第6話 番外編ー2人の距離ー
激励会が行われている中、ミランダはそわそわとしていた。
(シアンったら……! アタックするって言ってたのに、メロメロになっちゃってる……)
ミランダは遠くからシアン達を見ていた。
(よし! 私もマスターをドキッとさせちゃうんだからね!!)
ミランダは気合を入れて、ライデンの近くへ座った。
「マスター? 呑んでますか?」
「……ああ」
(酔ったら色気が自然と出るってシアンが言ってたから、ガッツリ呑んじゃうんだから! いっぱい呑めば呑むほど効果が出るかもしれない……よし!)
ミランダはたっぷり入った酒を、ゴクゴクと呑み始めた。
「……おい……」
心配そうにライデンがミランダを見ていた。
全て飲み干すと、すっかり酔いが回ったミランダは頬を赤くしていた。
「マスター……」
ミランダはライデンを呼ぶと、その腕にぎゅっとしがみついた。
そのまま身体を寄せるミランダに、ライデンは少し動揺していた。
「…………」
「マスター……あの……」
ミランダが何か言い出そうとすると、ライデンが立ち上がり、ひょいっとミランダを抱き上げてその場を後にした。
ライデンが向かった先は、自分の部屋だった。
ライデンはミランダをベッドへ座らせると、その前に膝をつき、じっとミランダを見つめた。
(……あれ? マスター、ちょっと怒ってる……?)
「……他のやつが見たらどうする」
「え……?」
「……何をさせるか、わからないのか?」
「えっと……わからない……」
ミランダがそう言うと、ライデンはしばらく黙って見つめていた。
そして、その肩をそっと押してベッドへ寝かせる。
(……マスターの顔が近い……かっこいい……もしかしてキスされるのかも……)
ミランダはそっと目を瞑った。
それを見たライデンは少し呆れながら、ミランダの髪をぐしゃぐしゃと撫でた。
「……寝ろ」
そう言うと、ライデンは部屋を出ていこうとする。
「え!? マスター! 待って!!」
「……何だ」
「……うぅ……」
色気が通用しなかったことに、ミランダは泣き出してしまった。
ライデンはミランダの近くに寄ると、その涙をそっと拭った。
「私は……! マスターに……!」
泣きながら何かを伝えようとするが、うまく言葉にできなかった。
「……他の誰にもその姿を見せるな」
「…………」
その言葉にミランダの思考が止まると同時に、涙は自然と止まった。
(……それって……)
「……そこで大人しくしていろ」
ライデンが部屋を出ていくと、ミランダは恥ずかしくなったのか、ドキドキしながらしばらくベッドの上でもがいていた。
「あら?♡ もう戻ってきたの?♡」
ライデンが激励会に戻ると、ニヤニヤしたローザがライデンを見ていた。
「……」
ライデンはローザを睨んでいた。
「可愛いわねぇ♡」
「……黙れ」
「あなたが悪いのよ〜??♡」
ライデンは眉をひそめながら、酒を一口呑んだ。




