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迷宮探索紀行 ~世界一の高層ビルが鬼畜ダンジョンになったらカオスすぎた~  作者: 結城 からく


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第26話 医務室の脅威

 さっそく俺は拳銃を発砲する。

 弾丸はナースの頭部に命中した。

 イソギンチャクの破片が飛び散り、ナースがよろめいて机にぶつかる。


 しかし、それだけだった。

 残るイソギンチャクを揺らしながら、ナースは俺達に顔を向ける。

 目はないが、粘質で不気味な視線を感じた。


 直後、ヒステリックな悲鳴が室内に響き渡る。

 俺に撃たれたナースが発した声だ。

 ナースはメスを掲げて跳びかかってくる。


 想像より何倍も俊敏な動きだった。

 まるで肉食獣である。

 テーブルを跳び越えて迫るナースを前に、俺は舌打ちする。


「マジかよ」


 すぐさま拳銃を連射し、ナースの頭や胸を打ち抜く。

 ところがナースは止まらない。

 血を流しながらも突進を続行してくる。


 逆手に構えられたメスがライトの光を反射させて輝いていた。

 目の前に着地したナースはそれを振り下ろしてくる。


 俺は金属バットでガードすると、反撃にフルスイングを披露してやった。

 異形と化したナースの顔面を殴り飛ばす。


 回転して吹っ飛んだナースは薬品棚に激突した。

 へたり込んだ身体が痙攣している。

 頭部のイソギンチャクが心なしか弱っていた。

 今のダメージで行動不能に陥ったらしい。


 どうやらナースは不死身ではない。

 常人よりタフであるのは確かだが、攻撃は効くようだった。

 とりあえず殺せるのなら問題ない。


 室内の他のナースがここに来て反応する。

 仲間のダメージを感知したのか、一斉にこちらを向いた。

 それぞれが医療道具を武器に携えると、じりじりと接近してくる。


「ハハ、随分とクレイジーな診察だな」


 俺は粘液の付いた金属バットを構えて、背後のミアナを一瞥する。

 彼女は既に魔術行使の準備を完了させていた。

 いつでも仕掛けられるようだ。

 やはり頼りになる相棒である。


 それを見た俺は素早く屈む。

 刹那、ミアナの放った魔術が頭上を通過していった。

 打ち合わせもなしにタイミングを合わせられるのは、ここまで培ってきたコンビネーションの為せる技だ。


 光の鎖となった魔術はナース達の手首に絡まり、彼女達の動きを制限する。

 ナース達は鎖を外そうとする。

 しかしかなり頑丈なのか、壊れる気配はなかった。


 鎖の根元を掴むミアナはそれを引っ張りながら説明する。


「奴らは生命力が高い。それと頭部の本体は寄生しようとする。注意しろ」


「オーライ、任せときな」


 俺は金属バットを回しながら応じる。

 ナース達は鎖に夢中だった。

 近付く俺の姿を気にも留めない。


 どうやら知能はそこまで高くないらしい。

 ミアナはこの習性を見越して拘束系の魔術を使ったのだろう。

 いくらタフだろうと反撃のリスクが低いのなら怖くない。

 これならスムーズに処理が進みそうだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] トニーとミアナのコンビネーション。 出会ってからまだそれほど日数が経過してないにも関わらずここまで絶妙なあたり、 元々相性が良かったのでしょうね。 [気になる点] どうにか異形の看護師達…
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