S.epー活発な女性冒険者ー
「しゃあ! 帰るか!!」
珍しいモンスターを仕留めたのは、ニャオーン国の活発な女性冒険者、アルマンだ。
「これは美味いんだ! ミランダ喜ぶぞ!」
倒したモンスターを抱え、嬉しそうに言った。
時は少し遡る――
冒険者ギルドの受付で、アルマンとミランダが話していた。
「なぁ、ミランダ。お前、細くないか? ちゃんと食べているのか?」
アルマンはミランダに聞いた。
「ガドーが作ってくれるご飯は美味しいし、いっぱい食べているとは思うけど……」
それを聞いたアルマンがハッとした。
「わかったぞ! 外の美味い食べ物を知らねぇんだ! あたしが取ってきてやるよ!!」
どうやらアルマンは、美味しいものに詳しいらしい……。
それからアルマンは長期の依頼を受け、珍しいモンスターを狩ってきていた。
「今回は超特大サイズだ!!」
かなり大きなモンスターを、今回は持ち帰るそうだ。
その頃、ギルドでは――
「あ、そろそろ帰ってくるかな? アルマン」
ミランダがボソッと呟いた。
それを聞いたノラ達がザワザワしだした。
「おい、アルマンが帰ってくるって!!」
「今日は当たりだ! もう依頼は明日だ!」
「今、依頼に行ったノラを呼び戻せ!」
チリンチリン……バーン!
大きくギルドのドアが開いた。
「よーう! ミランダ! 帰ったぞ!!」
「アルマン! おかえり!」
ミランダは嬉しそうだ。
「今回は大物だぜ!」
アルマンは誇らしそうにしている。
「じゃあ今日はパーティね! 私とガドーが最高なご飯作ったげる!」
ミランダは楽しそうだ。
「準備ができるまで、あたしは酒を買ってくるよ!」
そう言い、アルマンは酒屋へ向かおうとしたが、ノラに手を掴まれた。
「姐さん、その心配はいらねぇ。俺達が持ってくるから、銭湯でも行って休んでこい」
ノラ達がコクコクと頷いている。
(俺達はこの日のために酒を買い込んで、家にストックしてんだ……)
(姐さんにこれ以上の働きはない。ゆっくり休んでくれ……)
(ミランダさんの手料理……この日をどれほど待ち望んでいたか……!)
「そ……そうか?」
アルマンがポカンとしている。
「お前達……ほんと良い奴らだな!!」
アルマンはそう言って、銭湯へ向かった。
チリンチリン……バーン!
またギルドのドアが大きく開いた。
「はぁ……はぁ……間に合った……か!?」
どうやら依頼に行きかけていたノラが、走って帰ってきたようだ。
「お前は運がいい……」
「数日依頼に行ったノラもいるからな……」
ノラ達は遠い目をしながら、そっと手を合わせている。
そして、みんなが集まった頃。
ギルドには大量の酒と、ミランダとガドーの手料理が並べられていった。
ノラ達がヨダレを垂らしながら、手料理をキラキラした目で眺めている。
「みんな! 食べよー!」
ミランダがノラ達に声をかけた。
「「「かんぱーーーい!!」」」
みんなが酒を片手に乾杯した。
「いっぱい食えよー!」
ガドーがニコニコしながら、追加のご飯を持ってきていた。
「ん! 美味しい……!!」
ミランダがパクッとアルマンの取ってきたものを食べた。
「だろ?? 今回はラッキーだったぜ! なかなか現れないモンスターだからな!」
ニッとアルマンが笑った。
「うん! こうやってアルマンが帰ってくる日はパーティしてるの、私とっても楽しい!」
ミランダが周りのノラ達を見回して言った。
「また取ってきてやるからよ! いっぱい食えよ!」
嬉しそうなアルマンを、ミランダは優しく見つめていた。
アルマンが帰ってくる日は、毎度ノラパーティが行われる。
そして参加できなかったノラは、それはもう悔しそうだ。
チリンチリン……。
ギルドのドアが開いた。
「あれ……もしかして……昨日アルマン帰ってきてた!?」
参加できなかったノラだ。
ギルドにいたノラ達は、哀れみの顔でそのノラを見つめていた――。
「うぁぁぁぁ!!」
ノラは泣き叫んでいた。




