35 パンツ1丁
35 パンツ1丁
「な、なんだこれは?」
と俺は錬金ギルドの入り口で
叫んでしまった。
床、机、カウンターの上で
一人残らず、倒れている!
「う、うう・・・」
「あんた!大丈夫か?」
俺はドアを開けた
入り口の一番手前の男性が
どうやら意識があるようなので
抱き起こし、ポーションを飲ませると
「あ、ありがとう・・・
み、皆を、た・・・頼む・・・」ガクッ!
とその男性はそのまま、気絶してしまった。
「・・・と、とにかく、
手分けしてみんなを助けよう!」
と俺たちはギルド中の人々に
ポーションを飲ませていった。
モーが抱き起こし
ラムが口を開けさせ
テンが鼻を摘んで
口に無理やり、ポーションを
入れていく。
「げほッ!ごほッ!」と変な太った男性は
ムセているが、モーが気持ちいいのか
良い顔をしている。
(・・・ある意味、幸せな拷問だな・・・)
と思いながらも
俺は、こっちの階はラムたちにまかせて
下の階に降りていった。
「うぉッ!ここにもか?」
と階段にも男性が倒れててビックリしたが
とりあえず、テンを見習い
倒れてる人の口に
ポーションをビンごとを突っ込んで
そのまま、先に進む!
「うりゃァ!」ズボッ!
「ぐッ!ゴホゴホッ!」
下に行くにつれ、何かキツイ、
ハーブの匂いが濃くなってくる。
「これは・・・」
下の階には上より広い空間に
ウチのギルドほどではないものの
かなりの量の素材が
ストックされた部屋があった。
そして、その一番奥に
グツグツと煮込まれっぱなしの大なべが
錬金鍋:
錬金術師が製作物を作る時、使用する
要注意:
聖属性ポーションを大量に作り続けて
いたが、原料のハーブを長時間
煮込み過ぎで長時間吸い続けると
凄い睡眠作用を
引き起こす匂いを発している!
「原因はこれだな!」
と俺はとりあえず、火を消して
鍋に蓋をすると
部屋中に倒れてる人たちの口に
次々とポーションを突っ込み
女性には
「さッ!お嬢さん!」
と優しく、抱き起こして
飲ませていく!
そして、最後の一人の口にポーションを
突っ込んだ、丁度その目の前に
「えッ?な、なんでこれが・・・」
エンロー錬金ギルド ギルド長室
「いや~・・・助かったよ!
さすがはトシコ様のお弟子さんだ!」
とこの街の錬金ギルド長が
俺の向かいに座り、
お礼を言ってくれている、この人が
ギルドに入る手前で最初に会った
(倒れてきた)おじさんだった。
「いえ、でも大変でしたね・・・」
俺たちは、やっとの思いでギルド中
の窓という窓、ドアと言うドアを開け
換気とポーションにより
何とか全員を元の状態に戻した。
「いや、まさか君のランクアップのために
探していたのが、こんな形になるとは
思ってもなかったよ!」
と上機嫌なギルド長だが
急に真剣な顔になり
「た、ただね・・・
この事は内密に頼めるかな・・・」
とギルド長がかなり小声で言ってきたので
「え、え~と・・・はい!
わかりました!はッははッ!」
と適当に答えていると
「失礼します!」
と受付の女性が入ってきた。
「おぉ!来たか!
タダシさん!では、今日から
このシルバーで!」
と銀色に輝く錬金ギルドのライセンスカードを
渡された!
「・・・あ、ありがとう・・・
・・・ございます・・・」
と俺は言いつつも
(このライセンスになると
何か良いことあるのかな?)
と俺はマジマジと見てしまった。
そんな俺を見てか話題を変えるように
「そ、それで・・・
ポーションの代金は振り込みかな?
それとも、現金で?
ちゃ、ちゃんと色も付けるよ!」
とオドオドしたギルド長に聞かれたので
「あ、それなんですが、お金より
地下にあるヤツが良いんですけど?」
「地下にあるヤツ?」
エンロー伯爵邸 執務室
「それはホントか?」
エンロー伯爵は、
自身の机の上の黒い2つの石を前にして
騎士団長の説明を聞き
驚愕していた。
「はい!タダシ殿の言う事の裏づけも
取りました。
まず、死体は間違いなく公爵家の者の
亡骸でした。
これは、元公爵家を出入りしていた者に
確認が取れました。
次にその机の上にある
そちらのエンロー様がお討ち取りになった
オーガソルジャーの物と
タダシ殿が討伐したドラゴンの物!
こちらも鑑定師により、確認が取れました。
間違いなく、人口的にゾンビを作れる
呪詛がかかった代物です。
ただ・・・」
「なんだ?まだ、何かあるのか?」
「はい!鑑定師とタダシ殿の
この書類をまとめると
どうも魔王軍が関わっている
ようなのです。」
ガタッ!と伯爵は立ち上がり
「なんだと?魔王軍だと?
王都からの知らせでは
遥か東の中洲島を取り返したと
知らせが来たばかりでは、ないか!」
「はい!となると、
やはり公爵様個人が魔王軍と
なんらかの関係があるかと・・・」
「なんという事だ!
よもや、国内の反国王派
がそこまでしようとは・・・
ど、どうする・・・
・・・これは事だぞ・・・」
とエンロー伯爵は目頭を掴み悩むが
騎士団長は覚悟を決めたような顔で
「エンロー様!この際です。
どうでしょう?
この件、王都の大臣閣下に、
すべてご報告申し上げ
ご指示を請うというのは・・・」
伯爵は真顔で顔を上げ、騎士団長を見るが!
「・・・・・・・・」
どういう意味だ?という顔をしていた。
さらに騎士団長は続けて
「ことが大き過ぎます!
下手をすれば、この国難の最中に
国が二分する事態にも
なりかねません!
これまで、ご先代様もエンロー様も
中立を保ってきました。
それは、一途に・・・」
と騎士団長にかぶせるように
「国を二分させぬ為・・・か・・・!
・・・・・・・・・
・・・分かった・・・
お前の言いたい事は分かった!
ここまで、されたのだ!
王国派になるしか、ないという事だな?」
「はッ!その通りです!」
エンローはしばらく、考えるも
半ば諦めたように
自分の真正面に飾られている
肖像画を見て
「はーーーーッ!
父上がご存命の頃が懐かしい!
ただ、戦場で槍を振るってさえすれば
何の問題もなかったのに・・・」
とため息混じりに、上を向くと
「これも、ご時勢です!
ご先代様は、こういう時
気晴らしに街に出ていらっしゃいましたよ!
では、私はこれにて失礼致します。」と
騎士団長は部屋を出て行った。
そして、一人自室に残ったエンローは
「・・・俺も行くか・・・」
ラム達の拠点 満月亭裏庭
「・・・ね~ご主人様!これ、異世界物?
こんな大きいの飾れないよ?」
とラムに聞かれたが
「ああ!でも、これは飾るんじゃない!
これでホッパーに帰るんだよ!」と
俺は付与付きの修理ポーションを
取り出した。
「これで~帰るんですか~?
重そうだから
馬がたくさん要りそうですね~」
とモーが錆びたバンパーを
指でなぞりながら
聞いてくる!
「まあ、見てろって!」
と俺はバシャバシャとかけていくと
みるみる内に綺麗になった異世界物
軽自働車トラック:
異世界の乗り物
二人乗り
最大積載量:360kg
車体付与スキル:
耐振動・耐衝撃・耐魔法攻撃
永続燃料・カーテン式ルーフ(荷台用)
錬金ギルドの地下に
先々代の錬金ギルド長が
趣味で収集していたのの名残りらしく
ポーションの代金の
代わりにもらったのだ!
ギルド長は大金の変わりに
ただスペースを喰って邪魔だった
異世界物で良いと言われたので
飛ぶように喜んでいた。
軽トラが綺麗に直ると
「「おお~」」
とラムとモーが驚いているが
「そういえば、テンはどうしたんだ?」
「・・・て、テンは・・・
もうすぐ、帰ってくると思うんだけど・・・」
とラムが気まずそうに、右の方を見ると
「ど、どうしたんですかね~・・・
何かベルさんの所に~行くとか何とか~」
とモーは左の方を見る!
(ベルさんの所?なんだろ?)
と思っていると
「たっだいま~!!」
とテンが帰ってきた。
「あッ!新しい馬車
・・・と・・・ご主人様だ!」
「いや、俺はついでか?」
とテンに突っ込みを入れる。
だが、そのテンの後ろから
例の馬美人が裏庭に入ってきた。
「はうッ?」
と俺はかなりドキッとするも
「じゃ、ウーマ姉さん!後はお願い!」
とテンが言うと
カパッ!カパッ!カパッ!
と馬美人のお姉さんが
セクシーにモデル歩きで
俺の前まで迫ってきた。
しかも
「・・・今夜はよろしく・・・」
と凄いセクシーな声で俺の両手を
握ってきたので
「こ、こ、こてらこそ!」
と少し噛んだが、何とか返事をした。
しかし、俺の頭の中は
(やばい!やばい!何この人!
近くで見ると、余計に美人じゃん!
嘘でしょ?こんな美人と俺するの?
背も高いし、綺麗だし
どうしよう?どうしよう?)
と内心ハー!ハー!となるも
目は一切離さず、
舐めるように体を見つめていた。
だが
ガチチャンッ!
と何か金属音が・・・
「へッ?」と俺は自分の両手をみると
手錠が掛けられた俺をウーマさんが鎖で
繋いで上から見下ろしている。
「えッ?」と俺が呆けていると
ウーマさんのパートナーの女性が
ビリビリ!ビリビリ!
と俺の服を破くように脱がし
俺はあっと言う間に
パンツ1丁にされた。
「・・・・・・・」
俺は訳がわからず、ラムたちを見るが
ラムとモーは苦笑いをしている。
すると
「さッ!行きましょ!」
とウーマさんは俺の手錠を引いていく。
ジャララララッ!
カパッ!カパッ!
「えッ?えッ?どういう事?」
ホッパー錬金ギルド
「なるほど・・・つまり、タダシは
アンタの兄弟のポスト商会に
依頼したんだね?
北のミスリルダンジョンの管理を・・・」
「はい!その通りです。
こちらの各ギルドにも応援要請があると
思います。」
「わかった!
タダシが70%で
残りはあんたらが好きにするで
あたしの方は問題ないよ!
後はこのポーションの注文書だね?」
と食堂の机の上から天井まで届く勢いで
積まれている書類の山を見て
ギルマスは言った。
「はい!
ところで、話は戻りますが
採掘したミスリルは
どうなさるのでしょう?
ベルの話では、タダシ様が
ご領主様という事になりますので
あの宿場町は今まで通り
税を集める形になるそうなのです。
約束はダンジョンの管理というお話らしいですが
宿場の売り上げ等の税だけで
十分、維持はできるらしく・・・」
「さあ?タダシが決めるだろ?
帰ったら、あんたも呼ぶから
それは、決めさせれば問題ないだろ?」
「そうですね!では、
今後、出土するミスリルの方は
100%タダシ様の物という事で・・・」




