怒りをコイツに~琴音side~
ガラガラ
たった今、敦也と芽衣がこの部屋を去った。
上手く引き止めておいてよ~。
「あのさ」
私は何の躊躇もせず、不機嫌そうな柳瀬に声をかける。
「は?」
あからさまに顔をしかめるコイツには、マジで腹が立つ。
そっか。
今の柳瀬は中学生。
精神的には圧倒的に私が上!!
「アンタに会いたいって人がいるんだけど」
「誰?」
神様のいたずらなのか。
コイツ、どんだけ無愛想でも、計算されたような顔はカッコイイ。
「あー・・・同じクラスの美少女??」
「高校の?」
「うん」
「じゃ、嫌だ」
はぁ?!
「あのさぁ」
私はちょっと怒りをぶつけてみる。
「誰かに・・・友達に忘れられるのって、マジで辛いんだよ!!
確かに、アンタにとっていい思い出じゃない奴もいる。
けどさ・・・やっぱり辛いの!!
特に、芽衣が辛いはずだよ。
アンタ、あんなに芽衣のこと大好きだったじゃない!!
愛し合ってたじゃない!!
なのに・・・こんなのって・・・」
言ってる途中で、私が耐えられなくなった。
涙が止まらない。
「なんで・・・なんで忘れちゃうのよ・・・」
悔しい。
柳瀬の前で泣いてる自分が惨めに感じる。
「俺だって・・・」
急に柳瀬が話し始める。
「知らねぇ奴等に思い出せとか言われてさ・・・。
知らねぇもんは知らねぇって言ってるのに・・・。
俺の身にもなれよっ!!」
柳瀬だって辛い。
そんな根本的なことをすっかり忘れてしまっていた。
「柳瀬・・・ごめん」
ガラッ
「あの、失礼します・・・」




