芽衣の告白
最悪だ。
まさか俺達には、こんな繋がりがあったなんて。
芽衣を見る勇気がない。
振り返る勇気がない。
身体が硬直していくのがわかる。
舌を少し強く噛んでみても、違和感しかない。
「ね?
加害者の甥っ子である晃と、
被害者の生き残りである泉川はぁ・・・」
俺達が離れた距離の中間に、坂田が仁王立ちする。
「むーすーばーれーなーいっ♪」
その一言と共に、俺の腕にしがみつく坂田さえ、気にはならなかった。
俺の心にあったのは
深い喪失感だった。
「でもっ!!」
絶句していた敦也が急に口を開いた。
「泉川の両親が亡くなったのは、晃のせいじゃねぇだろっ!
な、そうだよな、泉川?」
喉から搾り出したような敦也の言葉は、芽衣に向けられた。
「・・・・んで・・・・」
芽衣の声が、微かに聞こえる。
「ぁ・・・きらぁ・・・」
見なくてもわかる。
芽衣の視線は、俺に向けられている。
もう逃げらんねぇな。
俺は鉛のように重く、硬直した身体を引き摺るように動かし、芽衣を見た。
芽衣の瞳は真っ直ぐに俺を見据えていた。
その瞳は、同じ人間とは思えないほど神々しく、全てを悟った目だった。
「・・・知られたくなかった・・・」
決して大きい声ではない。
それでもその声はとても澄みきっていて、遠くにまで届きそうだった。
「え・・・・?」
“知られたくなかった”??
「私ね・・・晃・・・」
1度ゆっくり瞬きした芽衣の目が、再び開いた時に、一つの雫が芽衣の頬を伝った。
「知ってたの・・・・晃の・・・叔父さんのこと」




