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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
記憶
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65/76

アピール


「柳瀬君!!」

近頃、よくやって来る穂乃夏。

開口一言は、絶対晃へのアピール。

「ね、またバスケしようよっ!!」

目を輝かせて言う穂乃夏。

「ちょっと・・・」

この子、知っているはずなのに。

どうして無神経にそんなことが言えるの??

「やんねぇ」

優しい笑顔を浮かべる穂乃夏には目もくれず、晃は病室を去ろうとする。

「ちょっと散歩。

 病院内にいるから」

「あ、晃!!」

「待って、柳瀬君」

穂乃夏は素早く晃の後に続く。

「芽衣、あたしがついて行くから心配しないで」

要するに来ないで。

そう、彼女の目は言っていた。

癒し系の穂乃夏の容姿とは、あまりにもギャップが大きすぎる。

「っ・・・」

立ち止まる私の目の前で、無情にも閉まるドア。

虚しい。

結局、今の晃には中学の頃の記憶しかない。

南さんの方が一緒にいて安心するのも当たり前。

決心はつい最近ついたはずなのに・・・。

 

ガラッ


突然ドアが開く。

「あれ、芽衣??

 柳瀬は?」

琴音と村上君だった。

「えっと・・・穂乃夏と散歩に・・・」

「穂乃夏?誰、それ」

琴音が知らないのも無理はない。

「晃の中学時代の部活のマネージャーだって」

「ああ!!

 南ね!!」

村上君が懐かしそうに言う。

「で、柳瀬は何で元マネージャーとお散歩デートしてるの?

 彼女ほっといて??」

「こ、琴音・・・」

「わかんない」

けど。

晃は拒まなかった。

それは、彼女の同行を許可するということ。

私には・・・流石に・・・。







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