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迷宮探索紀行 ~世界一の高層ビルが鬼畜ダンジョンになったらカオスすぎた~  作者: 結城 からく


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第51話 生存者グループ

 やがて扉が開いて、男が呼び出しがかかった。

 前置きが終わったので、俺達に挨拶をしてほしいとのことだった。


 扉の先へ行くと、各所に生存者達が集まっていた。

 大半がスーツやドレスで、カジノのスタッフや清掃員、救急隊員等も混ざっている。

 一様に疲労しており、暗い顔で俺達を眺めていた。

 この状況に辟易しているようだ。


 とりあえず俺から挨拶を始めた。

 無難で簡潔な内容で、良くも悪くも印象に残らない挨拶だったと思う。

 別にここで目立つことをする意味はあるまい。


 しかし、一部界隈は俺を見て騒然としていた。

 雰囲気からしておそらく犯罪組織だ。

 そこにどこかのエージェントらしき連中も含まれている。

 別件で潜入捜査でもしていたのかもしれない。


 共通しているのは、俺を歓迎していない点だろうか。

 トニー・ヴァーナーは相変わらず嫌われ者だった。


 ミアナとイーサンが挨拶をする中、俺は生存者達を観察する。

 エントランスの端に転々と魔術師らしき人間が座っていた。

 魔法陣の上で胡坐を掻いて集中している。


 俺達の挨拶を聞いている様子はない。

 きっと結界とやらの維持に注力しているのだろう。

 他人の話に耳を貸す余裕がないのである。


 疲労困憊で座り込んでいる魔術師は、交代制で結界を維持しているに違いない。

 彼らがここの生命線なのだ。

 迷宮の仕組みは詳しくないが、結界が無くなった途端、モンスターが溢れ出すのだろう。


 生存者達を見るも、少なくとも表立っての反発は無かった。

 一般人は俺達の加入を歓迎している。

 シンプルな戦力強化となり、自分達の生存率が上がることを喜んでいた。


 抵抗感を覚えているのは、俺の経歴を知る人間や、イーサンの見た目に怯える者くらいだ。

 それでもわざわざ発言してまで反対する人間はいなかった。


 挨拶の後、俺達はひとまず別室へ向かうことになった。

 ここでのルールや方針を聞くのと、他の生存者とのトラブル防止が目的である。


「怪我人はいるのか? もしよければ治療させてほしい」


 移動中、イーサンが救急隊員らしき集団に話しかけていた。

 彼はそのまま取り残されるも、本人は一向に気にしていない。

 不気味がる救急隊員と懸命に意思疎通を図っていた。


「ドクターは相変わらずだな」


「それが彼の長所だろう」


 俺とミアナは苦笑する。

 イーサンは過去の罪滅ぼしの情も含めて人助けをしたいと考えている。

 この生存者グループを見て待っていられなくなったのだろう。


「害のある男じゃない。放っておいても大丈夫さ」


「そ、それならいいが……」


 俺のフォローを聞いたリーダー格の男は、止まりかけた移動を再開する。


 見た目のインパクトが強すぎるイーサンではあるが、人柄は常識的だ。

 攻撃性はなく、穏やかな言動が多い。

 明らかに善人なので、すぐに打ち解けるのではないか。


 エントランスを抜けた俺達は別フロアの喫煙室に移動した。

 ここなら誰もいないので、内密な話をするのにちょうどいいだろう。


 俺は煙草をくわえながら話題を切り出す。


「よくもまあ、こんなに生きていたもんだな。正直驚いているよ」


「犠牲は毎日のように出ている。君達に助けられていなければ、我々も全滅していただろう」


「だろうな」


 確かにあそこのバリケードは破壊される寸前だった。

 奥に逃げ込んでもモンスター達に追われた挙句、結界も壊されたに違いない。


 煙草に火を点けた俺は、紫煙を吐きながら尋ねる。


「ところで、脱出計画はあるのかい?」


「もちろんだ。そのために動いている。君達の意見も欲しい」


 男はタブレット端末を手に取ると、何かを操作する。

 そして表示された画面を俺達に見せてきた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] >しかし、一部界隈は俺を見て騒然としていた。 >雰囲気からしておそらく犯罪組織だ。 >そこにどこかのエージェントらしき連中も含まれている。 >…
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