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足跡だけが
雪が積もった日の朝。
店の駐車場の雪かきの為にいつもより早く出勤した。
冬の、日が昇りきっていないまだ薄暗い空。冷えた空気に鼻が痛くなる。
駐車場にはまだ誰も踏んでいない新雪が広がっている。
ダンプ(雪かき道具)を持ち駐車場に出ると、背後からサクサクと足音が聞こえてきた。
振り返ると雪に足跡が空いていた。
サク…サク…
私の目の前を穴だけが空いていく。
サク…サク…
足跡は私を通り過ぎていった。
サク…サク…ドスン
駐車場の車止めにつまずき尻もちをついたたようだ。
幽霊も新雪の感触を楽しみたいのだろうか。あったりなかったり都合の良い足である。




