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迷宮探索紀行 ~世界一の高層ビルが鬼畜ダンジョンになったらカオスすぎた~  作者: 結城 からく


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第18話 反撃の一射

 あれは完全にヤバい女だ。

 直感的に理解できた。

 狂気に支配されている表情である。

 話し合い以前の問題だった。


 協力など不可能だと悟った俺は、引き金の指に力を込める。


「ハロー、墓石は何色がお好みだい?」


 軽口を叩きながら、俺はショットガンを発砲する。


 眼帯女の周りで紫電が瞬いて、散弾が軌道を変えた。

 廊下の床や壁や天井を滅茶苦茶に引き裂く。

 一部が俺にも飛んできたので、咄嗟に転がって回避した。


 肝心の眼帯女は無傷だった。

 その場から動いていないというのに傷一つない。

 雷の魔術で銃撃をやり過ごしたようだ。


「ひひっ」


 気味悪く笑う眼帯女が、人差し指をこちらに向ける。

 そこに紫電が集束し、レーザー状になって発射された。


「マジかよッ」


 俺は反射的に身を翻した。

 自販機が焼き切られる様を目にしながら、ショットガンを撃とうとする。


 ところが、右腕が上手く動かない。

 何か引っかかりがあるかのように不自由な感覚だった。

 俺は視線を下ろして原因に気付く。


 右の前腕部に穴が開いていた。

 露出したモーターが火花を散らして、焦げたコード類が垂れている。

 力を込めると、人工血液が軽く噴き出した。

 防弾カバーが見事に意味を為していない。


(やられたな)


 避けたつもりが、レーザーに撃ち抜かれたらしい。

 まあ、いきなり発射されて対処できる方がおかしいのだ。

 脳味噌に風穴が開かなかっただけマシだと思いたい。


 動かしづらい右腕に辟易していると、眼帯女が再びレーザーを飛ばしてきた。

 今度はなんとか躱し切る。

 指の動きにさえ注意すれば、回避も間に合いそうだった。


「食らいやがれ」


 俺は無事な左手でショットガンを操ると、眼帯女に向けて発砲する。

 散弾は彼女の頭上に炸裂し、天井を損壊させた。


「……いひっ」


 それを見た眼帯女は、ますます笑みを深める。

 彼女が両手を広げてみせると、紫電の瞬きが加速した。

 弾けるような音が連鎖して勢いを増す。


 勝利を確信したらしき眼帯女は、紫電を両手に圧縮させていく。

 あのまま塊を叩き付けてくるつもりらしい。

 俺はショットガンを下ろしてほくそ笑む。


「外したと思ったか、マヌケ」


 次の瞬間、天井から水が散布された。

 散弾で破損したスプリンクラーが誤作動を起こしたのだ。

 降り注ぐ水が眼帯女の全身を濡らす。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 百戦錬磨の傭兵たるトニーと言えど気を抜けない緊迫感の描写。 [気になる点] >そこに紫電が集束し、レーザー状になって発射された。 グループSNEの妖魔夜行小説シリーズのうち1篇に出て来た…
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