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第3話「勧誘」

はじめまして「D-NEY」と申します♪


気ままに更新いたしますが、目に留めていただいた際はぜひ楽しんでいってください( 'ч' )!

嬉しいことがわかった!なんと僕たちは3人とも12歳らしい。通りで馬が合うわけだ。

さっき会ったばかりなのに、ずっと前から一緒にいたような、ほんの数時間で僕たちは友達になれた(と少なくとも僕は思っている)。

なんて思い浸っていると、ガンマが「ついたぞ」と突然言い出した。


……?


小さなテントがあった。

道中、俺たちの自慢の拠点に連れていってやると言っていたのはどこの誰だ?

友達のことを悪くは言いたくないが、これは自慢になるのだろうか?

どうみても1人以上は入れないようなテントは、まるでおもちゃなのかと勘違いするほどだった。


「まぁまぁ、アルファが考えてることは手にとるようにわかるが、とりあえず入ってみろって」


しばらく頭の周りでハテナを飛ばしていると、ガンマがわかるわかると頷きながら肩を叩いてきた。

どうやらガンマやベータもはじめてみた時は、僕と同じような感じだったようだ。


半信半疑で小さなテントの小さな扉を開け、身を小さく折り畳んで中に入った。


…………!!

驚いた。

目の前に広がる空間はさっきのテントの小ささからは想像できないくらい大きく、普通の家くらいの大きさくらいは余裕であった。

どういう仕組み……?とさらにハテナを多く散らすことにはなったが、ベータが「とにかく座って」というので言われるがままに座ることにした。


「ここが私たちの拠点よ!」


ベータはどうぞごらんなさいと言わんばかりに手を広げ、自慢の拠点を見せつけてきた。

全体的に木目調で、ハンモックがあったり暖炉があったりなんだか心をワクワクさせた。

そして何よりこのソファ、体が溶けそうなほど気持ちよく身を包んでくれる。

ベータやガンマも同じようなソファに腰掛け、ダラーンとくつろいでいた。


そんなソファの柔らかさに、今日初めて心が休まった気がした。

改めて今日のことを振り返るってみると思わず涙が溢れでてベータやガンマはそれに気づいたのかあたふたしていた。

そんな2人を見て思わず吹き出す、泣きながら笑って、思い出してまた泣いて、いつしか疲れてそのまま眠ってしまっていた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ただいま」


その声で僕は目覚めた。

誰だろう……?他にもこの拠点に住んでる人がいたのだろうか?

ベータとガンマはその声に反応して起き上がり、さっきの声の主と親しげに会話をしている。


とにかく僕も起きあがろう。

僕より少し歳が上に見えるその人は、僕と同じような白髪で、綺麗な長い髪をしていた。

一瞬女の人かと思ったが、声からすると男の人らしい。


何を話しているんだろう?

……あれ、こっちをみた?

と思ったらハッとした顔で驚いてる。

え?なんか真顔でズンズン近づいてきた!?


何この人、怖い……!

なんで真顔で近づいてくるんだ。

たしかにこの拠点の家主のような人だとしたら勝手に入り込んでごめんなさい……!!

でも僕はベータやガンマの友達なんです、2人に事情は聞いてください……!

なんて必死に考えていると、その男は急に上の服を脱ぎ出し、パッと両の手を開いて僕に体を見せつけてきた。


さすがにこの行動は理解できず、僕はそっと悟りを開いたかのように穏やかな顔で目を閉じることにした。


「いやいや、どうしてこの状況で目を瞑るの?」


いやいや、どうしてこの状況でマジマジと体を見せつけてくるの?女の子のベータもいるのに、この人は変態なのだろうか?

そう思いながらも、このままではおそらく時は過ぎていかないだろうと観念し、薄い目で男の体を見た。


……!!

その男の胸の上あたりに自分やガンマと同じようなアザがあった。

ガンマもそうだったがどうしてアザを堂々と人に見せつけられるのだろう?

僕は今まで誰にもみられたくなくて、必死に隠していたのに。


「驚いてるね、僕はLOSTERだよ。みんなからはお兄さんって呼ばれてるんだ! 君もLOSTERなんだってね?」


明るい人だ。率直にそう思った。

LOSTERってことをこうも明言できるなんて、僕にはできっこないだろうなぁ。

でもよかった、声の感じからして歓迎ムードだ。

僕との距離を縮めようとしてくれているように感じた。


「今日は大変だったみたいだね、よかったら何があったか聞かせてくれるかな?」


僕は今日起こったことを話すことにした。

さっき十分泣いたはずなのに、時折涙混じりの声になってしまって上手く話せなかったと思う。

それでもお兄さんはうんうんと頷きながら静かに話を聞いてくれて、話し終えた時は、しばらくは黙ってただ下を向いているだけだった。


気まずくなってしまった……。

話題を変えないとと頭をフル回転させて、とっさに話しだそうとしたが、男が「おぅ、おぅっ」と言い震えだしたのでとっさに言葉を飲み込んだ。


「おぅ、おうっ……、とてもいい子じゃないか! 2人ともどうおもう? この子めっちゃいい子じゃないかい!?」


男は滝のような涙を流しながらガバッと勢いよく立つと、ベータとガンマに迫りガンガンと2人の肩を揺らした。

2人は扇風機に当てたような声で「そうだね〜〜」と言いながら僕に向かって親指を立てた。


その親指に「助けて……」という2人の叫びをたしかに感じた僕は、お兄さんの肩を掴み、必死に動きを押さえようとした。

しばらくお兄さんの暴走は続いたが、ガンマの蹴りで正気に戻り、ハッっと我に帰って、また話し始めた。


「アルファ君がいい子すぎて、つい我を見失っていたよ。さぁ、話は変わるけど君は今1人で暮らしているのかい?」

「そうですけど……」

「だったら僕たちRe:roadの一員にならないかい?」

「りろーど?」

「そう、アルファ君がさっき話してくれたみたいに、僕たちも似たような辛い過去を経験している。2人や僕だってそう。だからそんなLOSTERの拠り所となれる場所を作ったんだ」

「それがRe:road……?」

「そう、僕たちは君を歓迎するよ」


お兄さんの目は真っ直ぐだった。

しばらく沈黙を続ける僕に「まぁすぐに答えを出さなくてもいいんだよ」と優しく笑ってくれた。

本当はすぐにでも入りたいって言えればいいんだけど。


(LOSTERだ、殺してしまえ!)


頭の中にこびりついたあのセリフがなかなか消えてくれない。

今回のは相当響いたんだろう。


「ところでアルファ君、君はLOSTERについてどこまで知ってるんだい?」


お兄さんはすぐに話題を変えてきた。

LOSTERについて知っていることといえば、体のどこかに特徴的なアザを持ってることか、あとはLOSTERは差別を受けるということぐらいだ。

あとはベータが言っていた通称というのが気になっているぐらいだけど。


「そういえば、ベータが言ってた名前がないってなんなんでしょう? 僕は昔からアルファと呼ばれていたから分からなくって……」

「ん? ベータって誰のことだい?」

「ふっふっふっ……。何を隠そうそれは私のことです! アルファはアルファでしょ? だから私はベータ、ちなみに彼はガンマ君になりました!」


満を辞して会話に入ってきたベータが得意げに語った。

そんな言い方で伝わるのか?と思いながらお兄さんの方をチラッと見るとお兄さんは固まっていた。

やっぱり……。そんな簡単に名前をつけていいなんて、お兄さんなら思わないんだろうなぁ。


「いいなああああああ!なになにそのエピソード!感動的だねぇ!…………じゃあ私はイオータと名乗ろうかな!うん、決まりだ!かっこいいからそれで呼んでくれ!」


もうツッコむのもやめよう。

こうしてお兄さんにも新たにイオータという名前(通称)が与えられた。

これからはイオ兄とでも呼ぼう。


「また話が逸れちゃったね。そう、私たちLOSTERには大きく3つの共通点がある。1つ目は体のどこかに特徴的なアザを持つこと、2つ目はLOSTERとして生を受けた瞬間に両親を失っていること、そして故に名前がないことだ」


親がいないから名前がない……。

そういうことか、たしかに僕には実の親はいない。

ヤマ爺も僕の両親については知らないと言っていたっけ。

だけど僕にはヤマ爺がいたし、そのヤマ爺がつけてくれた名前だったらそれが僕の名前だ。やっぱり通称なんかじゃない。


「たしかに親はいません。でも、僕の名前はアルファです。育ての親がつけてくれたんだ、通称なんかじゃないです」

「ごめんね、アルファ君。だけど君のそのアルファというものはどう考えても通称なんだ」

「どうしてそんなことが言えるんですか?」

「LOSTERには名前をつけてはいけないというルールがあるからさ。原理はわからないけど、意味を持つ名前を与えられたLOSTERは死ぬ。だからある種、記号のような通称が与えられるんだ」


衝撃が走った。そしてますますLOSTERが、自分がなんなのかわからなくなった。

名前が与えられると死ぬ?どこまで信じていいものか迷ったけど、それを話すイオ兄の目は嘘をついているようには見えなかった。


「どうしてその育ての親って人がこのルールを知っていたかはわからないけど、君が愛されていたことに嘘はないと思うよ」


その一言がとても胸に刺さった。

通称っていう響きにムキになってしまうのはヤマ爺が否定されていると思ったから。

だけどイオ兄の言うとおり、なにもヤマ爺のことを否定されたわけではないんだ。

それがわかっただけで少し心が軽くなった。


「まぁ僕たちもLOSTERについてはわからないことだらけなんだ。どういう仕組みでLOSTERが生まれるのか、なぜ僕たちが選ばれたのか」


イオ兄はすくっと立ち上がって「だからこそ……」とつづけた。


「こんな曰く付きの存在だ、差別されるのも仕方がないと思ってる。でもだからって僕たちLOSTERが幸せになっちゃいけない理由はないんだ。今、少しでも寂しい思いをしているLOSTER達を僕は救い出したい!」


イオ兄のその真っ直ぐな言葉に胸を打たれた。

この人なら信じてついていってもいいのかもしれない、そう思った瞬間だった。

【LOSTER-NEWS〜裏話編】


ベータとガンマに通称がつくまでの呼び名


○イオータ→ベータ

「キューティクルちゃん」:髪の毛がサラサラだったから


◯イオータ→ガンマ

「強面くん」:怖い顔をしていたから


○イオータ→アルファ(アルファを初めてみた時)

「マシュマロくん」:白い髪で可愛い見た目だったから


イオータは基本的に適当に名前をつけがちなのでベータとガンマからは名前を呼ばれる事を嫌がられていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


読んでいただきありがとうございます!


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ブクマもお待ちしております(とても喜びます)!

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