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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
記憶
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消えた私の記憶


心臓が凍りついたようだった。


誰?


晃に言われたその言葉は、私達には辛かった。


「ちょっ・・・意味わかんないこと言わないでくれる?!」

切れ気味の琴音が言う。

「は?マジ何なのお前?」

晃がうそを言っているようには見えない。

「晃??坂田麻耶は、忘れてないよね??」

天使のような微笑みを引きつらせながら、坂田さんが聞く。

「さかたまや?誰、それ」

「はぁ・・・?」

私の脳裏に、一つの考えが浮かんだ。


まさか・・・ね。


「じゃ、晃!この子は流石に覚えてるよな?」

村上君が、私の肩に手を置く。

晃の冷たい視線を向けられる。


「叔父さん殺した奴、だろ?」


ただでさえ寒いのに、もっともっと寒気がした。

ガラスが割れた音が聞こえたような気がした。


「晃!!」

「なぁ、おかしくねぇか?!

 法で裁けなくても、コイツがやったことは許されねぇだろ?!」

「やめてよっ!!」

日向さんは、涙を流していた。

「あんた、ホントに芽衣ちゃん忘れちゃったの?

 琴音ちゃんも?」

「何なんだよ・・・誰なんだよ?!」




「恐らく、頭を打った衝撃で、記憶の一部分を失ったのでしょう。

 それから・・・」

先生の言葉一つ一つが、頭の中で響く。

「精神的に大きなダメージを受けていますね。

 それで、その記憶のみが脳から消えてしまったのでしょう」

「だからぁ、俺はちゃんと全部覚えてる!

 忘れてなんかねぇ!!」

「落ち着きなさい」

荒々しい態度の晃を、お父さんが鎮める。

「何か、お心当たりは?」

「あります」

すかさずお母さんが言う。

やっぱり・・・私のせいだ。

「きっと、その事だけがなくなっているのでしょう。

 しかし、完全になくなったわけではないはずなので、少しずつ思い出していきましょう」

「そんなの必要ねぇよ!!」

晃が反発する。

「ホントに大事なことは覚えてるし。

 確かに、なんかもやもやすっけど・・・いい!!

 つか俺、受験生だぜ?」

受験生?

何を言っているの?

「思ったけど、敦也、お前なんで雅ヶ丘高校の制服着てんだよ」

「嘘だろ・・・」


晃の記憶は、1年前の柳瀬達也さんが亡くなった頃に戻っている。






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