24 ヤバイ石
24 ヤバイ石
馬車の中を覗くように
巨大な光る目が二つ
俺たちを睨むように見ていた。
「「「「・・・・・・・・」」」」
ゾンビ・ジャイアント・
ブラック・ウルフ
(30)メス レベル51
人造死霊属性魔物
HP0/135600
MP0/0
スキル
風切り 風魔法 咆哮 死霊魔法
弱点:光属性 早い動き
人工的にゾンビ系の
最終進化形態になった魔物で
すべてが腐っていて、かまれた者は即
ゾンビ化する!
討伐は光属性の魔法及び、武器がないと
不可能で魔物、人間を襲い
かなりの勢いで手下を増やしていく!
尚、魔石と牙だけは
破格の値段である!
グアアアアアア――――!!!
「「「うわわわあああ」」」」
俺たちは慌てて、馬車を飛び降りるが
バキバキバキ!
ヒヒーン!
馬車も馬も突然、そいつに襲われ
グチャグチャになった。
ドサっ!
「ぐわっ!」
ラムが俺を、ベルさんをモーが
抱え、何とか無事脱出したが
バキバキ!と腐った臭いを
そこら中に充満させた
巨大なオオカミが
せっかく直した幌馬車
を今も嚙み砕いている。
だが俺はあまりにも、
突然の事でどうしていいか分からず
呆けていると
「ご主人様!見て!」
とラムが指さした。
俺はラムに言われ
すぐそっちに目をやるが
「な・・・なんだと・・・」
なんと俺たちを引いていた
馬が明らかに内臓が半分ほど
飛び出てるのに
普通に立ち始めた。
「お、おかしいです~」
とモーが盾を構えながら
言うので
「何が?」
シャシャキーン!
「モーが言ってるのは
ゾンビになるのが早すぎる
って事よ!」
とラムが腰の剣を抜いた!
確かに、いつもの馬と違い
目は左右上下に向いていて
ヨダレを垂らし
首を斜めにしてゆっくりとこちらに
近づいてくる。
カラッパ・・・
カラッパ・・・
ゾンビホース
(3)オス レベル1
人造死霊属性魔物
HP0/40
MP0/10
スキル
無属性魔法
弱点:火属性 光属性 早い動き
人工ゾンビ系の魔物
に感染させられゾンビ化した。
だが、ゾンビに成りたての為
現在はただ、音に反応しているだけ
俺は
(成りたて?)と思いながらも
俺とベルさんの前に両腕を広げ守っている
ラムとモーが後ろに下がるので
俺たちは少しずつ後ろに下がるが
グルウルル~!
と巨大なゾンビオオカミをこちらを
見て唸っている。
しかし
ドゴーン!
突然、そのゾンビオオカミが爆発し
そのまま、倒れた!
そして、俺たちの前に
シュタッ!
「大丈夫、みんな?」
とテンが現れた!
俺は少し安堵するも
ふとッ後ろを振り返ると
盗賊たちが凄い怯えながら
こっちに走ってくる!
俺は
(何に怯えてるんだ?)
とよく見てみると
「な、なんだと・・・」
俺は必死に走る盗賊たちの後ろを見て
驚愕した。
「・・・ゾンビの群れ?・・・」
なんと、その盗賊たちの後ろには
おびただしい数のゾンビがこちらに
向かってきている。
「うおッ!挟まれたぞ!」
と俺が言うとラムが一歩前へ出て
「テン!モー!ご主人様と
ベルさんを連れて逃げな!」
と頭の上半分無いくせに
なんのダメージも無いかのように
立ち上がる巨大ゾンビの前に立ち塞がった!
「あんた!何言ってんのよ!」とテンが怒ると
「そ~ですよ!一緒に行きましょ~!」とモーも
珍しく怒っている!
そんな三人のやり取りを見ながら
俺の横のベルさんは
「わ、わ、わた、私は・・・・」
と一人毛布を離さず、
ブルブルと震えている!
俺はそんな皆を見て
意を決して
「ラム!みんな!ベルさんも聞いてくれ!」
「な、何?」とラムが振り返ると
「ど、どうしたのさ?」
「ど~しました?」
「・・・・・・」ブルブルブル!
「今は詳しい事は話せないが、
実は俺はゾンビのスペシャリストだ!」
「うそ!」とビックリするラム!
「ホントだ!異世界で俺は毎晩見てた!」
(テレビで!)
「毎晩?異世界ってあんなのが毎晩出るの?」
とテンが聞くが
「ああ!日常茶飯事だ!」
(ドラマで!)
「という事は~
・・・こういう状況でも~」
とモーが戸惑いながらも聞くが
「当たり前だ!俺はプロだぞ!」
と俺は今までの経験
(あくまでも個人の妄想です。)
を思い起こした。
(ゾンビを倒し、食料を確保し
分厚いコンクリートで囲まれた
刑務所に住み、略奪者どもと
死闘を繰り広げって今、いいか)
と俺は切り替え
「とにかく、お前達はこのポーション
であのデカいのを頼む!
俺はベルさんを安全な場所に置いて、
盗賊達とあのゾンビ軍団を
何とかする!」
と俺は聖属性ポーションを出し
ラムたちに渡すと
ガラララッ!と手持ちの剣や槍、木の角材を
地面に広げ
こっちにも聖属性ポーションをブチまけた。
そしてこっちに走ってきた盗賊たちに
向かって
「おい!この武器を持て!」と命令した。
盗賊たちは暗くて見えなかったらいしいが
巨大ゾンビオオカミを見て躊躇するも
魔法契約により
命令には逆らえず、ゾンビから
生き残った者たちは武器を
拾った!
俺は改めて、巨大ゾンビを改めて見上げると
バキバキバキ!
とさっきゾンビになったばかりの馬を食べていた。
(・・・回復しているのか?・・・)
テンにやられて、少し最大HPが下がっていたが
それが、少しずつ回復している。
「ラム!どうやら、あいつはゾンビにした
魔物を食べて回復するみたいだ!」
「そうなの?知らなかった・・・」
「さすが!プロ!」
「凄いです~!」と
3人に褒められるが
「ほ、ホントなんですね~」
とベルさんは号泣している。
「じゃあ、あっちは任せたぞ!」
と俺は横の森の中に
爆竹ポーションを投げた!
ドバババッババババ!
と森の中で連続して爆裂していく!
ゆっくり近づいてくる
ゾンビたちの後ろの方が
音に吊られ森の中へと進んでいく。
そして、俺は盗賊達に
「いいか!お前達!
バラバラになるな!固まるんだ!
そして、頭だ!頭を狙え!
ソコ以外は意味がない!
それとキーモ!
お前はベルさんを木の上に
登るのを手伝え!
ゾンビは高い所に逃げると
途端に分からなくなる!
それが終わったらお前は
そのまま叫びながら
ゾンビの群れの周りを走り回れ!」
と指示を飛ばした!
キーモは今回も皆を置いて
最初に俺たちの元に
逃げてきたので
かつての仲間に睨まれるも
「む~~・・・」
とキーモは涙目で首を横に振るも
逆らえず
命を脅かしたベルさんを木の上に
上げ、
「なぜ私がーーーーーー!
ひーーーーーーーーー!」
と叫びながら、剣を振り回し
走り始めた!
だが、そのお陰でゾンビの勢いは弱まり
キンッ!ぐえ~!
ドスッ!だ~!
と盗賊たちは1体1体ゾンビを確実に
倒していく。
「よし!ラム達は?」
と俺は振り返ると
ゾンビオオカミが
モーに
攻撃を仕掛けるが、盾に阻まれ
「えい~ッ!」
ズゴン! ドシーン!
とカウンターで
ひっくり返されると
上の方から
「喰らえ!この間の分だ!」
とテンの声がしたと思ったら
スカカカカッ!
ドゴゴゴーーーン!
と一度に複数の矢が刺さり
それらが連続して爆発した。
「グッルルルルルうr~・・・」
とうめき声を上げながら
完全に横たわった
ゾンビオオカミの首に
「これで、終りよ!」
とラムが両手の剣を十字に構え
ズババーン!
ドサッ!グチャッ!と
巨大な狼の頭が地面に落ち
その瞬間、地面に溶けていった。
ブクブクブク!
「首を切られると体力があっても
ダメなんだ!」
(まあ、元々、0だったけど・・・)
と俺は地面に
溶けていくゾンビを見ていると
きらッ!
と光る物が
地面に落ちている!
「なんだ?コレ?」
見ると、地面に黒い魔石の
ような物が落ちていた。
俺は一応、危ない物かも
知れないので、
小枝で箸のようにソレを掴み
空いたポーションの空瓶に
入れた。
人造死霊属性魔石:
これを魔物に食べさせると
急激に腐りだし
、ゾンビ化する人口ウィルスを
固形化した物。
また、血液感染でみるみる
広がっていくので
噛まれる、引掻かれる等は要注意!
見つけ次第、
元を排除すれば、すべて消える!
(元を消すって・・・)
と俺が考えていると
「わ~!」
「ぎゃあ!」
と俺の後ろでは盗賊たちが
やったり、やられたりと
どんどんゾンビも盗賊も数を
減らしていく!
「あ~とりあえず、
俺も仕上げといくか!」
と先ほど森の中に入っていった
後続のゾンビたちに向かって
炸裂聖属性ポーション:
爆薬で聖属性の破片が炸裂する
を投げた!
ズドゴーーーーーン!!!
その音にさらにゾンビは
引き寄せられ
目の前のゾンビはかなり
少なくなった。
「結構、減ったかな?」
と周りを見てみると
「ひーーーー!」
「「「「だ~!」」」」
と走り回るキーモを
追うゾンビたちも
シュカン!
「ぐあ~・・・」バタッ!と
テンも木の上から
ゾンビを打ち抜いているし
ベルさんもモーが降ろしてくれた
みたいで無事だった!
そして
「大分、終わったね!ご主人様!」
とラムが近づいてきてくれた。
「ああ!ありがとう!
ラムちょっと見ててくれ!」
「えッ?うん!わかった!」
俺は先ほど拾った
黒い魔石を瓶から出すと
地面の硬そうな石の上に置き
「ふんッ!」
バキッ!
と強く踏みつけた!
すると
さーーーーーー・・・・
踏んだ石が割れ
周りに居たゾンビも
ゾンビになった盗賊たちも
砂が舞うように
静かに消えていった!
「「「「「・・・・・」」」」
ラムも他のみんなも
声が出ない位ビックリしている。
「・・・これ・・・
かなりヤバい石だな・・・」
王都 リストセット城 国王執務室
さすがは王の部屋とも言うべき豪華、
それでいて気品ある部屋に
二人の男が向かい合わせで座っていた。
「大臣!本当にあのミスリル鉱床を
与えたのか?」
と国王は一枚の魔導契約書の控えを
手にしている。
権利移行者名
セキネ・タダシ殿
「はッ!その通りでございます。」
「ふ~む・・・だが、
そんな事をしたら・・・」
と国王は不安げな心の内を
伝えようとすると
大臣は
「確かに、
わが国唯一のミスリル鉱床!
前回のトシコショックにてわが国が
得た貴重な財産です。」
「であれば、なぜだ?」
「はい!それは、それよりも
前線を先に打開する事の方が慣用かつ
急務だからです。」
「そんなに前線は苦しいのか?」
「はい!東の魔王軍、西の帝国
共に攻勢を強めてきております。
さらに魔王軍は何やら王国内で
画策している模様!」
「う~む・・・」と国王が悩み出すと
大臣はさらに続けて
「まだ我が祖父ノートが生きていた
100年前のトシコショックで
ミスリル鉱床の発見、及び
なぜか帝国以上の
新しい魔道具の生産により
今日まで王国は
何とか耐えてきました。
ですが、此度のトシコショックは
それを、遥か凌駕する物!
私は祖父が成し得なかった王国の安定を
超え、王国の平和を望んでいるのです。」
「う~む!なるほど!わかった!
好きにやるがよい!」
「ははッ!有り難き幸せ!
また、これは試験段階ではありますが
すでに、前線では、
良い結果が出ております。」
「ほ~!」と
久しぶりの良い知らせに国王は
笑顔になると
「ポーションは勿論ですが
帝国のあの硬い魔導ゴーレムを
ポーションで付与する事により
ミスリルでなく、普通の魔鉄の槍で
貫いたとか!」
「すばらしい!
では、湯水の如く資金を投じ
補充していた
ミスリルの槍はもう要らんのだな!
それは、それは良い知らせだ!
他には?」
「はッ!他には、欠損した兵士が
Aランクポーションのより
また前線に復帰できたとか
これにより、兵の補充がかなり
楽になります。
また、魔王国の魔物の群れを
催涙ポーションなる物で
戦わず、追い払ったとか!」
「戦わず?すばらしい!
今まで、ただ追い払うだけでも
数百は兵を失っておったというのに!」
と国王はうなずき、
そして、国王はその場に立ち
「ノート大臣!
この件関する一切を
ソチに任せた!」
「はは~!」




