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12 風邪  他のギルド

12 風邪 他のギルド



錬金ギルド 職員宿直室 ベット



「ゴホン!ゴホン!

あぁ~・・・風邪引いた・・・」


昨日、午前中からずーと冷たい地下の倉庫で

ラムとチョメチョメ的な事を延々としていたら、

風邪を引いた!

しかも、俺だけだ・・・


結局、何とかラムの興奮状態が治まったのが

昨日の夜 そこから、慌てて剣を綺麗にして

付与したのだが

その間も訳あって、俺だけはずーと裸だったのが

不味かったのかも知れない。


(・・・服がな~・・・)


ガチャっ!

「タダシ!どうだい?具合は?」

とギルマスが温かそうなミルク粥を

持ってきてくれた。


「ギ、ギルマス・・・すいません・・・ゴホゴホ!」


「まったく、何考えてるんだい!

唯でさえ、獣人は、狭くて暗い所で

興奮しやすいってのに誘惑するなんて

・・・ほら、お前の引き裂かれた服だよ!」


とラムが強引に俺を裸にした

名残りでもある

俺のズタズタだったスーツが、

ギルマスの手で見事に復元され

ハンガーに掛けられている。


「す、すいません

・・・ところで、ゴホゴホっ!

納品の方は・・・」


「あんた、凄いね!

そんなになっても仕事が気になるのかい!

安心しな!ラムが無事納品したよ!

あんたが剣や槍を綺麗に打ち直して

くれたお陰で良い値段が取れたよ!」


「そ、そうですか

・・・良かった・・・ゴホゴホ!」


「あぁ、それとラムの奴はそのまま、

森に出かけたよ!

何でもアンタのために薬草を

取ってくるそうだ!」


「は、はは・・・」


「まあ、早く良くなるこったね!

仕事はたんまりあるんだから!」


「は、はい・・・」


「じゃあ、アタシは下に行くけど、

何かあったら呼ぶんだよ!」


「は、はい・・・ゴホゴホ!」



バタンっ!


俺は一人部屋で冷めていくミルク粥を

気にしながら、

ただ、天井をボーと眺めていた。





ホッパー町 治療ギルド


「私が貿易都市に出張している間に

なぜそんな事になったのだ!

一体どういうつもりで

冒険者ギルドは光属性の付与を

錬金ギルドになんぞ、依頼したのだ?

説明しろ!!!」


「す、すいません!

そ、それが、高すぎて払えないと!

冒険者ギルドのギルド長が・・・」


「あ~なんという無礼な振る舞い!

この神に仕える私の提案に文句をつけるとは

神罰も恐れぬ奴だ!」


「な、なんでもウチに出した半値で、

しかも納期は今日の昼までと

かなり無茶苦茶な事を言ったらしいのですが

錬金ギルドはお受けしたらしく・・・」



「な、なんだと!半額・・・クソ!

それが、世界の主神である女神ルーレット様を

信仰する我らへの冒涜だとわかっているのか!

あのエルフのババアは!

くそ!くそ!くそ――――!」


「お、落ち着いてください!教長様!」


「え~い!うるさい!

大体どうするのだ?

今回のゾンビ討伐の件で、

冒険者ギルドから多額の金が入る事を

当てにして、貿易都市で

使って来てしまったではないか!」


「ま、また・・・ギャンブルですか?」


「あ~!なんだ?!文句があるのか?」


「あ・・・い、いえ・・・」


「くそ~・・・しかたない!・・・

貧民街への無償奉仕を有料にするぞ!」


「えッ?そ、そんな・・・それではご領主様から

頂いている援助金の意味が・・・」


「うるさい!じゃあ、お前が金を工面しろ!

そもそも、お前が抜けているから

こんな面倒臭い事をこの私が

考えてやってるんだぞ!・・・

ふっ!」


しかし、肥えに肥えた教長様は突然笑った。


「・・・ど、どうして、笑われるのです?・・・」


「考えてもみろ!そんな納期で出来る訳がない!

そうすれば、冒険者ギルドはこちらに頭を下げてくる

他に道はないのだ!」


「で、では貧困街の無償治療は・・・」


「それはやれ!ただし、冒険者ギルドが頭を

下げてくるまでだ!

な~に、すぐ泣きついてくるさ!

はははははははっ!」



「か、かしこまりました」

治療ギルドの教会に馬鹿みたいに響く笑い声が

響き渡った。






貧困街 冒険者ギルド ギルド長室




コンコン!

「失礼します!」

「入れ!」


「お、お呼びでしょうか?」と

ビビりながら事務の男が入ってきた。


だが、姿は明らかに脳筋の元Aランク冒険者

のギルド長は太い腕で

「おい!この白金貨10枚の

支払いってのはなんだ?」

とかなり高圧的な態度で事務の男に

質問した。



「あッ!それは今朝、納品された

光属性付与の武器の代金です。

錬金ギルドに新しく入った職員の方の奴隷の方が

間に合わせてくれました。」


「なんだ!ホントに間に合ったのか!

ちっ!急に振って間に合わない分は

値引かせようと

思ったのに・・・まあ、いい!

それより、ウチのギルドの前で

暴行して向かいの店の器物を

破損したって苦情があった

あの件はどうなった?」


「あ、あのギルド長がAランクに

押してるウサギ人の男性の方の件

ですよね?

あ、あれなら、言われた通り迷い込んだ

人族を注意したら

弱すぎて突っ込んだ!と伝えておきました。

・・・かなり切れてましたけど(小声)・・・」



「よし!アイツは期待の新人だ!

そんなチンケな事で

ランクアップの足かせなどあり得ん!」


「そ、それとギルド長!

ホ、ホントに今夜の大型ゾンビ狼の討伐にその方を

同行させるんですか?

まだ、Bランクですし、様子を見た方が・・・」


「良いんだ!

確かにまだ、早いが奴は弓がメインの武器だ!

遠くから参加させて本部の連中には

討伐の主役とでも伝えれば問題ない!」


「は、は~・・・で、ではそう伝えます。」



「あ~それと、昨日位から錬金ギルドの

ポーションが評判がいいな!」


「えッ?は、はい・・・そうですけど・・・」


「おそらく、その新しい職員とかが

何かしたんだろ?

多少、強引な手を使っても構わん!

その職員をウチに引き抜け!」


「えッ?!そ、そんな事・・・」


「やれるだろ?ソレ位!

若くて勢いのありそうな冒険者を

何人かそそのかせば良いだけの話だぞ!これは!

錬金術師なぞ、

小突けばヨロけるヒョロい奴ばかりだ!

まったく、どいつもこいつも少しは

その足りない頭で考えろ!」


「は、はー・・・」






夕方、錬金ギルド食堂



トントントン!

「ラム!薬草は切ったかい?」


「うん!切ったよ!」


「じゃあ、この粥に入れて少しかき回したら

上に持って行ってやんな!」


「わかった・・・ありがとう

・・・ばあちゃん・・・」


「なんだい?元気ないね~!

お前も気にしてるのかい?」


「だって

・・・ご主人様はアタイのせいで・・・」


「か~!そんな事、気にする事はないんだよ!

第一!あの単純男だよ!

お前がこれを持って行って、

食べさせてやれば

すぐ忘れちまうよ!」


「そ、そうかな?」


「そうさ!トットとそれ持って上に行きな!」


「うん!ありがとう!婆ちゃん!」

ダンッ!ダンッ!ダンッ!


とラムは自身が採って来た

薬草入りの器を持って階段を

駆け上がっていった。


それを見送ったギルマスは

「まったく、

世話が焼ける連中だね~・・・」

と受付のカウンターに腰を降ろした。



だが、しばらくして天井から


ギシ!ギシ!ギシ!ギシ!


「は~・・・アタシは粥を食べさせろ!

って言ったんだよ!

なんで、自分ごと食べさせてんだい!

まったく・・・」

とギルマスはため息混じりに

愚痴をこぼしつつも、

引き出しに手をかけるが


「・・・ふっ!なーにが俺のすべてを

受け止めてくれだ!」


と引き出しから砂時計を取り出した。














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