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第4話「魔法」

はじめまして「D-NEY」と申します♪


気ままに更新いたしますが、目に留めていただいた際はぜひ楽しんでいってください( 'ч' )!

「今日はもう遅いから寝ようか!」


夜はもう1時を回っていた。イオ兄の合図とともにベータとガンマは手慣れた様子で自分の布団を敷き始めた。

僕はというとどうも眠れる気がしなくて、一度頭の整理をするため夜風にあたりに外に出た。


改めてみてみると本当にどうなってるんだろう。

どうみてもおもちゃみたいなテントの中に、あれだけの広さの空間があるなんて、今日は本当に不思議なことばっかりだったなぁ。


「明日は朝早くから南の街コリトスへ向かうよ」


振り向くとそこにはイオ兄がいた。

僕のことを心配して見にきてくれたのだろう。


「無理に一緒に来なくてもいいんだよ。アルファにはアルファの居場所があるだろうし……、今の君が幸せならそれが1番だと思うんだ」


そういえばまだ返事をしていなかった。

急にいろんなことが起こって頭の整理ができていなかっただけで、答えは初めから決まっていたのかもしれない。


「イオ兄、僕嬉しいんです。LOSTERって周りから言われるようになって僕はずっと自分を隠して生きてきました。そういう意味では僕はずっと1人だった……、だから一緒に連れて行ってください。1人でも僕みたいなLOSTERを救いたい」


自分で言葉にすることで、改めて覚悟が決まった。

ただ、一つだけやり残していることがある。

僕はイオ兄に一つだけわがままを取り付けてテントの中に戻っていった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



翌日、コトコト、トントンと心地よくリズムを刻む音に包まれながら目覚めた。

ベータとイオ兄が朝ごはんを作っている傍らでガンマは不協和音を奏でるかのように独特ないびきをかいていた。


「おはよう、よく眠れたかい」


イオ兄が用意はバッチリといった感じで席に着くと、そこには立派な朝ごはんが並んでいた。

僕も早起きな方だけど、2人はもっと早起きしてるんだ……、明日から僕も手伝わないと。


とりあえず今日のところは、僕にできることといったらガンマを起こすことぐらいだろう。

華麗に起こして、みんなの役に立たないと……!

それにしてもすごい寝相だなぁ。イビキもピーゴーとうるさい。

ちょっと揺すったぐらいじゃあ起きないんじゃないかな……。


「あ、アルファだめだ!!」


その声が耳に届くときには、僕の体はすでに大きく吹き飛ばされていた。

華麗に起こすつもりが、見事な蹴りを顔面に食らってしまった。


ふぅ……。


まぁまぁ、こういう時もあるよね。

さて、気を取り直して大きな心で優しく起こしてあげようじゃないか。


って言うとでも思ったか!


「こんにゃろー!」


もう体を揺らすぐらいでは起きないことは分かったから、勢いつけて殴り飛ばすくらいしないと!


気づいた時にはガンマもすっかり起きていたが、お互いに青あざを顔に作りながらも無事、朝の戦いは終わりを告げた。


「まぁ、ガンマ君も起きたことだし、アルファ君の勝ちですね」


ベータはそう言いながら、ガンマの口にパンを突っ込んだ。

ガンマはモゴモゴと何か文句を言っているようだったが、何を言っているのか聞き取れなかった(おそらく俺は負けてねぇ!と言っていたのだろう)。


やっぱり楽しいなぁ。

久しぶりにこうして複数人で食卓を囲んでご飯を食べられたのが純粋に嬉しかった。

それにしても美味しい。ベータもイオ兄も実はシェフなんじゃないか?

なんて思っていると、いきなり拠点がカタカタと小さく揺れはじめ、その直後なにかが拠点にドーンと大きく衝突したような揺れが襲った。


地震か!?

咄嗟に机の下に隠れようとしたが、イオ兄を見ると「勘づかれちゃったか」とヘラヘラしながら長い白髪を後ろで束ねて準備運動を始めていた。

よくよく周りを見るとベータやガンマも慣れた様子でなにやら準備完了だといった感じだ。


「あれ?アルファくん何してるの?」

「何してるってなんですかこれ!こんな大きな地震初めてです、みんなも机の下に隠れないと!」


慌てているのは僕だけだった。

どう考えても異常事態なのに、どんどん揺れは強くなってきて正直怖くて泣き出しそうだった。

そんな時、ガンマがひょっこりと机の下を覗き込んでニヤニヤとこっちを見てきたのはちょっとムカついた。


「魔獣が襲ってるだけだよ、大丈夫。よく見ててごらん」


イオ兄がそう言って腕をスッと横に振ると、ビッという電子音のような音と共に急に景色が変わり、拠点の中にいたはずの僕らは外に放り出されていた。


何が起こってるんだ?


いやいや、それよりもなんだこいつは……

そこで目にしたのは今まで見たこともない生き物だった。

外見は犬に近いけどツノが生えていて、全長は2メートルほど大きく全体的に筋肉質な肉付き、鋭い3本の爪はかすっただけでも確実に致命傷を負いそうだ。


「これが、魔獣……?」


僕はすっかりその魔獣の禍々しい佇まいに腰が抜けてへなへなと座り込んでしまった。

そんな僕とは対照的に、3人は堂々と魔獣に相対していた。


「うーん、小物だね。誰かやりたい人いる?」


「私がやります」

「俺がやる」


イオ兄の呼びかけにベータとガンマの声が合わさった。

ムスッとするベータをよそに、ガンマは大きな声を上げながら魔獣に飛びかかっていった。


「先手必勝!『正義の鉄拳(ジャスティス・パンチ)』!」


……?なんだ?

魔獣に飛びかかっていくガンマの拳が、白い光を纏いながらキラキラと輝いるように見えた。

そのままガンマの拳は魔獣の頬を抉っていき、魔獣はその凄まじい衝撃に白い光と共にキラキラと飛び散ってしまった。


「なんだ、あの光……」


僕はすっかり目を奪われてしまっていた。

桁外れのパンチの威力に、今まで見たこともない、人間から放たれる光、目の前で巻き起こる不思議な現象にまだ少し寝ぼけているのかと頬をつねった。


そんな時、後ろからダダッダダッと何かが駆けてくるような音が聞こえた。

咄嗟に音の方向を振り返ったが、その時すでに目の前には無数の牙が並んでいた。


(もう一匹いたのか……!)


魔獣はガバッと口を開き僕の喉を目掛けて飛びかかっていた。

流石のガンマでもこの一瞬でここまでは飛んでこれない。

(終わった……)

そう思った時、一瞬自分の体があの日のように熱くなるのがわかった。


『泡の(バブル・ボックス)!』


声の主はベータだった。


(あれ……?死んでない……?)


そう気がついた時には体の熱はスーッと引いていた。

僕ははそっと目を開けると、魔獣は大きな泡に包まれて身動きが取れないままフワフワと浮いていた。


「ちょっとガンマ君!一匹取り逃がしてますよ!」

「わりぃわりぃ、お前の手柄もとっとかねぇと思ってな」

「もうっ……」


ベータはため息を漏らしながら『粉砕(クラッシュ)』と呟き、指を鳴らした。

その合図と共に魔獣を包む泡はギュルギュルと縮まっていき、最後にパチンっと弾けて消えてしまった。


「あれ?アルファ、魔法を知らないのかい?」


思わずポカーンと口を開けてしまっていた僕に、イオ兄が慌てて駆け寄ってきた。

今なんて言いました?魔法?

今のが魔法?って魔法って現実に存在するの?


「そうか、魔法を知らないのか……」


イオ兄は少し悩んでから、何かを思いついた様子でポンっと手を打ち「まぁ今は知らなくても大丈夫だよ!」と言ってくるっと振り返った。

そのまま、またイオ兄が腕を横にスッっと振ると、あの小さなテントが出てきて、4人はそこで出発の準備をすることになった。


一通り準備が終わったところでイオ兄は次の旅について話を始めた。


「次の目的地はコリトス。至って普通の街だけど、最近遠くから来たっていうこどもがいるらしいんだ。LOSTERの可能性は十分高いと思っている。今回はそのこどもを迎え入れるのが目的だ」


こういう話は適当に流していそうなガンマが、1番真剣そうな顔をして聞いていたのは少し意外だった。


「あ、イオ兄、昨日の話なんだけど……」

「うん、そうだったね。コリトスに向かう前に行かないとね……、ヤマ爺の元へ」

【LOSTER-NEWS〜裏会話編】


◯イオータの心情


さてと、2人に魔獣退治を任せたのはいいものの・・・・・・


すごく心配だぁ・・・・・・


あわわわわ、大丈夫かなぁ


ほら!そこだ!いけっ!

ほらもうガンマ! 一匹取り逃がしてる!


アルファが危ないよ!

みちゃらんない、僕がやる!

っと〜、いいぞーベータ!

よかった〜


ダメだ・・・・・・

寿命が2年も縮まっちゃったよ・・・・・・


心配性がすぎるイオータであった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


読んでいただきありがとうございます!


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ブクマもお待ちしております(とても喜びます)!

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