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受付嬢のうたた寝  作者: 雲丹猫
第1期
19/33

S.epー友達の女性冒険者ー

「ねぇ、ミランダ。仕事はいつ終わるの?」


この女性冒険者はミランダの友達であり、黒鉄の髭のパーティーで聖職者をしているシアンだ。


「あともう少しだよ!」


「終わったら銭湯行かない?」


「行こ! シアンは初めてだよね!」


「ええ、だから楽しみなの」


そう言うと、ミランダはバタバタと急いで支度をしはじめた。


そして二人は銭湯へ向かった。


ガラガラ……とドアを開ける。


「あら♡ いらっしゃい♡」


ローザがニコニコとしている。


「ローザだよ! 綺麗でしょ!」


ミランダがふふん! と、どこか誇らしげだ。


「綺麗ってあなたねぇ。褒めても何も出ないわよぉ♡」


少し呆れたようにローザが返した。


「なんでミランダが誇らしげなの……。初めまして、ローザさん。友達のシアンです。ミランダが迷惑かけてないですか?」


「ええっ!」


ミランダは驚いてシアンの顔を見た。


「大丈夫よ♡ 噂は聞いてるわ♡ ゆっくりしていってね〜♡」


それから二人は風呂場へ向かい、身体を洗って湯船に浸かっていた。


「はぁぁ〜……生き返るわぁ〜……」


「気持ちいいよね!」


「ここに留まりたいくらいいいわね……」


久しぶりのお風呂に、シアンはじんわりと癒やされていた。


「大変だね。だって数ヶ月も気を張っていなきゃだもんね」


「そうよ〜。リーダーは道に迷うし、罠には引っかかるし……でも、ああ見えてボスが出た時は頼りになるんだけどね」


「黒鉄の髭のリーダーってお茶目だよね!」


(ほっとけない所があなたにそっくりだわ……私ったら、そういうのに弱いのかしら?)


母性が強いシアンであった。


「そういえば、ミランダ。最近どうなのかしら?」


シアンがニヤッとした顔でミランダを見ると、ミランダはドキッとした。


「えっと……まだ……」


ミランダはもじもじとしている。


「もっとがっついているのかと思ったけど、そうではないのねぇ」


「だって! だって! なんか……マスターは私のこと、妹って感じで見てる気がするんだもん……」


「あら、ミランダにはそう見えてるのね?」


コクコクとミランダが頷く。


(どう見ても両想いに見えるんだけど……)


「キス……してみたら?」


「えっ!!? 出来るわけないでしょ!!」


ミランダは顔を真っ赤にして、湯船をバシャバシャと叩いた。


「ちょっと! かかるじゃない!」


慌てふためくミランダを見て、シアンは楽しそうだ。


「シアンはどうなの? 銀の爪のリーダー」


「ふふっ。なかなか会えないから、数日後に帰ってくるって聞いてテンション上がったわよ〜!」


シアンはキラキラと目を輝かせていた。


「シアンってどっしりした人が好きそうなのに、意外だよね」


「危ない香りに惹かれるものなのよ」


(銀の爪のリーダーはチャラいし、リーダー同士があんまり仲良くないんだよね……)


ミランダはシアンを不思議そうな目で見つめていた。


「話せる機会が少ないから、激励会でガッツリアタックしてみようかしら!」


「いいなぁ……シアンは色気があるからイチコロでしょ」


「色気の出し方、教えてあげよっか?」


ニヤニヤしながら、シアンがミランダに耳打ちをした。


「よし! これならいけるかも!!」


ミランダが大きな声を上げながら、勢いよく湯船から立ち上がった。


どうやらシアンに教えてもらったことを、実践するつもりらしい。


「シアン、ありがとう! 私頑張るね!」


「また感想聞かせてね?」


二人が楽しそうに雑談している頃――


銭湯の受付では、魔法を通して聞こえてくる二人の会話に、ローザがニコニコとしていた。


(楽しそうね……♡)

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