ホントの気持ち
「泉川・・・」
俺は、無意識のうちに呟いていた。
「芽衣ちゃんは喋れないんだっけ?
んぢゃ琴音ちゃん」
ビクッと体を震わせる・・・藍川。
「アナタはこのこと、知ってた?」
俯きながら、首を横に振る藍川。
「ふーん。
芽衣ちゃん、このことは誰も知らなかったの?」
ゆっくりと首を横に振る泉川。
「誰が知ってたの?」
沈黙ができた。
「アイツか?」
俺は聞いてみた。
「アイツぅ?」
「そ。
泉川の・・・叔母さん」
「あ・・・・あの人か」
藍川は思い出したように小さく呟いた。
「そうなの?」
泉川に問いかける日向。
泉川は、首を縦に振る。
「ねぇ、死のうと思ったの?」
直球すぎる質問。
「死んで楽になろうとしたんでしょ?」
日向以外の全員が黙った。
「ばっかぢゃないの?」
え?
「親が死んでまで守った命・・・。
アンタはそれを粗末にするの?」
無言で無表情の泉川。
その瞳には、輝きの欠片もない。
「アンタを守った親の気持ちは?
アンタの友達は?
アンタが生まれて良かったと思ってる人達は?」
どんどん問い詰める日向。
「その全てを無視するんなら・・・」
日向は、近くにあった鋏を手に取った。
「殺してあげる」
「ひっ日向さんっ?!」
「日向、落ち着け!!」
宥めようとした。
しかし、日向の瞳は見た事ないくらい真剣だった。
「何とか言いなさいよ」
泉川の正面に、鋏を突きつける日向。
「アンタの親は、アンタがそんな風になるのを望んでるとでも思ってんの?
声が出なくなるのを望んでると思ってんの?」
「日向さ、」
「自分で捨てるんなら・・・その命、殺してあげる。
その方が、価値観あるでしょ?」
俺は、日向が怖くなった。




