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【完結】嘘告白への逆襲〜わがままで破滅させて差し上げますわ!〜  作者: 木風


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2/2

後編

息が止まった。

——やっぱり。


私は笑われていた。

わがままも、照れも、揺れも、全部。


戻ってきたキリアンが、私の頬に手を伸ばす。

私はその温かさが、怖くなり、その手を振り払った。


「触らないで」

「セレス?」

「あなたの遊びに付き合うほど、私、安くありませんの」


数日後。

学園の裏で、私は聞いてしまった。

赤い髪の留学生カトリーヌと、キリアンの会話。

そして、彼の低い声。


「……もうすぐ終わらせる。あいつはもう、俺がいないとダメな体質になっている」


目の前が暗くなる。


終わらせる。

ダメな体質。

それが何を指すかなんて、私にもわかる。


私は、その場で決めた。

破滅させるのは、この男。


翌朝。彼は菓子店の包みを持ってきた。

私が「食べてみたい」と言った、あの菓子だ。


「セレス、今日は中庭で——」

「もう結構ですわ」


私は包みを払い落とした。

床に散らばる、色鮮やかな菓子。


「私を甘やかして依存させて、最後に捨てる。そういう趣味なんでしょう?」

「待て、それは——」

「黙って!」


私は言い切った。


「捨てられる前に、私が捨てます。最低な嘘つき」


踵を返した時、背後で彼の息が詰まる音がした。

でも私は振り返らない。振り返ったら、崩れる。


三日後。

屋敷の扉が叩き割られそうな勢いで開いた。


「セレス!」


ボロボロのキリアンが立っていた。

完璧な髪も、完璧な礼もない。息が切れて、目が赤い。


「帰って」

「帰れない」


彼は、私の前で膝をついた。


「……あの日の言葉の続きを聞いてくれ」


震える声で、彼は言った。


「終わらせるのは、嘘告白だ」

「……え?」

「本当の婚約を申し込む。そう言った。君を依存させたいなんて本気じゃない。……俺の方が、君なしじゃ生きられなくなった」


言葉が、胸に刺さる。

私の計画の刃が、全部、自分に返ってくる。


「セレス。君のわがままが嬉しかった。君が俺を頼ってくれてる気がして」


彼は顔を歪めて言う。


「でも、君を不安にさせた。最悪だ。……だから、罰を受けたのも当然だ」


彼は私の手を取って、額に押し当てた。


「捨てないでくれ。君に捨てられたら、俺は本当に破滅する」


——タイトル回収。ここで来ますわね。

私は震える息を吐いた。


「……あなた、最低ですわ」

「知ってる」

「私まで道連れにしないで」


指先が熱い。

私は、彼の頬を両手で包んで、言った。


「……わがまま、まだ残っていますの」

「全部叶える」

「じゃあ最初の一つ」


私は少しだけ意地悪に笑う。


「二度と、私を試さないで」


キリアンの瞳がほどけた。


「誓う。……次は最初から、正式に言う」


そして彼は、懐から小さな箱を取り出した。


「セレスティーヌ。俺と婚約してほしい」

「……仕方ありませんわね」


私の『破滅させる計画』は、ここで完全に潰えた。

代わりに、彼の『破滅覚悟』が、私を捕まえた。


「あなたを破滅させないために、私が面倒を見て差し上げます」

ブックマーク、★★★★★、リアクション

よろしくお願いします( *・ㅅ・)*_ _))ペコ

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