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第73話 それは誤奉仕だっ!!

「危うい…質問でしょうか?」


進行役のカスターにより危ういという言葉を聞かされ、怪訝そうな顔つきで問ひ返すニースにカスターは恐る恐る言葉を続けていく


「はい…ニースさんが守様付きのメイドということで、主にニースさんには主に守様に関する質問が多々きていまして…」


「そうですよねー…本業に関することもこういう機会でないとなかなか聞けないことかと思います。あまり大々的なことはもちろんお答えできないかもしれませんが、せっかくの機会ですので私にきた質問を聞いてみましょう」


「それでは、ここらの質問が繋がりそうですので、続けて聞いてみたいと思います。…"普段大魔法剣士様の周りではどういったことをしているのでしょうか?"」


「守さんの家事能力がお子様レベルですので、主に炊事、洗濯、掃除など家庭的な部分でお世話をさせていただいております。これに関しては守様にやらせようものなら悲惨なことになりますので…」


「当にメイドの基本的なということでしょうね。私も旅時代、洗濯一つできない守の姿には驚かされたわ」


「…俺の家事レベルが公開処刑されているよ。当時でいえば、高校男児なんだから家事できない男子の方が多い筈なんだけどな…」


「"大魔法剣士様付きでこれまでにこれは辛かったという事はありますか?"」


「守さんのお世話でという意味ではありませんし、これからもないと断言できます。私から望んでしていることですので、寧ろ側に置いてくれることには感謝しかありません。ただ、そうですね…強いていえば、私の知らないところで守さんが危険にあっていると辛く感じてしまいます。家事以外では私はお支えすることはできませんので…」


「では、今の回答に少し絡みますが、"聖騎士団のパーティに入り、共に旅をしていたらというイフを考えたことはありますか?"」


「勿論考えたことはあります。剣の腕を磨いていれば、ジャンヌさんの代わりに相方が務めていたのではとかそれに限らず、戦闘で役に立つ術を磨いておけばよかったと昔はよく思っていました。そうすれば辛い思いをさせることも…」


「これ以上の深掘りは、別の意味で危なそうですので、路線を戻しまして、"一日の活動時間は?"」


「守さんのおはようからおやすみまでです。これは私に限らず、どの従者さんでも共通して言えることかと思いますが、主人の許可なく先に寝たり、遅く起きたりすることはありえません」


「従順ですね。"英雄のお付きになると休みとかはないのでしょうか?"」


「守さんからそういった話を頂くことはありますが、守さんの側にいないのに休みなど頂いても意味がありませんので、守さんの側にいることを優先したいために断っています」


「なんだか小っ恥ずかしいな…。ニースもよくどうどうと答えるもんだ」


ここまでの質問に対する回答を淡々としているニースの様子に守は恥ずかしそうに見つめる

しかし、そんなことを上回るようなえぐい質問がくる


「"夜のご奉仕はどういったことをするのですか?"」


「残念なことにそちらの方はまだありません…。いつかはと勿論思っているのですが」


「それは誤奉仕だっ!!」


耐えきれない守は思わず大声でツッコミを入れるのだった

し〜んとした空気の中で数カ所からはホッとした息が溢れるのであった


「あ…え〜と…では、次の質問ですが…"青髪のメイドさんの仕草がすごくキュンキュンします。お付き合いできる可能性はありますか?"」


「この私にも匿名ではありますが、このような話題があるのですね。私はあの時より守さん一筋ですので、大変申し訳ありませんが、他のメイドに萌えてください」


「どこかで崩れ落ちる音が聞こえたような気がしましたが、見ないことにしまして…次で最後になります。"ライバルは色んな方面で強いようですが、それでも主を支え続けるのでしょうか?"」


「確かに出会った当初に比べれば、手も足もでない恋敵(ライバル)が増えました。ですが、この先何があろうとも私は守さんをお支えしていきます。例え報われなくても。これは初めて出会った時に助けてくださった事への恩返しでもありますし、何よりも私の信念です」


「…ニース=ルルーナさんの質問は終了になります。ありがとうございました」


降段し、戻ってくるニースを見ながら守はこれからのことをアディリシアに問いかける


「…あと何人やるのかわからないが、これ相当きついんじゃないか?何より聞いている俺も色々思うことがある」


「私もお兄様から詳しくは伺っていかなったのですが、匿名を盾に攻めたことを聞かれるようですね」


「はぁ〜…胃痛がひどくなってきた」


守の胃痛が酷くなってきたのと同時に進行役は次の回答者の名を読み上げる


「…大者が続きますが、お次はオリビア家次期当主であるエリカ=オリビアさん。お願いいたします」


「当然くるのではと思っていましたが、ニースさんのを見ると嫌な予感がぷんぷんしますわ」


「ま、虚偽を言わなきゃいいわけだし、濁せる部分は濁していくしかない」


「そうしますわ…」


名前を呼ばれたエリカは苦々しい顔をしながら登壇する


「改めて紹介する必要もないかと思いますが、ここ最近大魔法剣士の加護を受けたと話題のアストン皇国三大貴族序列二位のオリビア家次期当主であり、前回イベントでは、四大精霊のうちのシルフィードと契約していることが判明した将来有望なエリカさんですが、エリカさん宛てにも多数の質問が来ています」


「お手柔らかにお願いいたしますわ」


「まずはこちらから"オリビア家次期当主に決まった時に思ったことは?"」


「そうですわね…一番は不安でした。オリビア家は元々先の大戦で亡くなった兄が継ぐことが決まっていましたが、それが叶わなくなり私が選ばれました。決定した当初は序列三位ながらもお家は廃っていくだけでしたので…。ですが、ありがたいことに我がお家にも英雄がお救いの手を差し伸べて頂けたことでこうしてやっていけていますわ」


「ま、その英雄が正体バレするきっかけを作ったと言っても過言ではないんだけどね♪誰とは言わないけれど、あの時の大魔法剣士様はエリカちゃんにとってさぞかっこよく見えたでしょうね」


「後世まで語り継いでいくつもりですわ」


「大魔法剣士言うなよ、アナト姉…」


「"体育祭で使っていた芭蕉扇ですが、あれはどういった魔法具(マジックアイテム)なのですか?"」


「詳しいことは、勿論話すことはできないのですが、風を制御するのに必須な魔法具ですわ。尤も体育祭の時に守様がそれを説明していたと思いますが。あの芭蕉扇は、まだまだ未熟な私がフィーちゃんを保つために必要な魔法具になりますわ」


「補足説明をするとアストン皇国を支えるお家には、初代国王からそのお家に伝わる魔法具が渡されているの。どのお家に渡っている魔法具にも共通して言えるのだけれど、基本的には各お家が司る属性の魔法強化、魔法制御力などを高める効果があるのよ」


「なるほど…すみませんが、ここでアナト様にお聞きしたいのですが、仮にその魔法具がなくなるようなことがあればどうなるのでしょうか?」


「壊れたりした場合は、お家の権威が低くなってしまうのだけれど、魔法具が壊れるなんてことは殆どないことだわ。尤も壊れたとしても色々と上手くやっているオリビア家の権威が下がることは今後ないでしょうけど。次に紛失した場合なのだけど、私は該当者ではないから詳しくはわからないのだけど、お家に伝わる魔法具はそれが持ち主を選ぶと聞いたことがあるわ。だから例えば盗まれて、盗人が使おうなんてことをしても扱えない筈だわ。実際のところどうなのエリカちゃん?」


「はい、アナト様の言う通りかと思いますわ。兄が大戦時に芭蕉扇を使っていたのですが、芭蕉扇がお家に戻ってきた際に、芭蕉扇から声が聞こえたような気がしたのです。それ以降扱うことができるようになったと言った感じですわ。ですので、代々伝わるこういった魔法具には意志が宿るのではないかと思っていますわ」


「とても勉強になるお話でした。それでは、先ほどから端々で話にでているオリビア家と大魔法剣士様のつながりについての質問にいきたいと思います」


「…俺の胃痛が酷くなりそうな予感」


エリカの名を呼ばれた際にニースの件から嫌な予感はしていた守は、堂々と自身が絡む質問が今から行われることに胃がキリキリしていくのであった

前回今回でお気付きの方もいるかもしれませんが、この質問会では、登壇者の話を多くする関係上、(話の中では搭乗率が高いですが)守が空気になりがちです。途中からエリカに移行しましたが、この後も各ヒロインの話が続いていくため、ヒロインを少し掘り下げていく感じで受け止めていただければと思います。

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