第7話 番外編ー2人の距離ー
ミランダ達は、ピクニックからの帰り道を歩いていた。
「今日すっごい楽しかった! ね! マスター!」
ミランダはライデンに微笑んだ。
「……ああ」
「私……この世界に来れて本当によかった……」
その言葉に、ライデンはミランダをじっと見つめた。
「……帰りたいとは思わないのか」
「……もう……忘れちゃった!」
ミランダは少し寂しそうな顔をした後、明るく笑った。
「……それでいい。お前がいないと困る」
ミランダはライデンの言葉に、泣き出してしまいそうになった。
(……マスターって、本当に私の欲しい言葉をくれる……)
ライデンはミランダの頭にぽんっと手を置き、少し撫でた。
それが嬉しかったミランダは、すぐに笑顔に戻った。
「ミランダとして! これからも頑張るね! ありがとう! マスター!」
「……ああ」
「そういえば、どうしてミランダって名前にしたの?」
「……父のランダという名と、母のミルの名からだ」
「マスターのお父さんってランダって名前だったんだ! だからミランダなんだね!」
「……お前は少し父に似ているところがある」
「そうなんだ??」
(お父さんとお母さんの名前を組み合わせた名前……家族みたいで嬉しいなぁ……)
「この名前、もっと好きになっちゃった!」
「……そうか」
嬉しそうなミランダを見て、ライデンは少し微笑んだ。
(マスター、その顔は反則だよ!! こんなの見たらみんな好きになっちゃうじゃん……!)
「……マスターは……その……昔、恋人とかいたの……?」
「なんだなんだぁ?? 甘酸っぺぇなぁ!」
「なになにぃ〜?? 面白そうな話してるじゃない〜♡」
ぞろぞろと後ろを歩いていたガドーとローザが、会話に入ってきた。
「何よ! ガドーは恋人いたことあるの!?」
ミランダがそう言うと、ガドーはずーんと落ち込んだ。
その横でローザがくすくすと笑っている。
「ガドーはね、いたのよ〜♡ でもね、禿げちゃったら振られちゃったのよねぇ♡」
ローザは笑いながら答えた。
「えええ! いたんだ!? ていうか髪あったの!?」
「お前らなぁ……デリカシーってもんがあるだろうが!!」
ガドーが怒り出した。
「……くだらん」
ライデンがため息をつくと、ガドーはまたしゅんとしていた。
「あらあら♡」
ローザはガドーをからかうのが楽しくなっていた。
「そういうお前らはいたことないだろ!! ライデンは女が怖がっちまって寄っても来ねぇ! ローザはその喋り方のせいで男好きだと思われてて、女が来ねぇんだからな!!」
ライデンとローザは、しょうもないとでも言いたげな呆れた目でガドーを見つめていた。
(……そうなの!? 待って、私がマスターの恋人になったら初めての恋人になるってこと……!? こんな嬉しいことある……!? 後はマスターを振り向かせるだけ……!!)
ミランダはドキドキしながら、ライデンをちらっと見た。
「あたしもライデンも、そういうのに興味がなかったのよねぇ♡ ねぇ? ライデン?」
「……ああ」
ライデンは終始呆れていた。
「……い、今は!?」
ミランダが聞くと、ローザはキョトンとした後、笑顔で言った。
「あるわよねぇ?♡ ねぇ? ライデン?」
「………」
ライデンが黙っているのを見ると、ローザはミランダにニコニコと微笑んだ。
(ローザ……ありがとう……)
「たまにはこういう話も楽しくていいわよねぇ♡」
「俺ぁ、もう懲り懲りだぜ……」
楽しそうに会話をしていると、あっという間にギルドに着いていた。




