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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
記憶
52/76

罪人の告白


私達は、晃の部屋のすぐ近くの面会の為に設けられた広場のようなところに来た。

そして、各々がここであろうと思う席に着く。

勿論、私の周りは柳瀬家で囲まれた。

正面は、晃のお父さん。

「では、話してもらえるか?」

私は、屋上で起きた事、事故のこと、全てを話した。


「そんな・・・」

皆、黙り込んでしまった。

それもそのはず、血縁を殺した犯人がここにいるのだから、殺したくて仕方がないに違いない。

「つまり」

やはり、口火を切るのはお父さん。

「君は、自分が悪いと思っているのかね?」

「はい」

「それは違うよ!!」

突然、日向さんが立ち上がった。

「芽衣ちゃん、それは、ただの偶然・・・。

 芽衣ちゃんは意図的にやったわけじゃないし、叔父さんが飲酒運転をしたのも事実・・・」

「そうだ!」

今度は悟さんが立ち上がった。

「叔父さんは芽衣ちゃんを恨んでなんかねぇ!

 あの人は、すっげぇいい人で、罪を償おうとあんなことを・・・」

話しながら、悟さんは黙り込んでしまった。

皆さんは、凄く優しい人。

こんないい人達に、こんな思いをさせている自分が恥ずかしい。

どうして私なんかが生きているの?

神様は残酷だ。

生きるべき人間を死なせ、死ぬべき人間を生かす。

これこそ、生き地獄だ。


「それでも」

私は罪人だ。

「私が柳瀬達也さんを殺しました」


その時だった。


「あ、晃君!」

看護婦さんの悲鳴に近い声で、私たち全員は出入り口に目を向ける。


晃が立っていた。


「今の話・・・どういうことだよ」

呆然とする晃。

「晃、気が付いたのね!!」

坂田さんが嬉しそうに駆け寄る。

「は?」

晃は一瞬坂田さんを見て、すぐにこっちに向かってきた。


バンッ


晃が私の目の前のテーブルを叩く。

「ちょ、晃?」

「うるせぇ、日向!!」

日向さんにさえ怒りをぶつける。

「お前が叔父さんを・・・あんなに追い込んだのか?」

少し震えた晃の声に、彼が怒りを露わにしていることを明確に教えられる。

「晃、それは違う」

すぐさまお母さんが晃を宥めようとする。

「芽衣ちゃんは、」

「なぁ、アンタ言ったよな?」

晃は私を鋭く睨む。

身体が硬直して、震えが止まらない。

こんなに近くにいる大好きな人が、怖くてたまらない。

「“私が柳瀬達也さんを殺しました”って」

「・・・はぃ・・・」


バンッ


晃がまた、テーブルを叩く。


「返せよ!叔父さんを返してくれよ!!!」

「晃、落ち着けって!!

 芽衣ちゃんは悪くない!」

「はぁ?悟、お前マジでアホか?

 この女、自白してんだぜ?」

悟さんの宥めも効かない。

「晃、言葉を慎みなさい」

遂に、お父さんからの制止の声が掛かった。

「親父!!皆、何言ってんだよ!!」

「晃、もう落ち着いてくれよ。

 お前、さっき屋上でこの話聞いたとき、そんなんじゃなかったじゃねぇか」

「さっき?屋上?

 敦也、お前何寝ぼけた事言ってんだよ」

「は?」


え?


「そうよっ!!柳瀬、アンタ態度変わりすぎ!!」

晃はうざったいとでも言うように、舌打ちをする。


「さっきから思ってたんだけどさ、


 お前等、誰?」










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