鳥獣人に変身してる・・・
そうだった!魔族の姿は不味いんだった!)
と事前の打ち合わせなしに、
変身してくれたマーンに
俺は感謝していたが
「・・・・・・・・・・・」
とギルマスはマーンを見て
少し考えているような感じだったが
「まあ、後でいい!それより、タダシ!
アンタも手伝ってきな!」
「えっ?俺も?何があったんですか?」
「この貧困街の奥にあった闇ギルドの店で
変態チンピラどもが騒ぎを起こしたのさ!」
「へ、変態?」
聞けば、闇ギルド内で何者かが薬物をまき散らし
その中にいた男たちに、店の周りにいた
チンピラ連中が、所構わず襲ったそうだ!
だが、俺は、男しかいない上に、
変態の園なんて
1ミリも近づきたくなかったので
「え~と・・・
それって行かないとダメですかね?」
と恐る恐る言って見ると
ギルマスが鬼の形相に変わり
「当たり前だろ!
薬物テロなんて衛兵だけでどうにかできる
訳ないだろ!
薬品の使用条件と対処方法は
特殊だって教えただろうが!
忘れたってのかい!」
しっかりとギルマスに怒られたので
「い、いえ・・・お、覚えてますよ!」
わ、わかりました・・・じゃ、じゃあ・・・」
と渋々、衛兵の人たちと行こうとすると
「アタイも!」とラムが声を上げたが
ギルマスが
「ダメ!お前達は鼻が良すぎる!
足でまといだよ!」
と厳しく怒鳴りつけた。
ラム達が耳を垂れさせ、ショボンと
しているのを見て
「みんな!先に行っててくれ!
俺は大丈夫だから!
それより、あの一階のヤツ頼むよ!」
そう言うとみんなの顔が
パーと明るくなり
「うん・・・わかった!
でも、ホント気を付けてね!」
と俺はラムたちと別れ
貧困街の奥へと案内された。
貧困街は、独特の何かの肉の焼ける匂いと
汚いゴミに洗ってない服と人
ちょうど、南米のスラムを歩いてるような感覚で
(路上でゴミを売ってる婆さんに・・・
・・・やたら薄着の太い売春婦のオバさんに・・・
・・・空の酒瓶持って、
ずーと笑ってる歯のない爺さん・・・
・・・ヤバい場所は、異世界でも一緒だな!)
そんな光景を見ながら
奥へ奥へと衛兵に囲まれながら
歩いていくと
道が狭く、汚くなってくるが
「ここから奥が現場です!タダシ殿!」
「あっ!ここですか!・・・
・・・す、凄いですね・・・」
木製の柵に衛兵の盾をロープで
結んだだけの簡素なバリケードが
そこから、先の道を塞いでいて
(ギルマスの言う通りだ!凄い匂いだ!
それに・・・・・・・)
ガシャン!!ガン!ガン!
「ガー!開けろ!開けろ~!」
「お前もやらせろ~!」
となぜか下半身丸出しのチンピラ達が
バリケードの向こうから手を伸ばし
衛兵たちを欲しがっている!
しかも、ギンギンに大きくさせて
「こ、これは・・・
・・・どういう事でしょう・・・」
「わかりません!
普段はそれほど、強くもないのに
なぜか速さと耐久力があるのです。
仕方なく、専門家に相談した所
錬金ギルド長のトシコ様に
これ以上、奥には行かず
このバリケードを乗り越えた者だけを
捕まえろ!と言われております。」
俺は冒険者ギルドにもお願いしたのか
聞いたら、いつも迷惑ばかりかけてる
連中が変な事してるって聞いて
誰も手伝ってくれないそうだ!
「まあ、当然ですね・・・わかりました!
とりあえず、奥へ行きますので
準備しますね!」
と俺はギルマスが作った特製のマスクを
着け、銃ベルトを腰に装着すると
一本のポーションを取り出した。
状態異常・絶対隔離ポーション
効果:状態異常の物、者をすべて跳ねのける!
(長時間持続)
作 セキネ・タダシ
「じゃあ、行きますから、
少し離れてもらえますか?」
と衛兵を少しバリケードから離すと
ガシャーン!!!
とバリケードにこのポーションを
投げつけた!
すると
「ぎゃーーー!」
「ぐあぁぁぁ!」
と変態達が狂ったように
奥の方へ逃げていった。
変態が奥に逃げていくのを見計らって
「よッ!」
タンッ!
と俺もバリケードの向こう側に着地した!
ホッパー錬金ギルド 食堂
「でッ?何だい?その魔族の奴隷は?」
とギルマスは
マーンを真っすぐ見て質問するが
「・・・・・・・・・・・・・」
マーンは下を向いて何も話さない!
するとラムが
「アタイら、月の物でできなかったんだ!
それで、ご主人様に
他の奴隷もって進めてみたら・・・」
とギルマスに事の次第を全部話すと
「・・・なるほどね!
スケベだけが取り柄のタダシらしいね!
まっ!どうやったかは知らないけど、
あのクソ魔王の従属魔法から開放して
自分の奴隷にしたんなら及第点だ!」
「えっ!いいの?」
とテンが聞くと
「良いも何もタダシの物なんだろ?
確かにアタシは魔族は嫌いだが
人の物にまでチョッカイ出すほど
落ちぶれちゃいないよ!
たくっ!」
「ありがとうございます~
これで、マーンさんをギルドの外で~
寝かさなくて済みそうです~」
「ふんっ!
それで・・・あんたら飯はまだなのかい?」
「「「うん!」」」
「・・・はい・・・」
ホッパー貧困街 最奥
ドンッ!ドンッ!
「グギャッ!」
「ガッ!」
俺を襲ってきた二人の変態が
撃ち抜かれた股間を抑え
地面に倒れ込んだ!
「ふ~・・・大分、奥まできたが
どこが震源地なんだ?
もう、かなり匂いもキツイから
近くのはずなんだけどな・・・」
と俺は地面にうずくまる二人を跨ぎ
さらに、奥へと進んでいくと
(くっさッ!ここだな!)
と凄い匂いのする
汚いコップの絵の描かれた看板の店
を発見した。
ダンッ!ドガーン!
ドアノブを触るのもヤダったので
ドアを蹴破ると
つーーーーーん
「うわッ!」
中は酷い匂いと共に
とんでもない事になっていた。
なぜかそこら中に散らばる
引き千切られたズボンに
汚い尻丸出しで倒れてる男たち
そして、店の奥の方からは
ガン!ガン!ガン!ガン!
「ふん!ふん!ふん!」
と変なおっさんの荒い息遣いが
俺は少し、キモい想像をしてしまい
(・・・ハッキリ言って
もう、どうでもいい・・・・)
「・・・店ごと燃やそうかな・・・」
と少しボヤくと
カンッ!
と足で何かを蹴ってしまった。
「んッ?」
俺は蹴った空き瓶を拾い上げると
能力向上・付与ポーション(空)
効果:素早さ、反射、耐久性、攻撃能力が
かなり跳ね上がる。 (長時間持続)
注意:絶大な発情効果があるため、
戦闘が始まる直前に
飲まないと戦闘どころではなくなる
特に、暗い所で静かに、
複数で待つのは避けるべき
要注意
アルコール等に混ぜると
気化するため広範囲に及び、さらに危険!
作 セキネ・タダシ
(・・・俺の作ったヤツだ!・・・
はは~ん!これを、酒に混ぜたのか!
さずが、チンピラ!頭悪いなあ~・・・)
俺はギルマスから教わったのだが
ポーションはその様々な性質状から
他の物質に混ぜると
とんでもない別の現象を
引き起こす事があるらしい!
「・・・なるほどね!
道理でみんなギンギンで
ギルマスが、ラムたちを
行かせなかった訳だ!」
とふとッ俺は、店の奥に意識をやると
(あれ?・・・変な音が止んでる・・・)
と思ったら俺の左から変な匂いが
ゆっくりと顔をそっちに向けると
ヒゲ面のハゲが、俺の顔のすぐ横で
「ハー!ハー!ハー!」
と言っていた。
「・・・ど、どうも・・・」




