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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
記憶
60/76

怒りをコイツに~琴音side~


ガラガラ


たった今、敦也と芽衣がこの部屋を去った。

上手く引き止めておいてよ~。


「あのさ」


私は何の躊躇もせず、不機嫌そうな柳瀬に声をかける。

「は?」


あからさまに顔をしかめるコイツには、マジで腹が立つ。


そっか。

今の柳瀬は中学生。

精神的には圧倒的に私が上!!


「アンタに会いたいって人がいるんだけど」

「誰?」

神様のいたずらなのか。

コイツ、どんだけ無愛想でも、計算されたような顔はカッコイイ。


「あー・・・同じクラスの美少女??」

「高校の?」

「うん」

「じゃ、嫌だ」


はぁ?!


「あのさぁ」


私はちょっと怒りをぶつけてみる。


「誰かに・・・友達に忘れられるのって、マジで辛いんだよ!!

 確かに、アンタにとっていい思い出じゃない奴もいる。

 けどさ・・・やっぱり辛いの!!

 特に、芽衣が辛いはずだよ。

 アンタ、あんなに芽衣のこと大好きだったじゃない!!

 愛し合ってたじゃない!!

 なのに・・・こんなのって・・・」


言ってる途中で、私が耐えられなくなった。

涙が止まらない。


「なんで・・・なんで忘れちゃうのよ・・・」


悔しい。

柳瀬の前で泣いてる自分が惨めに感じる。


「俺だって・・・」


急に柳瀬が話し始める。


「知らねぇ奴等に思い出せとか言われてさ・・・。

 知らねぇもんは知らねぇって言ってるのに・・・。

 俺の身にもなれよっ!!」


柳瀬だって辛い。

そんな根本的なことをすっかり忘れてしまっていた。


「柳瀬・・・ごめん」


ガラッ


「あの、失礼します・・・」






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