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【脱力怪談】恐怖の澱  作者: 夏の月 すいか


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8/15

後ろに乗るのは…

 友人を迎えに行く私の車の前を自動車学校の教習車が走っていた。 

 まだたどたどしい運転にどうしても車間距離が詰まってしまう。

 何度目かの接近時、教習車の後部座席に人が乗っていることに気付いた。いや、気付いたのではない。それは突然現れた。

 後部座席にいたのは小学校低学年くらいの男の子と女の子だ。

 路上教習中に子供が乗っているなんて。身内なのか特別講習なのか。いや、そんなものは聞いたことが無い。

 子供たちは身じろぎもせずじっと前を向いていた。

 赤信号で教習車が止まった。続けて私も止まる。

 車内の様子をよく見ようと体を少し前に出したそのとき、子供たち二人がぐるんと後ろを向いた。

 目が合った私に子供たちは不快そうな表情を浮かべ、消えた。

 私が子供たちに気付いたことが気に入らなかったのか。もしくは他の何らかの理由か。子供たちの私に向ける視線は憎しみのようにも嫌悪感のようにも感じられた。

 私はそのまま信号を曲がり、教習車から離れるために遠回りして駅に向かった。


 友人を車に乗せ、ことのあらましを説明した。

 「じゃあそれならドライブレコーダーで確認しようぜ」

 友人の提案によりコンビニの駐車場に停め、車内でドラレコとスマホを接続し映像を確認する。

 「…あっ、ほんとだ…。子供、映ってるな」

 「…違う!違うよ!」

 そこに映ったものは私の記憶とは異なるものだった。

 子供たちは二人とも初めから後ろを向いていて、楽しそうににこにこしていた。

 私に向かって何か話しかけるように口を動かしている。

 画面を拡大し、よく口元を見てみると。


 ・・・いま・・行くね・・・


 ちょうど赤信号で止まる場面になったとき、画面に数秒ノイズが入った。

 元に戻った画面には私の記憶どおりの不快な表情を浮かべた子供たちが映り、そして消えた。

 しばしの沈黙の後、友人が口を開いた。

 「なあ、今行くって言ってたよな」

 「うん」

 「今、後ろにいるのかな…」

 二人とも恐怖ですぐに後ろを振り向くことが出来なかった。私はどうにか目線を動かし、ルームミラーで後部座席を確認した。そこに子供たちはいなかった。

 安心し友人に告げる。

 「後ろにはいないと思う…たぶん…」

 「よし、じゃあ、せーので後ろを見てみようぜ。…せーの」


 振り向いた先にはお菓子のゴミ、食べカス、ペットボトルが散乱していた。

 「おい…これ…」

 「うん…捨てるのめんどくさくて」


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