好き好き大好き
私は親友のノゾミを呪った。
だって、私のスギウラ君を奪おうとするから。
丑の刻参りの効果は意外にも早く訪れた。
ノゾミは交通事故に遭い、顔に大きな傷が残った。
でも、私の思惑通りには事が運ばなかった。
スギウラ君は優しいから。
落ち込むノゾミに寄り添うようになり、二人の距離が縮まってしまった。
私はもっと、もっとノゾミを呪った。
神社の裏の林の中で毎夜、藁人形に五寸釘を打ち付けた。
毎夜。毎夜。毎夜。毎夜。
何度も。何度も。何度も。何度も。
冷たい雨の日も、吹き荒ぶ風の日も。
満月の夜も。新月の夜も。
私は藁人形を打ち続けた。
でも、今度は一向に効果が表れなかった。
その頃には私の憎しみの対象はスギウラ君にも向いていた。
尚も私は二人を呪って毎夜、藁人形に五寸釘を打ち付けた。
カーン カーン カーン カッ カーン
カーン カッ カーン カッ カッ
カーン カーン カーン カッ カーン (ス)
カーン カッ カーン カッ カッ (キ)
カーン カーン カッ カーン カーン (ア)
カッ カーン (イ)
カーン カッ (タ)
カッ カーン (イ)
「ママが打ち付けるリズムが偶然モールス信号になっていて、音の出処を捜して逢いに来てくれたのが当時アマチュア無線部だったパパよ」
「ふぅん」




