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第37話 変態ちっくなマスクなんて被って

不穏なイベントの開催予定を告げられた次の休みの日、エリカのMVP権利の実行日が訪れる

ジャンヌ&ジル、アディリシアの時とは違い、男子学生寮まで迎えが来るという守にとっては時間に余裕があるパターンなため、少し気が緩んでいるのであった

そんな緩みきった守を起こすべく、同居人のニースは声をかける


「…守さん、さすがに起きないとエリカさんのお迎えが来ますよ?」


「…」


他の女とイチャイチャする日とわかっているために少し乱暴目に主人に声をかけるも肝心の主人は目を冷ます様子はなく、これは逆にチャンスと踏んだメイドは少しの役得を求め行動に移ろうとする


「(起きる様子がないですねー。これはまたとない不意打ちのチャンスです!!)起きない守さんが悪いんですからねー」


主人が起きないのを確認したメイドはその主人の口元へ顔を近づけていく


「あのぉー…起きない私めが悪いのかもしれませんが、さすがにそこまで近づかれると気づきますよ、ニースさん?」


「(チッ)お、起きたのでしたらいいんです!!もうじきエリカさんの迎えがいらっしゃるお時間です。すぐに着替えて下さい!!」


「心の舌打ちが聞こえてくるようだ…」


「何か?」


「い、いえ、すぐに着替えます!!」


「もう少しメイドとも戯れてくださってもいいのに…」


「ん?何か言ったか?」


「なんでもありません!!」


ニースに準備を急かされる守は、これ以上変に会話をして火に油を注がぬように迅速に身支度を進めていく

準備を整え迎えを出迎えるために外へ出ると、そこには既にエリカがニコニコしながら待ち構えていた

その様子に周りの男子は普段女子と縁のない男子寮に住んでいるために、寮の前に煌びやかな格好をした女子が一人いるだけで皆目を奪われるのであった

エリカは守が出てくるや否や形容しがたい優雅さで守の元へ歩み寄る


「…いつからお待ちで?」


「数刻程前くらいですわ」


「中まで来てくれてよかったんだぜ?」


「いえいえ、そ、そんなお部屋に伺うわけにはいきませんわ。こうして守様をお待ちするのもまた楽しみの一つでしたので、何も問題ありませんわ」


「つい最近にも似たような言葉を聞いたぞ…」


「それだけ守様が皆様から愛されているということですわ」


「そ、そうか…。言葉にされるとこっぱずかしいな」


「差し出がましかったですわね。で、では参りましょうか」


「ああ、よろしく頼む」


エリカと会話中も周りの男子の注目を浴び続ける状態に耐えきれない守は早々にこの場を立ち去ろうと足早にエリカを連れ去るのだった

寮を出てから少しして、守は一目見たときから気になっていた服装について尋ねる


「貴族たちの公服以外の姿を見たことがなかったが、それは私服なのか?」


「私服かと言われますと、普段滅多にこういった服は着ることはないので、何とも言いがたいのですが、兄が生前の頃はこの服装を気に入ってくださっていたので、特別な時に着ようと思っていたのですわ。今日はその特別な日なのですが、その…どうでしょうか?」


「まぁ…その、なんだ…似合っていると思うぞ」


「ありがとうございますわ!!殿方に褒められることがこんなに嬉しいなんて…」


「大げさな…」


きちっとしている貴族の公服や学園の制服とは違い、全体が白を基調としたワンピースと普段よりもかなり解放的な服装に、いつもとのギャップを感じずにはいられない守はアディリシアの時と同様に言葉足らずな感想を述べるしかできなかった

服装の会話により少し甘酸っぱい空気になりつつある中で、そんな雰囲気は壊してやると言わんばかりに二人の変なマスクをつけた少女(?)が行く手を阻まんと立ちふさがり、口上を述べる


「フフフ…待っていたよ二人とも!!マスク・ザ・ブレイブ参上!!」


「同じくマスク・ザ・ヴァンパイア参上なのじゃ…じゃなくて参上!!」


「ここを通りたかったら、私たち二人を倒していくといいんだよ」


「…何してんだ、二人とも?」


「二人とも?はて、何の話なのじゃ…じゃなくて、何の話だ!!」


「いや、そんな変態ちっくなマスクなんて被って何がしたいんだって…」


「へ、変態ちっくなマスクなのやっぱり…」


「ええい、ここまでやったのじゃから、気合を入れるのじゃ。我らはそこの二人の行く手を阻むために金で雇われた傭兵なのじゃ」


「傭兵って…そっちのロリニンヌー馬マスクがジャンヌで、そっちのロリキョヌードラゴンマスクがジルだろ?」


「ジャ、ジャンヌとはいったい誰なんだよ?」


「ジルとかそんな高貴な者は知らぬのじゃ!!」


「はぁ〜…めんどくせー…。ジャンヌハカワイイナー」


「えっ!!本当っ!!」


「ジルノオシリヲペンペンシタイナー」


「いつでもカモンなのじゃ!!」


「はっ!?」


「しまったなのじゃっ!!」


ジャンヌとジルはそれぞれが守の口から求めている言葉を発せられ、嬉しさのあまり自分からマスクを脱いでいく


「くっ…さすが守だね。この完璧な変装を見破るなんてっ…!?その甘い言葉に惑わされたよ」


「いや、ただの棒読みー」


「結局変な姿を晒しただけなのじゃ…。だからやめようと言ったのじゃ…」


「変装するならアイシェさんくらいクオリティを高めろよ…」


「…お二方よくそんな恥ずかしい格好をされますわ。いくらデートの邪魔をするにしても、さすがにその格好は…」


「そっちだって普段着なれてないような格好してるじゃん!!一対一でデートできるからって張り切りすぎなんだよ!!」


「くぅ〜白が眩しいのじゃ。普段見せない姿なだけに変に神々しく見える〜」


「と、特別な時にしか着ない服なだけですわよ。守様だって似合っていると言ってくださいました」


「ふむふむ。守はこういう服が好きと」


「メモってんじゃねーよ!!それでお前ら二人はいったい何がしたいんだ」


「メイちゃんのていあ…むぐぁ」


「しっ〜じゃっ!!…何はともあれ、正体がバレてしまったのじゃ。我らはここで退散するとしよう。じゃが、このままうまくいくと思わないことじゃな」


「う〜むぐむぐ〜むむ〜」


ジャンヌの口を塞いだまま、ジルはこの先に不穏しか感じさせない一言を言い残し、撤退していく


「どうやらこの先にも邪魔者がいるようだな…。しかも明らかにメイの介入だとジャンヌが口走っているわけだが…」


「やはりファントム家は私に負けた腹いせをするようですわね…」


「皇国権限で邪魔が入らないという約束はどうなっているんだか…。いや、今更な話か。ま、邪魔をするなら全力で潰すまでだが」


「…守様、変なスイッチが入ってしまっていますわよ。私はただ平和な一時を守様と過ごしたいだけですのに…」


変にやる気スイッチが入った守とこの先が不安でしかないエリカは立ち止まっていても仕方がないと先へ進んでいく

その様子を影から見守っていたお邪魔虫の親玉(ファントム家)の二人は


「所詮あの二人一組は我が四天王でも最弱よ。まだまだ待ち構えているお邪魔虫を無事攻略できるかな」


「…お嬢様、早く行動しないと見失います」


「セリフくらい言わせてもらってもいいではありませんか。ま、次はあの守様でも少し苦手な人物が当たるはずですから、あの方に期待しましょう」


「…結果は目に見えているような気もしますが…」


守とエリカを見失わないようにメイとアイシェの二人も見つからぬよう後を追いかけていくのだった

その頃、メイの次の刺客はというと


「浮気と聞いては夫を正すのも妻の勤め!!さぁ〜折角の非番だ。守よ、お仕置きの準備は万全だ!!」


第二の四天王(?)は既に普段の騎士衣装で剣を構え、待機場で二人を待ち構えているのであった

エリカ編パート1はアディリシア編の時の対比と言わんばかりに、エリカがほぼ空気なくらいお邪魔虫他が目立ってしまいました。勿論エリカ部分も強めていきますので、お邪魔虫はお邪魔虫で読んでいただけたらと思います。

次回は久々なあの人の登場です。

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