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声を聞かせて  作者: CACAONOVEL12
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無口な美姫の真実


「ざけんじゃないわよっ!!」


もっかい怒鳴った藍川。

その後ろには、お供の泉川。


「アンタら、何の根拠があってこんなデタラメでっち上げてるわけっ?!」


かなーり怒ってる。


「大体、私は敦也オンリーなのっ!

 他の男は皆クズよ、クズ!!」


わーぉ・・・。


「結局クズ扱いぢゃん」


敦也の発言に、ヤバッという表情の藍川。


「でも・・・嬉しいわ、サンキュ」


そう言いながら、藍川に歩み寄る敦也。


「ちょーっと待った!!」


いい雰囲気を壊した、凄いKYがいた。


山本だ。


「アンタはそうかもしれない。

 けど、泉川はどうかしら?」


意地悪な笑顔を浮かべる山本。

全員の視線が、泉川に集中する。


「芽衣・・・」


泉川は、パクパクと口を動かす。

けど、発声はしていないようだ。


「クスクスクス・・・」

「何アレ」

「だっさ~」

「酸欠の金魚みたいっ」

「きゃは、ウケる~」

「かわいそ~」


何なんだコイツら。


「アンタ達っ」


藍川の怒りが絶頂に達したようだ。


「泉川って~喋れないんでしょ?」


またしても山本。

喋れない・・・?


「担任に聞いたら~あっさり教えてくれたしっ!」


「夕那、心配してるフリしたもんね~」

「あれはウマかった」


「えっと~確か、家族が交通事故で死んじゃったんだっけ?

 んで、泉川だけが生き残った。

 ぷぅ~ドラマみたいっ!!」


俺の中で、何かが熱く、大暴れしている。


「てゆーかぁ・・・アンタ1人の為だけに、他の全員死亡とか、かわいそ~」


「悲劇のヒロインぶってるとことか、まぢサイコー!!」

「ちょーウケるしぃ!!」


きゃはははっ、と甲高い声が響く。

音楽室なんかにこなきゃ良かった。


「・・・かんの・・・」


「はぁ?」


「アンタ達に・・・芽衣の何が分かるのっ?!」


机を思いっきり蹴飛ばす藍川。

その音にびびる女共。


「芽衣がどれだけ苦しんだ事かっ・・・。

 私は隣で見てただけだけど、自殺まで追い込まれたのよっ?!」


藍川の怒鳴り声に、静まり返る音楽室。

藍川は、涙を流しながら、拭きもせずに続ける。


「芽衣の痛みを、軽々しく口に出すなっ!!」


「なっ・・・アタシが心配してやってるってのにっ!!」


「心配っ?アンタみたいな外道に心配なんかされたくない!!

 寧ろ、吐き気がするっ!」


「はぁー?

 アンタ、アタシを敵に回したいの?」


「いい度胸してるじゃない!」

「夕那には、暴力団の知り合いもいるんだよ?」

「どうなるか・・・分かってるよね?」


俺の中の何かが、遂に爆発した。


「え?やな、」


ドカッ!


俺は、山本の背後の壁を殴っていた。


「や・・・なせ・・・?」


山本は、涙を流している。

怖いんだろう。

かなり震えている。


「あ、晃!!」


「柳瀬、やめなっ!!」


藍川と敦也の声も遠く感じる。


俺・・・今どんな顔してんだろ?


そんな怒りに満ちた俺の心を、一瞬にして和らげたものがあった。


「泉川・・・」


俺の壁に付いた方の手を、必死に掴む泉川の手だった。







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