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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
別れ
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偽り


「芽衣っ・・・」


そこに横たわっていたのは、芽衣の体だった。


俺は、芽衣のすぐそばに来た時に、ようやく気づいた。

芽衣の体が、傷を負っていることに。

唇の端には、殴られたような血の痕。

制服が捲れたお腹には、鮮やかな鬱血痕。


リンチ


集団暴力


そんな単語が俺の頭を横切った。


「うふふ♪」


楽しそうな声が聞こえた。


振り返ると、この前の脅迫女が立っていた。


「坂田っ・・・」


翔が呟いた。


そういえば、そんな名前だったような・・・?


「柳瀬君、あたしアナタと同じクラスだよ?

 知らなかったでしょ?」


「えっ・・・」


「うふふ♪

 泉川さんの事は、その罰・・・ってとこかな??

 忘れるなんてひどいよぉ」


唇を尖らせ、拗ねたように言う坂田。

その行動1つ1つが、俺を怒らせていく。


「坂田お前、」


「部外者は黙ってて」


それまでの可愛らしい声ではなくなっていた。


「柳瀬君、もう1度アナタにチャンスをあげる」


甘ったるく、誘惑するような声。


「あたしと付き合わない?」


「はぁ?

 お前何言って、」


「また泉川さんを傷つけたいの?」


俺は、はっとする。


横たわっている芽衣は、気絶している。


「次は・・・性犯罪させよっかな??」


その声で、俺は衝動的に坂田に殴りかかろうとしてしまった。


「いいの??」


大きい声を出す坂田。


「ここであたしが悲鳴を上げれば・・・。

 気絶した女子高生。

 体格のいい男子高生。

 そして・・・怯えるか弱い女の子」


俺にゆっくりと近づきながら、続ける。


「それでもいいの?」


「晃、コイツに騙されるなっ!!」


黙り込んでいた翔が叫んだ。


「ソイツは、」


「言ったはずよ。

 部外者は黙ってて」


翔を脅すように睨み付ける坂田。


「それとも何?

 2人まとめて少年院送りにされたいの?」


「なわけねぇだろっ!!」


「そんなに泉川さんを傷つけたい?」


「てめ、」


「翔、黙れ」


俺が翔を静める。


「晃、おま、」


「坂田、そのチャンス、まだ有効か?」


坂田は嬉しそうに微笑む。


「そうね。

 アナタの愛の言葉を聴ければ」


俺は、ボコボコに殴り殺してやりたいくらい、坂田にムカついてる。


でも。


俺は大切なものを守りたい。


大切な翔を。


大好きな、芽衣を。


俺は坂田に歩み寄る。


「・・・好きだ・・・」


「あたしも」


翔は、この瞬間を見て、膝をついた。






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