日向参上!!
俺の腕を掴む泉川の頬に、一筋の涙が伝う。
「芽衣っ・・・」
小さく息を呑む藍川。
「ちょっ・・・、柳瀬君っ?!」
「お、落ち着いてっ?!」
「それにアタシらは、騙されてること言っただ、」
「ざけんなっ!!」
気づかぬうちに、口が勝手に動いていた。
「何なんだよテメェら・・・」
「柳瀬・・・」
山本は、未だにガクガクと震えている。
「俺は泉川の事情はよく知らない。
でもな・・・」
山本を思いっきり睨みつける。
「テメェらみてぇな気色悪ぃ連中が、馬鹿にしていい奴じゃねぇってことは、
見ててもわかる!」
「ひっ!」
俺の怒鳴り声に、肩を大きく跳ね上がらせる山本。
「・・・めんなさぃ・・・」
小さな声。
「アタシ、ホントに悪い事してた。
だから、謝るから・・・夕那を許して」
頭を下げる山本の連れの1人。
「あ、綾っ!!」
「今さら何言ってんの!!」
「1人だけ善人面してんじゃねぇよ!!」
「この裏切り者っ!!」
女共の矛先が、アヤとかいう奴に代わった。
「こんのっ!!」
「うち等裏切ったらどうなるか・・・」
「わかってんだろぅな!!」
「何か言えよ!あぁ?」
アヤ、は無言で暴力を受け入れる。
「もうやめて!!」
悲痛な叫び。
「綾を蹴らないで!殴らないで!!」
俺を押しのけ、アヤ、に覆いかぶさる山本。
「いい度胸してんじゃん、夕那」
「てことはー・・・うち等アンタの束縛から解放じゃん?」
「ラッキー♪今までのお礼しなくちゃ♪」
「精々、お綺麗な顔に傷か付かないようにしなっ!!」
また暴行が始まった・・・と思った時。
「はい、ストップー!!」
窓の方から声がした。
女・・・?
「誰っ?」
「こんにちはー♪諸君!」
カーテンの先に居たのは・・・。
「えぇ?!」
「ひ、日向ぁ?!」
忘れもしない、嫌味な位の整った顔。
小柄な体に、ベリーショートの赤の混じった髪。
アイラインが綺麗に引かれた目元。
ツンとした鼻に、グロスが光る小さな唇。
「日向さん、何でここに?!」
「細かい事気にする男は嫌いよっ?
とーにーかーくっ!!」
俺に近づく日向。
その直後。
バコッ!!
頬に広がる痛み。
「っつぅ・・・」
「女に手ぇ出そうとか、あたしの弟としてまぢサイテー」
あぁ・・・アレの事か・・・。
「ま、この件はまた後日に♪
保留ってことでどよ?」




