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【脱力怪談】恐怖の澱 ~恐怖が腐って混沌(カオス)になった…~  作者: 夏の月 すいか


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一番乗り

 雪が降った翌朝。

 店の駐車場の雪かきの為に私はいつもより早く出勤した。

 駐車場には積もった雪が広がっていた。

 雪かきは大変だが、一面の新雪を最初に踏めるのなら早起きした甲斐があるってものだ。

 一番最初に足跡を付ける行為も、新雪を踏んだ感触もたまらない。


 いざ雪かき道具を持ち駐車場に出ると、前方からサクサクと足音が聞こえてきた。

 姿はないのに雪に足跡だけが空いていく。

 サク…サク…

 サク…サク…

 足跡は真っ直ぐこちらに向かってくる。

 サク…サク…

 サク…サク… 

 足跡が私を通り過ぎていった。

 サク…サク…サク…サク…

 サク…ゴッ、ドスン

 振り返ると足跡の他に大きな穴が一つ開いていた。

 駐車場の車止めにつまずき尻もちをついたようだ。


 あったりなかったり幽霊の足は都合の良い(いいかげんな)ものである。

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