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受付嬢のうたた寝  作者: 雲丹猫
第1期
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第5話 番外編ー2人の距離ー

(最近よく騎士団長が来るなぁ。マスターの友達って言ってたから、仲がいいのかな? でもこの間初めて会った時、マスター嫌そうな顔してたけど……)


コンコン……とミランダはライデンの部屋をノックした。


「……入れ」


「マスター! 手紙たくさん届いてるよ〜!」


はぁ……とライデンは少しため息をついた。


「最近、忙しくなってきたね」


「……ああ」


悩んでいるライデンを見るのも、ミランダは好きなようだ。


「そういえば、騎士団長とはいつから友達なの?」


「……冒険者時代からだ」


「でも、一緒に冒険してないんだよね?」


「……何かと会う機会があったんだ」


(マスターって慕われてる人はたくさんいるだろうけど、友達は少なそうだよね……ふふっ)


ミランダはそんなライデンを微笑ましく思った。


「……気になるのか」


「え? 騎士団長のこと?」


「……顔はいい」


「まぁ、確かに? 国の中ではかっこいい方かも」


ミランダはグレイの顔を思い浮かべていた。


それを見たライデンは、少し嫌そうな顔をした。


「でも、私はタイプじゃないかな! マスターの方が100倍? いや1000倍! かっこいいと思う」


ミランダは誇らしげな顔をしている。


「……馬鹿だな」


ライデンは少し照れていたように見えた。


「あれだけかっこいいと、騎士団長モテそうですよね」


「……昔からそうだ」


(やっぱり?)


ミランダは妙に納得していた。


「騎士団長って結婚してるの?」


「……いや。女は苦手だそうだ」


「女の人が? ……あ! わかった。地位やお金目当てってことね」


「……ああ」


ミランダは事情を察して、納得したように頷いた。


(……ちょっと待って。もしかしてマスターも縁談とか来てるんじゃ……)


「マスターも縁談とか来てるの!?」


ミランダはライデンの机にバーンと両手をついた。


「……そういう類の誘いは断っている」


ミランダは少しほっとした。


(でも、ちょっと待って……マスターが断っているにしろ、マスターを好きな人がいるってことだよね!? 嬉しいような嫌なような……ぐぬぬ……)


ミランダの表情が明るくなったり、暗くなったりしていた。


「……何だ」


慌てふためくミランダを、ライデンは不思議そうに見ていた。


「マスター……」


ミランダは何か言おうとしたが、言葉に詰まった。


コンコン……とノックしたあと、すぐにドアが開いた。


「ミランダ? 下でガドーが呼んでいたわよ?」


ニコニコとしたローザだった。


「あ! すぐ行く!」


ミランダはライデンの部屋を出ていった。


「……何だ」


ライデンはローザを見る。


「よくない噂が流れているわ」


ライデンは何となく察していたようだ。


「グレイが最近、あの子に会いに来てるでしょ? グレイが女性に興味を持ったって噂になってるわ」


「……だから何だ」


ライデンは少しムッとしている。


「グレイのことが好きな女性達がねぇ? あの子のこと、よく思ってないみたいなのよ」


グレイが初めて興味を持った女性――。


それだけで、ミランダは一部の女性達から妬まれているようだ。


「……こまめにギルドに顔を出せ」


「そうするわ♡ でもね〜、あなたがもっと進展してくれると助かるけど♡」


ローザはライデンを少しだけ煽るように言った。


「……あいつを尊重する」


(そんなこと言ってると、足元すくわれるわよ……なんてね)


ローザは、ふふっと笑っていた。

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