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迷宮探索紀行 ~世界一の高層ビルが鬼畜ダンジョンになったらカオスすぎた~  作者: 結城 からく


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第21話 致命の銃撃

 眼帯女は全身が血みどろになっている。

 至近距離で爆発が発生したのだ。

 本来なら立つこともできないはずの重傷である。


 ふらつきながらも動けているのは、彼女の精神力によるものか。

 或いは迷宮化の悪影響を受けているのかもしれない。

 まるでゾンビのような姿だが、引き攣った笑い声が彼女が生ける屍でないことを主張している。


 眼帯女はよろめきながら室内を徘徊する。

 時折、何か躓いていた。

 顔面が血だらけでよく分からないことになっているが、どうやら爆発で失明したらしい。

 眼帯をつけていない片目が潰れている。

 それによって俺の位置に気付いていないようだ。


(これはチャンスだな)


 そう思うも、ここで迂闊に手出しするのは不味い。

 彼女の能力は、たとえ視力を失ったとしても十分に脅威であった。

 居場所が割れると瞬殺されかねない。


 やがて眼帯女が室内に向けて滅茶苦茶にレーザーを撃ち始める。

 俺の顔のすぐ横にも炸裂し、さらには腹を貫通した。


「…………」


 俺は声を洩らさない。

 命中したのは幸いにも機械部分だ。

 放っておくべきではないものの、早急に解決しなければいけないような問題ではない。

 少なくとも行動に支障はなかった。

 気配を悟られないようにじっと堪えて待つ。


 ほどなくしてレーザーが停止した。

 眼帯女は無言で室内を彷徨い始める。

 消耗を抑えて俺を探すつもりのようだ。


(少し試してみるか)


 俺は床に転がる財布を放り投げる。

 壁にぶつかったそれに、すぐさま雷撃が叩き込まれた。

 財布は黒焦げになって床に落下する。


 眼帯女は同じ箇所に何度か雷撃を撃ち込んだ。

 何もないと悟ると、首を捻って再び室内を歩き回る。

 目が使えなくなった代わりに、聴覚を頼りに俺を探しているらしい。


(音を立てないように注意しないとな)


 俺はソファの陰から観察を続ける。

 腹から流れる人工血液に顔を顰めながら耐えた。


 眼帯女は紫電を展開していた。

 常に防御を意識している。

 ただし、出力はかなり微弱だった。

 爆発で致命傷を負った上、先ほどから魔術を連続で試用している。

 単純に消耗しているのだろう。


 そうして張り詰めた空気が続くこと数分。

 キッチンを歩く眼帯女がこちらに背中を見せた。

 戸棚を漁っているようで、明らかに隙だらけである。


(ようやく来たか)


 俺は拳銃を構えると、照準を眼帯女に定める。

 そして、躊躇いなく引き金を引いた。


 重く響き渡る発砲音。

 連射された弾丸は、眼帯女の後頭部と首、背中に穴を開けた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ようやく、眼帯女との死闘も決着しそう。 しかしトニーは右前腕部と腹に貫通創を負っている。 サイボーグゆえ致命傷は免れたものの、 修理手段を確保できず、機械部分にある程度のダメージコン…
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